PUMAN Robot-Simulator for Direct3D
コンセプト


ロボットシミュレータ概論

 ロボットシミュレータとは、生産現場で人間のかわりに作業を肩代わりする産業用ロボットの機能の一部を、パソコン上に再現させるソフトウェアの総称をいいます。

 ロボットシミュレータに求められる重要な機能は、 「ロボットの運動データ生成」「運動イメージの把握と環境物体との干渉チェック」です。97年までのパソコンベースのロボットシミュレータは、

  1. 数値シミュレータでロボット運動のデータを作成する。
    関節角の数値データのみ出力するものもある。
    3次元描画機能をもつものもあるが、ワイヤーフレームによる線画が限界で低速。
    もちろん干渉チェックなどできない。

  2. 3DCG描画ソフト(レンダラー)で、膨大な量の静止画像データを作成する。
    物体との干渉を確認できるよう面で構成されるソリッドとして描画する。
    Windows3.1時代なら1枚絵を作成するのに、単純な絵でも10分を要する。
    概算であるが、1秒間のアニメーション再生に画像は20枚程度必要なため、1分間の再生なら120枚、制作に1200分だから、20時間!!
    さらに一枚の画像ファイルの大きさが40KB(このホームページのタイトル画像)として、4800KB。つまり1.44MBディスクが4枚は必要になります。

  3. アニメーターで画像データを連続再生する。

の手順を踏んでアニメーションを行っていました。

 上記説明でわかるように、ひとつのシチュエーションを可視化するためのアニメーション製作でも3DCG描画計算(レンダリングともいう)に数十時間もかかり、さらに画像データファイルは数MBと大変巨大なモノになってしまいました。
 これでは、少し実験条件をかえたり、カメラ視点 などを変えるだけで、アニメーション作成だけで膨大な時間を要してしまいます。

 動的レンダリングできるものも最近になって数点あらわているが、連続描画自体が非常に低速で十分な性能をもつものでない。そこで使用に足るレベルを求めるなら、ワークステーションクラスのマシンが必要でした。ロボットシミュレーションを実現するセットは数百万から一千数百万という値段です。

 結局、自動車産業などを除くユーザーは、安価なマシンでもって、面倒な手順を踏むか、あきらめることが多かった。

 

新時代のロボットシミュレータ

 私の作品「PUMAN Robot-Simulator for Direct3D」では、マイクロソフトが提供するゲーム用モジュールDirect3Dの高品質・高速レンダリング機能を用いることで、 安価なWindows95パソコンでも動的レンダリングを可能にしました!!それもフリーウェアとして公開中です。

 PUMANは動的レンダリングにより、ユーザー操作によるカメラ視点や条件の変更に対しても、即座に対応する双方向性のインターフェースを実現しています。

 くわえて優れたモデリング機能により、産業用6軸ロボットに限らない、さまざまな生産機械や人体モデルまでをパソコン空間上に配置し、アニメーションさせることができます。当然、ロボット周辺レイアウトもCADにより容易に設計できます。

 つまりロボット研究開発者ばかりでなく、ロボット・設備メーカーや生産技術者が新規設備や改造内容をPUMANで検討する。さらには工場・クライアント側に対して説明する際にも、その生産計画検討に積極的に参加させるためのデジタルモックアップ(右図)として機能します。
 安価なノートパソコン(75MHz-Pentium以上を推奨)で必要容量も最低で1.5MBと、どこでも持ち運べる軽快さです。Microsoft Power-Point97上で呼び出して、臨場感のある効果的なプレゼンテーションも行えます。

 ロボットシミュレータPUMANの自由度の高いモデリング機能を活用することで、さまざまなバーチャルリアリティー環境を実現します。つまりはロボットや生産機械にとどまらず、人体モデルによる空手の動き、手話のような細かい手の動きも可能。さらには新築マンションの間取りまで作成できます。

 このように拙作「PUMAN Robot-Simulator for Direct3D」は、ーチャルロボット(Virtual-Robot)を中心においたバーチャルファクトリーの構築システムを実現しました。そして、Direct3Dを利用したロボットシミュレータは世界初です!!

とりあえず転載禁止
Copyright Takashi Horinouchi 1997. All rights reserved.


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