(特設)ロンドン旅行


  97年8月下旬の新婚旅行記録である


 平成9年(1997年)8月21日(木) 果たしてロンドンは歓迎してくれるのか?

 当日は朝6時過ぎに起床。7:30京阪御殿山駅で準急に乗り京橋でJR環状線に乗換
え天王寺へ。天王寺では、JR西日本の特急はるかに乗り、関西国際空港に行く。
 手荷物は、るな先生・私ともに、サムソナイトのおニューなスーツケースを一つづ
つとショルダーバッグそれぞれ一つ。
 空港では、換金(1ポンド=約200円、1フラン=約20円)、パリで使う予定の電源変
換プラグや、洗面道具類、土産物の等を購入。午前11時に機中の人となる。大阪から
ロンドンまでは直行の約12時間。時差は現在サマータイムであるので8時間日本の方
が時間が進んでいる。ロンドンのヒースロー国際空港到着は現地時間で16時である。
機内では、通常の食事が2回と軽い食事が1回出、映画は2本放送される。邦画は見た
がもう1本の洋画は放映中は殆ど寝ていた。
 ロンドンに近くなり飛行機が高度を下げて見る市街地のロンドンは茶色ぽい建物が
目立ち日本とは全く違う光景に感動を覚える。
 ヒースロー空港に予定時刻に到着する、入国目的は「ハネムーン&サイトシーィン
グ」と言い入国手続きはあったという間に済む。ロビーでは、ホテルへの案内をする
旅行会社の現地担当を探す。待っていたのは割と若そうな日本人女性であった。彼女
によると約1時間後に別の団体が来るのでそれまで時間を潰しておいてくれというこ
とであるので、仕方なく時間を潰すことになる。るな先生によれば、今回のホテルま
でなら地下鉄で1本でいけるというのだが、パック旅行のため仕方ない。

 取りあえず空港の売店で、TIME OUTとNMEを購入しコンサート情報の収集をしよう
ということになる。kerrang!とかTerrorizer、またメロディーメーカーは発見できな
かった。
 喫茶店に入ったりして時間を潰し、約1時間、後発グループと合流し、観光バスで
ホテルへと向かうのであるが、ホテルが3箇所に別れている上に我々のホテルは最後
というので大変に時間がかかる。途中タワーレコードを発見し、「ここは、いかねば
なるまい」と密かに心に誓う間にもバスは進んでいく。ロンドンの街並みは日本のよ
うに近代的なビルが立ち並ぶってこともなく、昔からあるような煉瓦造りのいかにも
歴史の有りそうな建物が一杯あり、日本のいかにも近代的といったにわか都会と異な
り、歴史の重みを感じ感動を覚える。。
 結局ホテルに到着し旅行会社の担当者から開放され7階(日本では8階)の部屋に
入ったのは19時過ぎであった。
 因みにホテルは、るな先生が留学していたロンドン大学大学院の目の前にあるロイ
ヤルナショナルである。名前は大層なホテルであるが、空調無し(これは、北緯が樺
太付近であることを考えれば当たり前か)、冷蔵庫無し(これもるな先生に言わせる
と普通だとのこ)、窓はロックできない(これは普通じゃないだろう?)、という普
通の日本人の感覚からはかなりぼろいものであった(^^;)。
 当夜は、近所にある雑貨屋でメタル情報もあるKERRANG!とメタル部屋で話題のマリ
リン・マンソンが表紙のMetal Hammerを購入。また近くのスーパーマーケットに行
き、ミネラルウォーター、チーズ、ソーセージ、おやつ等を購入後、中華では有名な
プーンズに行って、鴨ラーメンを食べる。るな先生は見事にたいあげるが、どうも私
の口にはあわず、半分ほど残す。麺は極細で量は結構多いラーメンに甘辛く揚げた鴨
肉がのっているものである。スープは結構あっさりしている味であった。
 その後ホテルに戻り、パスポート等をホテルのセキュリティーに預けた後は、流石
に疲れがどっと出て、泥のように眠る私であった。

 8月22日(金) 一体どこでTERRORIZERは売られているのか?

 この日は午前中に、私たちよりも1日早くこちらに来ている同じく枚方市在中の恵
子ちゃんに会う予定である。ウィンザー城が焼けたためその修理費用捻出のため中に
入ることができるバッキンガム宮殿を見学するためである。

 ホテルの最寄り駅、地下鉄(アンダーグラウンド)ラッセル・スクエア駅で1日回数
券を購入(実際購入したのはるな先生である!)。改札は全て自動改札となってお
り、しかも日本の方式とは異なるため一瞬とまどう。ロンドンの地下鉄では乗車券を
入れるとその直ぐ前から乗車券が出てくる。日本では、せっかちな人が多いので、歩
きながら切符を入れて、ゲートの最後の方で抜くのが、こちらでは、一度立ち止まっ
て、切符を入れて、そのまま待って出てきた切符を抜いて初めて前でロックされてい
るドアが開くという方式なのであったので焦ります。
 またラッセル・スクエア駅にはエスカレータが無くまるでJRなら貨物運搬用を思わ
すような大きなエレベータを使い地下に行くのである。かなり深いようで大体地下5
階程度の深さなので、歩いての乗り降りは結局試していない。
 またロンドンの地下鉄は遅れるのが常識である。行き先案内の表示は、LEDを使
ったもので、更に到着時間「2分」とかいうよに表示されているのだけど、あてには
ならない。2,3分進んでも2分のままということもある。更に、あまりにも乱れる
と、「行き先は列車の先頭を見ろ」という表示に変る(^^;)。後、改札前では、列車
の異常を知らせる黒板やホワイトボードが置かれているが、何故か毎日置かれていた
(^^;;;;)。
 車両は、日本の地下鉄に比べて小さい。円筒形の列車をしていて、よくまあでかい
外人がこんな小さい車両で我慢しているの?と感心しました。また、古い車両だと吊
革の代わりに吊玉(^^;)がぶらさがっています。新型車両は握り棒が水平に走ってい
ました(噂では新型車両は日本製だということで、エアコン付き)。
 尚昔はなかったそうだけど、最近では次の駅の放送を車内で行うようになっている
んだけど早口のため聞き取りにくいと評判であった(遅くても判らない>俺)。
 また車両と同じくトンネル自体も狭く(シールド工法で掘られたと思われる)、ホ
ームも狭いが、ホームには公衆電話とか雑誌・お菓子・ジュースの自動販売機等は大
体の駅にあった。しかし、物価は決して安くなく、ジュースが80ペンスから1ポンド
だから160円-200円位。

 9時に待ち合わせを行うビクトリア駅まで行き恵子ちゃんに会い、3人でバッキンガ
ム宮殿に向かうが、いきなり方向を間違えるおちゃめなるな先生であった(^^;;)。
 途中白馬にひかれた馬車に出くわし思わずおのぼりさんになり写真を撮る。うーー
ん日本じゃ見られない光景だけど、ようく考えたら京都なら時代祭り等なら馬に乗っ
た侍姿が見られたような気がする。でも馬車は普通は見られないだろう。

 宮殿前には既に長い行列ができており、本当に午前中に入れるのだろうか?と心配
になるのだけど、運良く9時45分にバッキンガム宮殿に入ることができた。
 また、先ほどの馬車がまだうろうろしているのを発見。「歩いた方がはやかったの
う」とつぶやく。
 クリムゾンキングの宮殿のモデルではないだろう、宮殿の中は結構しょぼかった。
しかしこの次点でまさかダイアナが死ぬとは予想できていなかったから、ここに行っ
たのは正解であった。
 宮殿の近くのお土産物屋に行き、パンフレットやお土産を買う恵子ちゃんであった
が、私は見てるだけであった。
馬車だ

 ただし、やることがさすがはイギリスとるな先生&恵子ちゃんのロンドン生活経験
組がぼやいていた。それは、宮殿とチケット売り場とが異常に離れており、もうちょ
っと近くにしろよな・・ということである。

 その後3人は近くのエイリアンおたくがやっているような怪しい喫茶店を見つけ、
渇いた喉を潤す。ロンドンでは嬉しいことにドクターペッパーがあるのでそれを飲
む。ドクターペッパーは東京ならあるんだけど大阪では既に売っていない。

