2013.5
社協・生活支援活動強化方針を読む
地域における福祉活動と求められる社会福祉協議会の活動(和田敏明)
- 社協・生活支援活動強化方針と生活困窮者の生活支援のあり方に関する特別部会報告書についての解説をしている.共通しているのは生活困窮者の増大が国の基盤の揺らぎとして捉えていること.
- 背景には,非正規雇用の増大,社会的孤立,重複する生活リスクの累積による社会的排除が要因として挙げられ,排除がすすむことで既存の制度から漏れ,インフォーマルなネットワークからも見過ごされる.そのため生活困窮者自立支援制度の推進と生活保護の見直しが進められている.また地域住民による自発性や地域福祉のより重要性が増していると言える.
- まずは地域住民の生活に何がおきているのか.数ではなく生活の場できちんと把握すること.また,社会的排除状態の人々をどう理解するか.そしてその上で困っている人が安心して生活できる場所,地域作りをすること.そして,困っている人を見守るネットワークの精密さ.そして,最後に継続的にあるいは総合的に支援できることである.
- 社協は地域活動のパイオニアであり,そしてオピニオンリーダーでもある.地域福祉の推進拠点であり,これまでの事業やノウハウを駆使して,こうした社会的排除状態の人々への支援においても総合的に関われるはずである.
- 地域における深刻な生活課題の解決や孤立防止に向けた行動宣言では,あらゆる生活課題への対応,相談.支援体制の強化,アウトリーチの徹底,地域のつながり再構築,行政とのパートナーシップなどがうたわれている.
対談
- 社協に福祉系の教授が訪問して取り組みについて聞いている内容.
- コミュニティソーシャルワーカーが,コーディネーターとなって地域福祉ネットワーク会議を開催したり,見守りを小学校区で行ったりとやる気があればいろいろとやれることがあることを教えてくれる.
- その中でもやはり地域に出てこない,ひきこもりとか発達障害者への支援が課題になっていて,プロジェクトを発足し取り組んでいる.
- 現代社会では一つのやり方では全ての人はつながれない.地縁,事業所のネットワーク,小地域での活動,ボランティア活動などを重層的に展開することが必要.また,課題を見つけるのは,地域からの話が多い.そのアイディアをCSWが企画立案,調整などをして住民に説明する.
- 社協というと,事務局と捉えがちだが,本来は住民とともに活動していることを指す.
- さまざまなミッションやセクションでの活動を共有することで,個人が関わらなくてもそれがスキルになったりノウハウになり大きな学びになる.