2023.12
外国人とともに「福祉」で働く
情勢説明 外国人介護人材を巡る状況
- 外国人の受入には,EPA(経済連携協定),在留資格(介護),技能実習,特定技能の4種類がある.
- EPAは2008年からインドネシア,2009年からフィリピン,2014年からベトナムを受け入れ,実績は7000人で,介護福祉士候補者を特例的に受け入れている.介護福祉士を取得するなどで就労しているのは約3000人.
- 在留資格は,介護福祉士国家資格を取得している人に付与する在留資格.入管法により規定され,2017年より施行されている.家族の帯同も許可され,現在6300人が就労している.在留期限の更新はない.
- 技能実習制度は,相手国への技能移転を制度の趣旨に掲げている.2017年に介護職種が追加され,2022年時点で1万5千人が就労している.
- 特定技能制度は,深刻化する人材不足対応のために一定の専門性をもつ人材を受け入れる制度.5年の滞在が可能であり,2万2千人ほど就労している.特にこの制度での伸びが大きく,日本語検定と介護技能検定に合格する必要があるもこの両方合格したものは6万人おり,今後も増加することが見込まれる.
- 特に昨今,諸外国と人材確保の競争が激しくなっており,受け入れ環境整備の取り組みをさらに支援することが必要になっている.また介護福祉士の国家資格取得のための支援の強化が必要となっている.
- またヘルパーのように居宅で一対一での対応を要する職種には外国人は働けないとされているが,現在,ヘルパーの高齢化や人手不足は顕著であり,認めるように議論が進んでいる.
外国人介護人材受け入れにおける課題と受け入れ法人などに求められること (藤野達也)
- 介護人材は2040年には96万人不足する.また都市部において顕著である.また介護福祉士の養成校の定員充足率は約50%で,そのうち留学生が約3割を占めている.
- EPAで来る学生は,これまで電車や飛行機にも乗ったことがないと言う人が多かった.ベトナムでは親や家族がビザを取得するのはハードルが高く,議場実習生などの子どもに会いに来ることが容易ではない.また来るまでにブローカーに相当支払い借金をしているのも問題である.現地では月収2万〜4万.また介護士の資格を取得しても就職できないケースもあるという.
- 受け入れる側としては,風通しの良い職場環境,日本語をたくさん話せる環境,そして日本人職員の理解無しには成立しない.またすぐ帰国するからと言うよりも,その人の人生であるからと気持ちよく送り出すことが大事である.
- その他,いわゆるジョブコーチ的な外郭団体があるので,それらとうまく連携していく必要がある.
外国人介護人材の受け入れ・定着にかかる関係機関の現状と課題 (湯川智美)
- 技能実習生の権利擁護や失踪防止の措置のため,入管法の改正を経て2017年に技能実習法が成立した.技能実習に関して技能実習計画の認定,及び管理団体の許可の制度を設け,強制的に調査する権限を与えられた外国人技能実習機構を設けることにより,技能実習の適正な実施および技能実習生の保護を図ると定めている.
- 管理団体の中には介護に対する理解が足りないものがあった.また細かい規定があるようだけど,あんまり頭に入ってこなかった.
- 実習実施機関及び実施内容に関する要件も定められている.責任者や指導者,生活指導員を配置,計画を提出して認定が必要となる.
- 細かいことがいろいろと書いてあったが,よく分かりません.
レポート
- 外国人受け入れにおける必要手続き
- 福祉施設の人材確保について
- 10年度の介護現場を考えた計画的組織体制づくり
- 外国人住民の声を地域の力に
藤野達也氏の論文
モンゴルにおける介護人材送り出しの可能性 | CiNii Research https://cir.nii.ac.jp/crid/1050001339170628864
EPA介護福祉士候補者受け入れの現状と課題 : 国家試験受験前の帰国理由からの分析 | CiNii Research https://cir.nii.ac.jp/crid/1050845764099113984
台湾の福祉サービスにおける外国人介護労働者の実態 : 高屏地区の高齢者通所施設及び入所施設の外国人労働者の受け入れ状況 | CiNii Research https://cir.nii.ac.jp/crid/1050004953511530752