 11時頃バスを使い(地下鉄回数券で乗れる)ロンドンの中央部であるピカデリースク
エアのHMVに行く。そこのHMVの店長であるRob(ロブ)は、るな先生&恵子ちゃんの友
人であるため私の紹介を兼ね行く。
 結局買い物をしたのは私だけで、ロブと2人が再会の話をしている間、メタルコー
ナーを物色したりロック・ポップスコーナーを物色していたりする。最初14ポンドと
か書かれているので一瞬安いじゃないか!と思うが、ドルじゃないことを思い出し、
20枚ほど持っていたCDを棚にそそくさと返した(^^;;)。うみゅーーー、実はちょっと
前にソレイユに行ったら店長の中島さんが「最近うちのお客さんが、イギリスにいき
はったんやけど、日本よりも高いって言っていたよ」という、話を聞いていたけど、
これは事実でした(;_;)。

 雑誌も物色するがTERRORIZERは無かった。もしかして、テロライザって物凄くマイ
ナーな雑誌だったのか!?と不安になる。
 ところが、流石はるな先生ちゃんとロブにその手のメタル系の店の所在を聞き出し
てくれたのであった。感謝多謝である。ロブによれば、その店=メタルヘッズはアン
ビリーバブルなブツが一杯あって、テロライザもそこでなら入手できるよ、というこ
とであった。
 取りあえず私は、CD2枚とメロディーメーカーを購入するにとどまる。

 その後HMV近くの店で昼食(ピザ)をとり、その後、三越デパートの地下にある日本
料理店で働く北野氏(40歳男)のところへ行く。地下1階にある店でむちゃくちゃ
高そうな店である。因みに北野さんは、ロンドンでは有名な日本料理の「嵯峨」でも
働いていたことがある。また、彼は、大阪府堺市出身の移民者であり彼女らがロンド
ンに留学中のホームスティのホストをやっていた人である。

 4人でパブに入る。彼の話によると、ロンドンには約5万人の日本人がいるそうで
あるが、その内移民者は3000人程度であるということ。最近ヨーロッパは統一さ
れたため日本企業のユーロ進出はほぼ不可能になったため、それ見越した会社は日本
食の店を出して取りあえず実績を作っているところが多くて、最近は日本食の店が多
くて昔は全部知っていたけど最近は北野さんも判らない店が多いということであっ
た。ロンドンでいる間、夜暇だったら遊びに来てね、と約束をする。
 その後北野さん、恵子ちゃんと別れる。彼女はこの日から3日連続で行われる、イ
ギリス音楽界の最大のイヴェントであるREADING FESTIVALへと向かったのであった。
 我々二人は近くにあるタワーレコードへと向かった。タワーレコードは平日であれ
ば夜中(0時)まで営業しているという店であり、品揃えも中々充実している。嬉しい
ことに、メタルコーナーは勿論あるし、インダストリアル・ノイズコーナーが非常に
充実しているのにびっくりした。私の知っているCD屋でこれほどノイズコーナーの
充実している店は他には知りません!という位に充実していた。しかし、ここにもや
はりテロライザはなかった。
 さて、いよいよメタルヘッズに行く時間になった。
 この時点で恥ずかしながらまだ私はロンドンのどのあたりでいるのか全く判ってい
なかったのである。教えてもらったカーナビ・ストリートへと二人は向かったのであ
る。人がうじゃうじゃといる、通りであった。

        ところが・・・ところが・・・・ところが・・・・
 
 ふみゅーーーーん。カーナビ・ストリートでEMPEROR "EVERENCE"のTシャツを着、
どこから見てもメタル風のアベックを発見したので、きっとこの辺にメタルヘッズが
あるに違いないと推測し、るな先生にその二人を捕まえてもらい聞く。
 「いやあ・・申し訳ない。僕たち旅行者なんで、その店は知らないよ」
 と、見かけは恐そうであったが、その話し振りは大層紳士的であった(^^;;)。
 結局店がある付近のアクセサリー店でるな先生が聞いたところ
 「そうだね、確かに以前はあったんだけど、店を畳んだよ」
 ということ(T_T)。一瞬目の前が真っ暗になった。
 ただ、そのメタルヘッズにはもう1軒支店(本店?)があるので、結局カムデン・マ
ーケットにある店に行くことにする。
 再びアンダーグラウンドに乗り、カムデン・マーケットに行く。ここの駅の改札は
自動改札ではなく、人が立っていた。何故かロープを持っているし。

 やっとこ見つけたメタルヘッズは地上階(GF)がTシャツ&怪しい下着売り場にな
っている店の地下にあった。因みにそのビルには、一目でメタルヘッズと判る銀色の
髑髏の模型がでかでかと掲げられていた、異常な店であった(^^)。
 「やっと見つけた」と地下に入るが、なんとそこは、Tシャツばかり!!!!
 ショックは大きい。
 一体・・・この状態はなんだ!
 イギリスにはメタルシーンは、存在しないのか?

 まるで、心斎橋のサイケ&ノイズ専門店「フリークシーン」を連想する店構えと内
容である。
 良く見るとアナログ発見。しかし、枚数は少なく食指が動かない。CD無いの?と店
員に聞くとありました、部屋の奥の隅に。
 しかし、しかし、枚数が少ない上にブラックメタルで持っていない物といえば、日
本にも入ってきていたが調度金の無い時に置いてあった1枚のみ(T_T)。うみゅーー
悲しい。しかも、ここにもテロライザはないのであった!!!!
 そこで、「テロライザはどこで売っているのか?」ということをるな先生に聞いて
もらったら、店員「テロライザ?ああ、それなら煙草屋で売っているよ」とのこと。

           「ほんまかいな!!!!?????」

 後、ブラックメタルのライブ情報を聞くがこっちには反応無しで、その代わり「今
晩、うちが主催のドラムン・ベースのDJパーティーがある」ということであった。な
んでメタル専門店がそんなテクノなことをするのだ?!

 さて半信半疑ながら近くの煙草屋に行って雑誌を物色することにする。
 そうしたら、なんと本当にあった・・・。一体、テロライザって何なのと、絶句。
ついでにるな先生の目を盗み、えっちな本を立ち読みする。いいなぁ。

 パブで一休みし、リズムレコードでアナログを物色。アシュラテンプルの1stアナ
ログを購入。しかし、再発だとのこと。日本じゃあまり見ない、フリークシーンの再
発CDを発見するが高い。6時頃までうろうろしていたら、殆どの店は店じまいを始め
ていたのには、私はびっくり、るな先生は当然顔をしていた(どんな顔や)。

 次の約束地であるエンジェルへと再びアンダーグラウンドにのる。
 エンジェルで待ち合わせしていたのはスイス人のステファンである。彼は翻訳会社
の社長をやっている人である。
 道を歩いていると、やたら道に生ゴミが落ちている。おおお!これがリアル・ロン
ドンだと、写真を撮る。どうやらついさっきまで路上マーケットが開かれていたよう
だ。でも掃除をしている人もいた。

ごみのロンドン

 3人で菜食主義のインド料理を食する。アメリカほどではないにしろとにかく量が
多いのと時差ぼけのため食欲がわかず、結構残してしまったのが残念である。
 3人でいる時は問題はないが、るな先生がトイレに立ったのが、運の尽き。筆談で
英会話をする私であった(;_;)。
 帰り道はかなり奇麗になっていたので、これも写真にとる。
 ステファンは軟派の為にクラブに行き、我々はホテルに帰る。

 この日も9時過ぎには寝てしまった(^^;;)。
 

 8月23日(土) このバス、一体どこにいくの?

 この日は、日本で購入した、パタリロの文庫本1−3巻、関西国際空港で購入した
免税品の煙草10箱、それとCDを持って、昨日も行ったカムデン・マーケットに行
く。駅を出て右側の歩道で海賊版テープを売っているのを発見。1本だと4ポンドな
のが3本だと10ポンドなので3本購入する。そういえば、聞いた話だけど今やって
いるレディング・フェスティバルも、翌日には海賊テープが会場近くで売られるらし
いというから凄いパワーである。

 約束の時間前に、まずは、中古レコード、CDの即売会が開かれているので入る。
なんと入場料が必要であった。 中は5,6軒の店が入っていてロック、ジャズ、レ
ゲエ、ポップス等を中心にCDやアナログが結構置いてある。
 ここでの失敗といえば入り口付近の店で、物色していると持っていないスパークス
のCDシングルを1枚見つけた。店のおじさん商売人で、7吋のアナログシングルま
で取り出してくる。4枚あったのだけど結局2枚買った、とここまでは良かったのだ
が、後で奥の方に行ったら同じCDが1/3の値段で売っていたのだ(;_;)。
 約束の時間が来たので、再び駅に戻るとすでに、清水さんが来ていた。後で判った
のだけど彼女はるな先生の教え子20歳、独身で、今年の2月からこっちに来ており、9
月から専門学校に行くということである。
 3人で喫茶店に入り、積る話をする。かなりの音楽好きで、最近はまっているが、
マリリン・マンソンだということで、5月に日本来日した時もおっかけで日本まで行
ったそうな。勿論reading festivalにも出るので見に行くとのことであった。
 彼女にパタリロ本+煙草を渡し、店を出る。道を歩いているとバスが来た・・・清
水さんは「このバスならいけますよ」ということなので、そのバスに乗り、別れる。

 バスは当然2階にのったのである。途中レストランLUNAを発見し、写真を撮ろ
うとするが失敗に終わる(^^;;)。
 ところが、このバス私たちが行こうとしている方向には全く行っていなかったので
ある・・・つまりかつての教え子に、はめられた訳だった。
 バスは挙げ句の果てに、住宅街とおぼしき付近のロータリーが終点で止まってしま
ったのであった(^^;;)。
 まさかここが終点だと思っていなかった私たちは呆然としたままであり、一人乗っ
ていた英国人男性が"last stop!!"と親切に言ってくれたお陰で、なんとか私は降り
られたが、るな先生たら、じたばたしているもんだから、降りる前に降車口がしまっ
てしまい、あやうく「ロンドン新婚一人旅」になるところであった(^^;;)。

 到着したのはハムステッドであった。MEN IN BLACK等の映画を公開している映画館
前に戻るバス停を見つけたのでバスを待った。
 この間は暇だし、調度、人も車もあまり居ない場所だったので、ロンドンに到着し
てから気になっていた横断歩道に書かれている"LOOK RIGHT"、"LOOK LEFT"というペ
ンキの文字の写真を撮ることにする。

まるで大阪 Look right

 最初ロンドンでそれを発見した時はまるで大阪の横断歩道に書かれている「左方注
意!」「右方注意!」という文字を思い出してしまったのである。勿論、車が来てい
なかったら、例え歩行者の信号が赤であっても渡るのはヨーロッパでもアジアでも大
阪でも常識であるが、事故が多いためこういった文字が書かれているのであろう。因
みにこの付近の運転手は親切で信号の無い横断歩道で待っていると必ず車を停止して
くれる。これが市内中心だとこうはいかない。

 なんとかバスに乗る。ふたたびレストランLUNA前を通ったので今度は写真を撮り次
の目的地であるコベント・ガーデンへと向かった。ここはラフトレードがあるからで
ある。
 ラフトレードは小さな看板が出ており、G階がTシャツ等を売っている店で地下1
階にある割と小さな店であった。ここではGERMANOFONのCDも扱っていたのでエピタ
フの1stを探すが見付からなかった。
 るな先生がポポルブのビデオを見付けたのでそれのみを購入することにしてレジで
並んでいると、客の兄ちゃんが私の持っているビデオを見て「何それ?」と欲しそう
な顔をして聞いてくるので「ポポルブのビデオだよ」とぶっきらぼうに答えそれ以降
は無視した。

 その後、店近くの喫茶店で冷たい飲み物+フルーツの盛り合わせを食べる。正直言
ってイギリスでは食べ物は期待していなかったのだけど、フルーツや野菜は日本より
も美味い。日本のように半熟の状態で売られることはあまり無いようで、大抵が完熟
した大人の味を楽しめる。
 そういえば、清水さんと入った喫茶店で軽い昼食をしたけどその店では肉はあって
も牛は無し。流石に狂牛病の影響は大きいようであり、この時点でまだローストビー
フにはありついていなかったのである。

 地下鉄に向かう途中、るな先生がショーケースを見ている・・・なんだこの石臼
は?と思って良く見ると、巨大なチーズであった。直径50cm、厚さが20cm以上あるの
が積み重なっているのは壮観な眺めである。

石臼のようなチーズ
 
 再び地下鉄に向かう。ホームに降りると人だかりができている。運行表示も止まっ
たままで、こりゃ次の目的地にはいけんじゃないか・・・ということで、タクシーに
乗ることにした。イギリスの普通のタクシーは独特の形をしているけど、英語ができ
ないと乗るのはつらいが、今回は安心である。
 しかし、うまく行かない時はうまく行かないもので、渋滞に巻き込まれ中々前には
進まない。バスが5台ほど前を塞いでいたのが原因か?と思いきや、なんと清掃車が
そのバスの前を走っていたのであった。メーターは日本と同じく距離+時間なので目
的地のノッティング・ヒルゲートに到着した時は確か10ポンド近くかかってしまっ
たのであった。
 地下鉄駅近くの中古PC店で、PCとPDAをちょっと見るが、目当ての物は無かった。
また置いてあるものも80486を中心にしたAT互換機が多かった。後IBMの586はやはり
メジャー級であった。

 さて、本日のメインイヴェント。それは無謀にもブラックメタル専門レーベルと言
っても良いであろうCacophonous Recordsに、ノーアポ突撃することであった(^^;)。
 駅から目的地まではかなり遠い。テロライザのカコフォノスの広告で住所を確認し
ながらひたすら歩く。時間は16時を過ぎていた。
 途中露店で売っている服を欲しがるるな先生に服を買うなどしながら目的地へと向
かった。歩くこと約20分を過ぎたであろうか。目的の番地を発見した。

 ありゃ?レコード屋になっているじゃないか。あ、そうかレコード屋もやっている
のか。と後先考えず、その店の前で記念写真を撮る。
 ちょっとどきどきしながらその店に入ったらなんとBGMにかかっていたのが、オ
ールディーズ・・・・なんで?がちょーーん。間違ったのであろうか?
 ここでるな先生が大活躍してくれ、レジに行き店主らしき人物に
 「私たちは日本からカコフォノスレコードを尋ねてやってきたのですが、カコフォ
ノスレコードはここじゃないのですか?」
 店主は「あ・・カコフォノスですか。知ってますとも。この建物の1階(日本では
2階)がそうですよ。でも、今日は土曜だから休み。月曜はホリディだから火曜日に
なら開いていますよ。」ということであった。
 更に、るな先生は「この店ではブラックメタル系はないの?」と聴くと、その店主
レジスターの横においてあるCDを一抱え出してくれる。おおおお・・・オールディ
ーズだけじゃなかったんだと感動する。しかし、殆ど持っていた(^^;;)。結局Death
SSの4枚セットの7吋EPを購入。
 店を出て、露店で携帯用の灰皿等を購入後、ラフトレードに行く。こっちのラフト
レードの方が昼間の店よりも少し大きい。大学生らしい日本人が4人程が、90年代
アシッドロック系のCDを物色していた。
 その後、アフロ系ストリートミュージックを見ながら駅方面に戻る。途中のレコー
ド屋で10枚=1ポンドのCD福袋を購入。なんと、秋田昌美のCDが入っていたので、
得した気分になったのであった(^^;;)。残りについてはまだ袋にはいったままである
のだけど(^^;)。

 今度は動いていた地下鉄にのり、レスタースクエアに行く。るな先生のエレポ友達
であるJeremy夫妻に会うためである。
 待ち合わせはハーゲンダッツ・カフェ前19時である。

 当日は土曜の夜ということで、凄い人だかりができていた。結局彼等夫妻に会えた
のは19時20分頃であった。Jeremy夫妻はこのあたりにはあまり美味しい料理屋はあい
ということであったけど、移動するのも面倒だしなんといってもおなかが減っていた
ので、4人で近くのパブに行くことになった。
 念願の一つであるフィッシュ&チップスを頼む。そういえば、日本と違い大体ロン
ドンは席に付いてから注文するまでに5分程度、料理が出てくるまで15分から30分は
ざらにかかるので最初はいらいらしたが、既に3日目だったのでその遅さにも慣れて
いた私である(^^;)。
 ここで食べたフィッシュ&チップスは、かなりの美味であった。ただし、夫妻が頼
んだピザは失敗だったらしく、殆どを食べなかった。また、当初の予定では、このま
ま80年代のエレポをがんがんと鳴らしているクラブに行く予定だったのだけど、
Jeremyの奥さんが妊娠していて体調がすぐれないということで、結局はこの当たりで
話をするにとどまった。

 朝から準備しているCDを渡す。これは数年前に発売されたゲリマンことゲイリー
ニューマンのアサイラムの1,2,3。1と2が各CD4枚であり3がCD1枚の計9枚。
チューブウェイアーミー以前からチューブウェイアーミーを経てソロに至るまでの70
年代−80年代半ば位までのほぼコンプリートな内容の日本盤である。イギリスでも輸
入盤として入ってきているらしいのだけど、日本とは異なりイギリスので彼の人気は
絶大であるため非常に高価だそうだ。そういえば、日本盤で1,800円って書かれてい
るものがロンドンじゃなんと18ポンド(約3,600円)もするものもあった。

 食事を終えてハーゲンダッツ・カフェに店を替えて甘いものを食べながら音楽談義
に花を咲かせた。
 そこで聞いた旦那の方から話だけど、ビル・ネルソンが85年頃出した"Getting
the Holy Ghost Across"(日本に帰って確認したところ91年頃のエニグマ/コクトー
レーベルのカタログには載っていない)をもし入手できるのであれば欲しいとのこと
であった。92年頃のビル自身の語ったディスコグラフィーからも落ちているようで、
かなりレアだとのこと(でも再発の噂もあるそうな)。因みに彼はBill Nelsonは
Red Noise以降が好きでBe-Bop Deluxe時代は好みではないと言っていた。典型的エレ
ポ人間といえましょう(^^;)。
 夫妻と別れ途中コンビニで買い物をしてからホテルに戻り、風呂に入り寝る。明日
はいよいよ今回の旅行のクライマックスになると信じて。
 

 8月24日(日)
 1.果たしてこのポテトを食いきることはできるのであろうか?

 当日は、ノッティング・ヒルゲートでは1年に一度のカーニバルが開かれ、またレ
ディングフェスティバルも最終日を迎える。また某ライブハウスではDevil Churchと
題されたExtream MetalのGIGが開催予定である。
 この日は、誰に会う予定も無しで、折角だからロンドンの有名所に行こうというこ
とで、マダム・タッソー蝋人形館に行くことになった。この蝋人形館は、ロックサー
カスのようなマイナーではなく、拷問館と並び非常に人気が高いので、絶対行列がで
きるに違いないから私は行きたくないと、だだをこねるのであった。大体行列好きっ
ていうのは日本人の特性だと思っていた私だったんだけど、ここロンドンに来てその
認識を改めて、行列好きは都市部全体の特性だということを認識していたのである。
 しかし、そこはそれ、るな先生「あいかつ!心配するなあまり並ばなくても済む方
法がある」というので、それに従うことに。

 この日も地下鉄を勿論使い、マダム・タッソーへ行くと、げろげろ・・・なんと
300m程の行列ができているではないか。前から2/3程のところで1時間待ちだそうだ。
 ところが、るな先生そんな行列等目もくれず、目指すはマダム・タッソー横にある
プラネタリウムであった。
 プラネタリウム前でも若干の行列はできていたものの、5分程で中に入れた。中に
入ってすぐに入場料を払うのであるが、この時「マダム・タッソーも一緒に」買うの
がコツであるそうな。
 確かに若干価格は上がるけど、プラネタリウムを楽しめる上に殆ど行列を作らずに
マダム・タッソーに入れるは嬉しい限りである。
 実際プラネタリウムは今風でCGを駆使した楽しいものであり、その流れでマダム・
タッソーへ行けるのは効率的である。

 さてマダム・タッソー蝋人形館の蝋人形は本当に良くできていて、行く価値ありっ
て感じでありました(^^;;)。特にダークサイドな蝋人形が多いのは嬉しい限り。今か
ら考えればもっと写真をとっておけば良かったと後悔しています(^^;)。
 最後に、若干の土産と、ロックサーカスの前売り割引券を購入。

マダムタッソー蝋人形館

 時間も昼をかなり過ぎお腹も空いてきたので、場所を替えて食事をすることにす
る。駅は昨夜も行ったレスタースクエア。この駅では昨日見つけられなかったシャー
ロックホームズの壁タイルをバックに写真を撮ってもらい、100年前の世界にタイム
トラベルする。

 ここに来たのは、飯が目的ではなく「納涼バンパイア祭り」を見るためであるのは
いうまでもない(^^;)。イクストリームメタルではなく、レディング・フェスティバ
ルでもなく、カーニバルでない第4の選択をした我々であった。
 駅前にあるヒッポドロームというディスコで15時から開演。今年はブラム・ストー
カーが「吸血鬼ドラキュラ」を発表して調度100年であった為このようなイヴェントを
やるのであろう。
 既に店の前には若干の行列ができている。前売りを買っていないので、取りあえず
飯前に当日券を買うことにする。
 ところで、既に並んでいる人達のいでたちっていうのは殆どブラックメタルしてい
て、恐い・・・。いや良く見ると正確にはCOFの2nd(ミニ)アルバム風のややビジ
ュアル系風味のある化粧方法に近いか。白を主体(黒は少しだけ)とした日本でもち
ょっと前に流行った死化粧風をきつくしたって感じである。

 取りあえず券を買えたので飯を食いに行く。適当に店を探しこの日はパブランチに
する。店を見つけたが地上階は一杯だったので1階に上がる。私達以外に客がいない
(^^;)。因みにレスタースクエアは昨夜は
     人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
だったのに今日は本当に少ない。恐らくはノッティングヒルゲートで行われているカ
ーニバルに人が流れていっているのであろう。
 と、二人してパイ包みの肉(豚肉)の煮込みをそれぞれ頼む。るな先生はそれだけ
では駄目だといいそれに +ポテトを頼む。
 待つこと約30分・・・パイ包みが出てきた。おおうまそうである。しかし!しか
しである、つきあわせに、なんと大量のポテトが載っているではないか。更に追い討
ちを掛けるようにポテトが出てきて、二人して絶句。
 一目見て、私は降参した(^^;;)。大体メイン皿に盛られているポテトだけでも日本
じゃモスバーガーのポテト3人前位あるというのに、とてもじゃないが、食える量で
はない。流石のるな先生もこの時ばかりは反省しきりであり、大量に残されたポテト
に謝り、店を出た。

 外では既に行列がかなり伸びていた。その内殆どが化粧ばりばりであり、他の通行
客がもの珍しそうにしているどころか、写真をとりまくっている(^^;)。我々も並ぶ
ことにする。
 ところで、このヴァンパイアフェスティバルがあることを知ったのはロンドンに到
着をして2日後のことである。唯一テロライザにその存在のことが載っていたのであ
り、昨夜もヒッポドロームの前を通った時に時間の確認をしたのである。普通この手
のディスコは夕方開演なのにこの日のこのイヴェントだけが何故か15時というヘンテ
コナ時間だったので本当にやっているのかどうか不安で一杯であった(^^;)。その為
何度か時間確認の電話をるな先生にしてもらったのである(^^;;)。
 昨夜は「もし、行って客が3人だったらどうしよう?」とか言っていた戯れ言は杞
憂に終わった。しかし、日本人は我々だけじゃなかろうか?といった優越感は、残念
ながら崩れ去り(^^;;)、行列のちょっと前には日本人らしき女性3人の姿を発見し
た。

 行列を待っている間にも人がどんどん増えていく。そうこうしているうちに、テレ
ビ局(BBC)が取材に来たのにはびっくり。調度私達が並んでいる所から後ろは化粧系
の人が少なく特に私の後ろは普通の50歳男性英国人って感じの人であり、テレビ局
のレポーターがそのおじさんに目を付けてすぐ後ろでインタビューが始まっていた
(^^;;)。ううう・・・ん、惜しかった、イギリスのテレビに出れるところだったのに
な(^^;)。
 

 2.納涼ヴァンパイア祭り・イン・ヒッポドローム

 正確には下記のイヴェント名である。
          Dark Angel Productions Presents
          VAMPYRIA
          The Dracula Centenary Celebration
 実に殆ど何も知らないまま、私達2名は、ヒッポドロームへと入っていった。中に
は無料パンフレットが置いてあり、Tシャツや吸血鬼関連のCD、雑誌、本、アクセサ
リー等が売られていた。中にはステージがありその前方にはダンスフロア、カウンタ
ー、2階3階部分にはテーブル付きの客席がある。5時間程度あるというので、2階
部分のテーブルへと直ぐに移った。
パンフレット
 

 店内では、ブラックメタルがBGMでがんがんかかっていて場を盛り上げていた。確
かEmperorやRotting Christ等が係っていたように記憶している。

              <会場断面図>
 −−−
    | ○                            |
     −−−                         画 |
        |                        面 |
         −−                        |
           |               ステージ |DJブース
入り口     出店 |−−−−     ダンスフロア−−−−−−−−
                |−−−−|    |  ↑
  ○:我々が陣取っていた場所             仕掛け 
  ↑:リフトになっていて下からせりあがってくる
  画面:ビデオプロジェクター用の大型スクリーン

    尚、ダンスフロアーにはかなりのカメラマンが陣取っていた。

会場の雰囲気
 

 16:15にイヴェントは開始された。 会場が暗くなりBGMがテクノ+お経のような曲
に変る。
 BGMがオルフのカルナブラナに変わりホストと女性4人がステージの下からせせり
上がってきて登場する。女性のうち一人は十字架に掛けられている。
 ホストの声はハーモナイズされたEvil Voiceであった。
 今年は上にも書いたけどブラム・ストーカーが吸血鬼ドラキュラを発表して100年
ということでヨーロッパ各地では、このような吸血鬼フェスティバルを行っているそ
うだけど、その中でも今回のイヴェントは最大だということであった。
 かつての吸血鬼映画に登場したヒロイン達が何人もこのイヴェントに招待されてお
り、スクリーンにその映画のクリップを流しそこに登場した吸血鬼の生け贄になった
女性達がステージに登場する。
 一番傑作だったのが、ホストがまぬけだったことで、声こそは、吸血鬼をイメージ
させるような邪悪な声であったのに、台詞を一切覚えておらず、手持ちの原稿を読ん
でいるのだけど、暗くて良く見えず、とちりまくっていたのを招待されたあある映画
スターからは、

 「ホストは本当に一人でよくやってくれました。会場の手配から、私達を空港まで
迎えてくれました。でも、台詞は覚えられないのね」

 と指摘され会場は爆笑の渦となった(^^)。
 後から登場した男優からも「僕は君とは違って、自分の言う話は覚えているよ」と
なじられる始末であった(^^;;;)。

 また、入場券の通し番号を使ったプレゼント会があったりした。惜しくも1番違い
で商品にはありつけなかった私である(^^;)。プレゼントの内容は吸血鬼関連の本、
ポスター、98年カレンダー等。
 後、今年末公開予定の新作 Bazor Blade Smileという新しい吸血鬼映画の紹介等も
あり、この映画に登場するニューフェースの紹介があったが、慣れていない彼女は一
言挨拶しただけで直ぐにステージ下に降りてしまった。
 これ以外にも音楽のライブや上記イヴェントを挟みナイスバディーな女性のスネー
クダンスショーが何故かあり、おじさん連中の目を楽しませたという。

 さて、ライブ関係は大体下記の通りであった。

 最初に登場したのはthe Dark Theater。アメリカのバンド。テロライザでは、
"The USA's cult darkwave band"と紹介されている。ロンドンでは初めてのライブ。
 メンバーは男2名+女性1名の3人。ドラムは打ち込みで、キーボード女性、ベー
スがバウハウスを彷彿させる衣装を着た細目の男性、もう一人がリーダーらしくギタ
ー+ボーカル。
 音は曲によっても異なるけど、呪術性うねり系打ち込みロックという感じ。流石に
アメリカのバンドだけあって、パフォーマンス慣れしたステージングを披露してい
た。約1時間のライブだったけど、テクノぽい曲、ゴシックロックぽい曲・・・果て
はバウハウスのカバーがあった(^^)。
 このバンドは会場内でCDを購入した。

the Dark Theater

 さて次に登場したのが、今回の新婚旅行の最大の目的の一つであるブラックメタル
バンド(?)オランダのDeinonychusである。この時点ではdemoと2枚のフルアルバム
と1枚ミニアルバムを出していたが、最近さらに一枚をリリース。

  DEINONYCHUS / THE SILENCE OF DECEMBER / NIHIL 5CD
  DEINONYCHUS / THE WEEPING OF A THOUSAND YEARS / NIHIL 13CD
  DEINONYCHUS / AFTER THE RAIN FALLS AN EMPTY SKY REMAINS / CDGR005 /MINI
  DEINONYCHUS / ARK OF THOUGHT / FERLY 001CD
 

  1枚目はいかにもブラックメタルという白黒パンダ化粧をした写真もあり、音も結
構極悪だったのに対して、2枚目はゴシック度が高くなった作品である。

 ステージが暗くなり、棺桶、白衣装の女性二人ボーカルのOdinがステージに上がっ
てくる。Odinはステージ前方向を向きうずくまっている。女性二人は棺桶の左右に棺
桶にもたれかかっている。
 曲は"The Romantic Sounds of Death"・・・2ndアルバムのイントロ相当の曲であ
り荘厳なイメージの曲。そのイメージを打ち破り2曲目"A Gathering of memories"
が始まる。この曲の最初の方でボーカルが吠えるのだけど、その時は会場全体がびっ
くりして、棺桶から死人も一瞬起き上がった(^^)。
 完全に一人ブラックメタルの世界をステージングしている訳で、バックは全てカラ
オケである。ブラックメタルのカラオケCD欲しいぞと思う私。
 女性2人は怪しい踊りを続けたり、棺桶の中の仲間を起こそうとするが起きてこな
い。
 3曲目が始まると逆に女性2名が倒れ込み棺桶の女性が起き上がる。
 そのうち3人がやっと揃い、ステージ下をさまよう。3曲目の曲名は多分"The
Final Affliction of Xafan"だと思った。あ〜〜録音しとけばよかったが、録音の機
材は持っていかなかった。後、予めデイノニカスを見られることが判っていれば日本
で予習してきたのになあ・・・と今更言っても仕方が無い(^^;)。

 女性がサバトの犠牲者をステージにつれあがる。犠牲者は棺桶前で生け贄となった
が、勿論サクラである(^^;)。
 4曲目(曲名不明(^^;))でも、もう一人が犠牲になる。またステージ後ろに蝋燭を
立て場を盛り上げようとするんだけど、ステージ上は空調の風がきついのか中々蝋燭
に燈がともすことができず、もたもたしていて美味しくなかったのは残念(^^;)。
 結局4曲だけでステージ終了。時間的には40分程度だった。
 「やっぱ、一人ブラックメタルやっている人は友達がいないんだね」というのが
<このライブ>での感想だった(^^;;)。正直バンド形式でなかったのが残念だったけ
ど、ブラックメタルは通常のヘビーメタルとは異なる音楽形態であることを再認識し
た次第である。

 因みにDEINONYCHUSは今回のこの公演が初めてのライブである。パンフレットには
 DEINONYCHUS:World Premiere live vocal performance accompanied by specially
choreographed Vampiric theatre peformed by the Brides of Dracula
 と書かれている。

 ところで、この後るな先生がトイレ休憩に行く時に売店でDEINONYCHUSのOdinが売
店の人と楽しそうに話しをしているのを発見。話をして会場で購入したドラキュラ絵
葉書にサインをしてもらって席に帰ってきたのであった。うらやましがる私で
あった(;_;)。英語ができるのは羨ましい。

 さて、こんなに多く仮装している客が多かったことが我々には謎であったのだけ
ど、実は仮装コンテストも行っているということが判明した。かなり作為的に何人か
が選ばれたけどトップになったのが棺桶をかついで歩いている女性だった。ダンボー
ルかラワンで作った洋風棺桶を後ろに付けた女性がグランプリを貰っていた。この女
性は会場中をうろついており私達の目の前も通っていった。一体彼女は普段は何をし
ているのか?顔を見た限りでは普通の女性に見えたのだけど(^^;;)。

 最後のバンドはInkubus Sukkubusというイギリスのバンド。かなり人気が高く、会
場も盛り上がったのだけど、あまりにも私達には平凡に聞こえた上に、ストーンズの
「黒く塗れ」なんてスタンダードに盛り上がるのを見てがっくりきたので、出口が混
む前に帰ることにする。もうちょい彼等の音楽性を書けば、スージー&ザ・バンシー
ズから呪術性を引いた音のバンドである(このバンドもドラム無しの打ち込み)。
 会場の下に行ったところで、DEINONYCHUSのOdinを発見!彼は、るな先生を覚えて
いたので、Odin氏に頼み私と並んで写真を撮ってもらった(^^)。いや、でかいし恐い
わ(^^;;)。日本に帰り親にその写真を見せたらやはり怖がっていた(^^;;)。

DeinonychusのOdin氏最近改名しOdinからMarco Kebrenになったという。

 因みに私達以外にいた3人の日本人女性3人は、偶然にも2階のテーブル席は隣ど
おしであったが最後のバンドのおっかけをしているようで、最後のバンドの演奏の時
はしっかり下に降りていた。

 また、テレビカメラが持ち込まれていてパフォーマンス等を撮影していた。こっち
はオフィシャルのようだけど、ブート屋さんらしい集団が我々の後ろに居て家庭用ビ
デオで撮影していたのが印象深い。

 最後にほくほくしながら会場を後にし、近くの中華街で飯を食いホテルに帰る。帰
りの地下鉄は凄い込み具合で危うくスリにやられそうになったが撃退。取り敢えず目
的の幾つかは果たせたので満足の1日であった。
 

 8月25日(月) 雨の中観光地に行く

 この日は朝から雨が降っている。またこの日はホリデイである。朝ホテルから会社
に電話を入れるが、特に変ったことはない。もっともあったとしてもそれはそれ、こ
れはこれである(^^;)。
 この日は特に見たいものもないし、るな友人との約束も無し。るな母の指令により
ロンドンタワーに行くことになった。この手のものに興味の無い私であったため実は
タワーというのでエッフェル塔や東京タワーのようなタワーを想像していたら全然違
うので結構楽しめた。正に中世の城である。またロンドブリッジも見ただけだけど味
があり感動した。 昼飯を食べて、拷問博物館に行くことにするが、ここもマダムタ
ッソーと同じくらい人気があり凄い行列ができていた。ここでは裏技が使えないので
諦めて、ロックサーカスに行くことにするが、その前に買い物と電気屋を少し廻る。
確かVMSにも行った記憶あり。

ちらりと見ただけのロンドンブリッジ

 ここの蝋人形はマダムタッソーに比べリアリティーが無い。まあそれでも結構楽し
める。フレディー・マーキュリーと熱唱し、パンク姉ちゃんと「ファックユー」し、
ボーイジョージと戯れ、ロバート・プラントに熱愛しながら廻る。最後はロックの歴
史を楽しむアトラクションがあり、ジャズを発祥とするロックのプリミティブな形か
らパンクまでの約50年間の歴史を30分程で学習した(^^;)。

 その後るな先生と別れ、私は引き続きCD購入の続きをすることにし、るな先生は
洗濯するためホテルに戻る。

 私はタワーレコードとHMVに再び行くことにする。タワーレコードではこの前買え
なかったノイズ系の作品と後メタルコーナーを見忘れていたのでそれをチェックする
ためである。日本ではメタルやノイズはロック・ポップスコーナーでアーカイブされ
ているけど、こちらでは分野別にきっちり分かているので結構探しやすい。因みにタ
ワーレコードのメタルコーナーもロンドンでは多分1番という位他店に比べて充実し
ていた(けど、ディスクヘブン程ではないけどね)。

 お茶を飲み、私もホテルに戻ることにする。地下鉄から降りてホテルに歩いていく
途中でスーツケースをごろごろと運んでいる、るな先生発見。私は一度ホテルに荷物
を置きに帰り、その後コインランドリーへ行き、二人で洗濯をする。
 約1時間程かかり洗濯を終える。今夜こそローストビーフを食べようということで
他のホテルを探すが見付からず結局泊っているロイヤル・ナショナルで食事をするこ
とにする。実に今回初めてホテルでのディナーであった(^^;;)。
 セルフで好きなものを採っていくんだけど、なんとここでローストビーフを発見す
るので迷わず「ローストビーフ!」と注文する。
 金を払う時レジのおばちゃんが「これはラムか?」とローストビーフを差して言っ
ている・・なんて答えようかと悩んでいると、るな先生「そう、ラムですよ」と答え
る・・・ふみゅーーー・・・。確かに2ポンドほど安かったような気がする(^^;;)。
 しかし、そのローストビーフ、本当にビーフだったのであろうか。今回の旅行での
最大の謎になってしまった。
 

 8月26日(火)  ロンドン最後の夜は燃えたか

 この日は実質的にロンドンは最後、明日はかの地を離れる。
 ということで、人間の心理というのは面白いもので、この日の予定はかなり詰まっ
ていたのである。
 いつものように、セルフサービスのモーニングを配送室から自分の部屋に運び食事
をする。るな先生は化粧にいそしむが、昨日買った英国製の化粧品は強力で、白と黒
がくっきりあざやかで、まるで、ブラックメタル化粧であった(^^;)。

  何時ものようにラッセル・スクエア駅に直行する。まず手始めは隣の駅であるホル
ボルン駅に。駅を出るとそこは、オフィス街のようであったが、駅前には、ぎゃおっ
ぴ2やもどき飼育ゲーム売られていた。

 この駅での目当てはなんと駅を出たすぐ左側のビルであった。10分以上歩くものだ
と思っていただけに嬉しい誤算である(^^;)。
  Justice building ,88 Kingsway, London
 このビルには今回何度も登場する the UK'S No.1 Extreme Music Magazine
 TERRORIZERを発刊している出版社がある。
 ビルは、日本の近代的なビルではなく歴史のありそうなビルで、外から見ると、案
内に2人の初老の夫妻のような人が座っている。想像とは全然違ったのだけど、場所
は間違い無いので、一応ビルの中に入り、その案内に
「日本から来たのだけど、このビルに入って居るテロライザに行きたいのだけど、ど
うすれば良いのか?」と尋ねると、女性の方が「アポは入れているの?」というので
「ノーアポだけど」というと、それじゃここにサインしてくれ、一応連絡してみる、
と言ってくれた。
 と、サインをるな先生にして貰っていると、横のエレベータから2人の外人(男)が
出てきた。受付の女性が、「おお・・・調度良かった******さん(ききとれず)、日
本からテロライザを尋ねてお客さんがきてますわよ」と声を掛けてくれた。
 テロライザの社員(?)は、ビジネススーツこそ着ていないものの、かなりノーマ
ルなのにちょっと意外だと感じてしまった。てっきり、メタルが入った人に違いない
と思っていたのだけどね(^^;)。一応会う口実は「テロライザを日本で定期購読する
にはどうしたら良いのか、ということと、バックナンバーを譲ってくれ」の2点であ
った。
 最初の質問に対しては「ニューヨークを通して日本にも輸出していると思うのだけ
ど、もし入手できなければ、雑誌の後ろにある申し込み用紙で申し込みできるよ」と
私の持っていたテロライザで丁寧に教えてくれた。
 次の質問に対してはあっさり「無い」といいうことで、ここは完全に事務所であっ
て、この手の客を想定した販売は行っていないということであった。

 「新しい号が今週末にでるよ」と教えてくれたのだけど、残念ながらロンドンにい
るのは明日までだというと、「それは残念」と気の毒がってくれた。
 ということで、立ち話で5分足らず、特に収穫も無かったけど、ノーアポでもなん
とかなる事が実証できた。その後正義ビル前で記念撮影。

 さて、個人的にはこの日の最大イヴェントである、ノッティング・ヒルゲートにあ

Cacophonous Records襲撃再びである。

 前日まではおそらくは、カーニバルでごった煮状態であったろうノッティング・ヒ
ルゲートもウィークデーの今日は閑散としていた。この前訪れた時はマーケットが開
かれていてやはり人が一杯いたのだが、本当にこの日は空いている。また目的地の場
所もはっきりしているので今回は兎に角突き進むのみであった。
 歩くこと約15分、Cacophonous Recordsの地上階にあるVINYL SOLUTIONに到着。
この前来た時は閉まっていたゲートが開いている。見ると、インターフォンがあるの
でるな先生に頼み、コンタクトを採ってもらうことにする。

 ここでの目的は、「カタログを貰うこと」「そのカタログを見て持っていないもの
を入手すること」であった。

 ところが、最初の対応は冷たいもので「下にあるVINYL SOLUTIONにブラックメタル
コーナーがあるからそっちを見てくれ」というものであったが、先日ここを訪れてそ
のコーナーはチェック済みだと答えると、「それじゃ下に行くのでVINYL SOLUTIONに
入って居てくれ」と待つこと数分、一人の若い女性が降りてきた。
 おおお・・・・いかにも、ブラックメタルしているって感じの女性(推定年齢25
歳)が降りてきた。犬歯が尖ってまるでヴァンパイアである。
 CDケース2枚分の大きさのカタログと適当に見繕ったCD数枚を持って降りてきた
くれた。CDを見せてもらったのだけど、C.O.F.だとかBal-SagothだとかSIGHとかで
殆ど持っているじゃないか、ただ1枚13candlesだけは持っていないので
 「このCDは持っていない」と言うと、「それじゃちょっと待って」と一度事務所に
戻り13Candlesとカタログとを持ってきてくれる。

 カタログを左から右へと見ながら、私が
 "I have,I have,I have,I have,I have,I have,I have,I have
  ,I have,I have........I have,I have.Oh! I don't have this"

 と唯一持っていないと思われる(^^;)N.A.O.S.を追加で頼むことにする。ネクロマ
ンティアのソロ(未確認)の作品で、あまり枚数も出ておらず、更に既にdeleted(廃
盤)だとのこと。
 またカタログでDeinonychusを差し「この前の日曜日のヴァンパイアフェスティバ
ルでこのグループみましたよ、楽しみました」とか話すと、今までは事務的だった彼
女の態度がころりと変わった。さらにるな先生追い討ちをかけるように「実は私達は
新婚旅行でロンドンに来ているのですが、今日がロンドン最後なんです」なんて言う
ものだから、彼女それじゃとばかり、
 「9月発売なのでまだ出ていないのだけど特に今回はお売りしましょう」というこ
とになり、9月1日発売予定のAncient Ceremonyと15日発売のBloodstormを売って
くれることになりました(^^)。
 商談成立(^^;;)、と彼女とツーショットの写真をるな先生に撮って貰う(^^;)。

 彼女は1階にある事務所に上がり戻ってきたら、なんと購入CDは4枚なのに、プロ
モ用のCD3枚を付けてくれ、さらに、ブロマイド2枚とポスター2種類を2組、そ
して今後のリリース情報、そして当初目的のカタログ(これはCDについてくることが
あるもの)を持ってきてくれた。購入のCDは1枚10ポンドだから2000円程度と安
価であった。
 後雑談としてロンドンでブラックメタルの一杯置いてある店とかの情報を聞くが、
やはりメタルヘッズの名前を挙げていたが、2軒あったのがが今は1軒になったことを
話すとびっくりしていました。後やはり本場はヨーロッパだということで、ロンドン
は市場としては駄目なんですとのこと。

caconophous

 収穫多し!と喜びながら駅へと向かう。
途中ポスターを仕舞うケースを購入し、るな先生のリクエストでレコード、ビデオ、
CD&チェンジ店を廻ることにする。5つほどの店舗がノッティング・ヒルゲート駅前
にあり、その内3軒程に入った。
 そこでの収穫は特に無かったのだけど、マイナーロック系の店の1階が特にレアア
イテムが置いてあるのだけど、なんとそこのショーケースにはGENESIS
P-ORRIDGE(PSYCHIC TV )の直立の黄金色のコックが売られている!のをるな先生が発
見。私も慌てて見に行くことにした。

 紹介文は下記の通り

 PTV-"Force the hand of chance" cock.
      Cast in Solid Blonze inscribed abroad the Head and Base.
          1 of 5,    £1000.

 うう・・・20万円。しかし、後4本はいずこに?もしかしたら日本かも?
  更にその隣には、Whitehouse "Erector"のジャケットの原画(NWWのスティー
ブン・ステープルドンが書いたもの)が350ポンドで売られていた。2本並んでいた
わけですな(^^;;;)。
 勿論両方とも買っていない。

 さて、今度はるな先生の目的地に行くことにする。ロンドン最大にして王宮御用達
のロンドン最大のデパートであるハロッヅにバッグを買い出しに行くためである。勿
論この時点においてダイアナの死亡やハロッヅ社長の息子が死ぬなんてことは予測で
きていなかった。
 ここへはバスに乗っていったのだけど、るな先生のおおぼけで、間違えて途中で降
りてしまう、失敗をする。10分ほど時間を無駄にしたものの改めてバスに乗り直し
たらなんとさっきまで乗っていたバスを途中で抜くという快挙をしてくれた(^^;;)。
やはりサバトをすると効くなぁ・・。

 ハロッヅ・デパートは流石にでかいし、奇麗だったが、トイレが有料だったのに参
った。小用をちょっと果たすだけで£1も取られてしまった。因みに買い物をした時
のレシートを見せればただになるそうであるが、後の祭りであった。なんといっても
るな先生たらバッグを3つも買っていたのだ。

 昼を過ぎたので、次の約束の地であるロンドン最大の本屋であるFOYLESに移動する
ことにするが途中で食事をする。私は夕べ(???)だったローストビーフ・バーガ
ーにするが、これがまたまずい(^^;;)。ビーフは年老いた雌牛の味だったのには参っ
た。
 文句を言っても仕方ないので兎に角食べる。日本に比べて本当にハンバーガー一つ
とってもでかいので腹が膨れる。

 FOYLESに行くが、約束の熊さん(女性・独身、ただし婚約中)はまだ到着していな
いようだったので、色々本を見る。コンピュータ関連の本が2階にあるので、そこま
で上がったら、びっくりするくらい充実しているし、一杯種類がある。勿論売場面積
も広い。途中で約束の時間が来ていたので一度地上階に降りたら、すでに熊さんも到
着していた。3人が3人共に別の本を探すってことなので、取りあえず20分後にも
う一度この場所に集合しようということで別れる。私は再びコンピュータコーナーの
あるフロアーに上がり今度はじっくりと見る。
 目的はバリー・オーエンの"Software Enginiering Economics"とブルックスの
"The Mythical Man-Month"を入手することであったのだけど、今回の旅行では本屋に
行くという項目が抜けていたため、その本のメモを日本に置いてきてあったので結局
うろ覚えでは見つけられず。しかし、本当に充実していて日本の本屋とは気質が全く
違う。結構古い本もあるので今度機会があれば、本の購入もしたいものである。

 その後再び地上階に降りる。るな先生はその時怒りの頂点に達していた。探し物の
本を店員に聞くたびにたらい回しにあい、結局コンピュータ検索をしたら、一番最初
に聞いたところにあることが判明したためである。るな先生はやたら何冊(20冊く
らいか?)も本を購入していたが、結局私は何も買わず。因みにここの本屋では一見
レジみたいなのが一杯あるが、実はそこでは、本を買うことを証明してくれるだけ
で、別の場所のレジに買う本と証明を持っていかなければ買えないという、日本では
考えられないようなシステムになっているらしい。他の本屋では普通に買えるって話
だが、ロンドン最大の本屋という思いあがりを垣間見たような気がした。
 我々は食事を済ませていたのだけど、熊さんはまだだというので、近くの中華街に
移動し日曜日の夜に入った中華の店に行く。この日は人が一杯で1階にあがることに
する。その階では一見日本人が一杯いたが、話し声を聴くとどうも中国系であった。
 ここでは、3ヶ月に1回しか呑みに行けない可哀相な日本人男性の話(これを聞い
たるな先生は「あなたのCDも3ヶ月に1枚ね」と脅かす)や、現在やっている仕事の
話等をする。

 15時過ぎに彼女と別れ、夕方は、私のもう一つの目的である、PDA(Personal
Digital Assistant)で今後話題になるであろうPSIONのシリーズ5の価格調査(&も
し安価であれば購入する)である。ロンドンの秋葉原は無いんだけど、まあそれでも
一応電気屋街という感じのところに行く。
 7,8軒回るが、シリーズ5を置いてある店が無い。シリーズ3はあるのだけど
な。因みに何故かシリーズ4というのはない。パソコンもあるにはあるけど、メモリ
ーなんかは日本の倍くらいの値段で売られている。
 某店では店には出せないけど在庫があって£600で売るって店があった。税込み
なので、免税になるって事だが、免税でも10万円位するのでやめる。某店では、
「サイオンって読むのだよ」と教えてくれたり(^^;;)・・・実はそれまではピーシオ
ンで通じていたのだ(^^;;;)。ある店では「シリーズ5が無いのは何か製品に欠陥が
あるから置いていないのか?」と聞くと「流通に問題があって入らないだけで、製品
はばっちりだよ」という話を聞く。結局一番安価なのが税込みで£499(8Mbytesタ
イプ)であったが、今週末にしか物は入らないということであった。

 その後夕方の約束までは時間がちょっとあったので、VMSに行く。るな先生がこ
の前行った時に目をつけていた本を買うためである。ただし、その本はぼろぼろだっ
たので結局その時には買わなかったのだけど、他店になかったので、今回やはり買う
ことに。
 この日もやはりぼろぼろのやつが1冊しか無かったので私はるな先生に「担当にも
っと奇麗な本を探してもらうか、もし無ければ、値切るべし!」とアドバイスする。
 結局奇麗なのは無くて、50%オフにしてもらった。るな先生「VMSで安く買え
たのははじめてよ・・・流石はダーリン、大阪商人ね」と喜んでくれたのであった
(^^)。

 さて、時間も夕刻となったのでアンダーグラウンドでハムステッド駅まで行くこと
になった。この駅は地上駅でありかなり歴史を感じさせてくれる高級な駅であった。
それもそのはずでその近くは閑静な高級住宅街であった。
 目的の人物は庭師のTimである。この日はアメリカに避暑で休養中のソフトウェア
会社の社長宅の庭で仕事をしているのであった。
 その家の前にはTimの仕事用の車が止まっていた。日本式と英国式の庭師だという
ことが車に書かれている。彼は昔日本で修行していたのであった。
 Timは伸長1.9mで痩せ型のいかにもという感じの英国人であった。仕事も既に終わ
っていて調度片づけをしていた所であった。

 流石に金持ちの家は凄い。聞くとこの家だけで4億円だとのこと!5000万円あれば
アパートが建つというロンドンにおいて4億とは凄い。
 折角なので、別荘で楽しむというシチュエーションで写真を取り捲る、呆れた新婚
カップルであった(^^;)。
 その後3人でパブに行き、Timから頼まれていた味噌汁の素等を渡したり、Timの写
真を見せてもらったりする。
 時間は18時30分過ぎとなる。実はもう一人これから約束があるということで、
大慌てでTimと別れる。

 今度の約束は歩いて行けるのだけど結構遠い。ハンプステッド駅である。るな先生
とはかつてロンドン大学で同級だった石橋氏(男性32歳)と会うためである。
 既に約束の時間はとうに過ぎていたが、19時駅に到着したら既に石橋氏は我々を
待っていた。見ると片手に自転車のサドルが・・・。
 「いやーーー、サドルをとっておかないと、この国じゃすぐに、盗まれるもんで」
ということである。
 駅斜め前にあるギリシャ料理のレストランをるな先生が発見、がらがらだったので
少し不安であったが、結局そこに入る。ギリシャ料理は初めてである。
 私は食欲が無かったのでゲソのリング型の天ぷらのようなものを注文し、二人は肉
の煮込みのパイ包みを注文する。
 食欲が無かったのは、ゲソを食べてぶっとぶ(^^;)。むちゃくちゃ美味い。俄然腹
が減ってきた。と、パイ包み2つしか注文していないのに、何故か3つ出てきた。ラ
ッキーというかなんというか。結局腹へっていないといっていた私が一番多く食べる
ことになった。仕上げはコーヒーでも飲もうと私はギリシャコーヒーにする。二人の
頼んだ普通のコーヒーよりも倍くらいの値段がするので、こりゃ、馬鹿でかいカップ
で出てくるに違いないと話をすると、なんとデミカップで出てきたミニコーヒーだっ
た。コーヒー自体もまるで泥のように粘着性があり、味は甘く苦い独特のもの。これ
が本当のギリシャコーヒーかどうかは、この3人では判断できず、今度ギリシャに行
く時の宿題になった。
 石橋氏と駅で別れてホテルへと戻る。
 ロンドン最後の1日は激しかった。
 

 8月27日(水)トランス・ユーロースター・エクスプレス

 この日の朝は早い。といっても7時30分にホテルのロビーに行くだけのことである
が。
 木曜日から調度1週間が過ぎ、憧れのユーロスターに乗っておフランスのパリへい
くざます、である。ツアーなので、我々2人だけではなく、女子大生らしき若い2人
と一緒にマイクロバスでユーロスターの発車するウォータールー駅へ行く。ところで
この女学生のうち一人は完全にアニメおたくであり、スーツケースには、竜の子プロ
系のアニメのワッペンがべたべたと貼られていた。尚、彼女たちは我々よりも約1時
間遅いユーロスターに乗るのであるが、ツアーの宿命で同じ時間にホテルを出る必要
があるのはおきのどくさまである。

 ユーロスターといえば、昨年うちの次長がヨーロッパ旅行の時運悪く火事があり
乗れなかったいわくつきの列車であった(^^;)。

 ウォータールー駅は広くまるで空港のような雰囲気であったことが印象深い。しか
し関税が無いため楽な気もするが荷物は自分で運ばなければならないのはちょっと面
倒と思う人もいるかもしれない。
 またユーロスター自体の印象としては、編成数が新幹線に比べてかなり長く、多分
我々が乗ったものでも25両くらいあるようだった。しかし、車両自体の中の広さは
さほど広くないって感じであった。

 ロンドンを発車して約5分程走るとパリ方向を向かって右側にピンクフロイドのア
ニマルズのジャケットが出現するのをるな先生に教えてもらい感動する。写真撮りた
かったけど間に合わなかった。更にロンドンを出て郊外に入ると、羊を放牧している
風景があり、それはまるでKLFのチル・アウトなのでこっちも感動する。

 そうこうしているうちに列車は海底トンネルに入るというアナウンスがあった。

             「さらば、イギリス!」

 と心の中で呟きフランスへと入っていった。

 トリプルバーガー!おまけ



CD、アナログ購入+収穫簿

 97年8月22日(金)HMV
  1. SPARKS / WHOMP THAT SUCKER / CMP 62006
  2. ARCANA / CANTAR DE PROCELLA / CMI.55

 同日タワーレコード
  3. DIE KRUPPS / TO THE HILT / RTD195.1662.3 /S
  4. DIE KRUPPS / FIRE / RTD195.3401.3 /S
  5. ARCANA / LOWER AECORDS / CMI.52 /S

 同日CAMDEN HIGH STREETのMETAL HEADS
  6. AZAG-THOTH / REIGN SUPREME / WITCHHUNTER RECORDS WIHU9623

 同日CAMDEN HIGH STREETのRHYTHM RECORDS
  7. ASH RA TEMPLE / ASH RA TEMPLE / OMM556.013 /12LP

  8月23日(土)CAMDEN TOWNの露天屋boot tape
  8. DAS ICH / GERMANY KASSEL 09/08/92 /CMT /BOOT
  9. FRONTLINE ASSEMBLY / AMSTERDAM 13/5/89 /CMT /BOOT
 10. EINSTURZENDE NEUBAUTEN / GERMANY BIELEFELD LIVE 23/07/89 / CMT /BOOT

 同日、CAMDEN TOWNのCD&RECORDマーケット会場で
 11. SPARKS / WHEN DO I GET TO SING "MY WAY" / LOCK74321274012 /S /中古
 12. SPARKS / GIRL FROM GERMANY / WEA 15516 /7EP /中古
 13. SPARKS / WHEN I'M WITH YOU / OASIS 101230-100 /7EP /中古

 同日COVENT GARDENのROUGH TRADEにて
 14. POPOL VUH / SINAI DESERT / SPALAX GOME VIDEO 14301 /V

 同日PORTOBELLOのVINYL SOLUTIONにて
 15. NECROMANTIA / FROM THE PAST WE SUMMON THEE / DARKSIDE RECORDS DSR002 /7EP
 16. DEATH SS / THE CURSED SINGLES / DEATH01-03&AV012 /7EP*4

 同日NOTTING HILL GATEのMUSIC&VIDEO EXCHANGEの1軒でしゃれで、1ポンド10枚
の福袋CDセットを購入。1枚だけ凄いけどあとは屑?
 17. MASAMI AKITA / THE PROSPERITY OF VICE THE MISFORTUNE OF VIRTUE / IRE2022

 8月24日(日)HIPDROMEで行われた納涼ドラキュラ祭りにて
 18. DARK THEATER ,THE / MATTERS OF LIFE & UNDEATH / CHAOS! COMMUNICATIONS CC301

 8月25日(月)タワーレコード
 19. WHITE NOISE / WHITE NOISE 2 / CDV2032
 20. DESIDERII MARGINIS / SONGS OVER RINS / CMI.56
 21. ORDO EQUILIBRIO / THE TRIUMPH OF LIGHT ... AND THY THIRTEEN OF LOVE / CMI.44
 22. V.A. / KARMANIK COLLECTION / CMI.20
 23. CINTECELE DIAVOLUI / THE DEVIL'S SONGS / TOWER CD4

 8月26日(火) CACOPHONOUSレコードを直撃して
 24. N.A.O.S. / MELANCHOLIA / NIHIL15CD
 25. 13 CANDLES / ANGELS OF MOURNING SILENCE / NIHIL22CD
 26. BLOOD STORM / THE ATLANTEAN WARDRAGON / NIHIL19CD
 27. ANCIENT CEREMONY / UNDER MOONLIGHT WE KISS / NIHIL21CD
 28. ANCIENT CEREMONY / UNDER MOONLIGHT WE KISS /PROMO
 29. 13 CANDLES / ANGELS OF MOURNING SILENCE /PROMO
 30. OSCULUM INFAME / PROMO


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