D.ヒル、今シーズンでF1引退を表明
Last updated, 99/06/17



 96年のワールドチャンピオン、デーモン・ヒル(ジョーダン)が16日、今シーズンでF1を引退することを表明した。

 ヒルは92年32歳というF1ではかなり遅くブラバムでデビュー。翌年当時最強のハイテク・マシンを擁するウィリアムズにセカンド・ドライバーとして抜擢され開花。94年A.セナの死でチームのエースとなってからはM.シューマッハとチャンピオンを争うまでになり、96年悲願のチャンピオンを獲得した。昨年ジョーダンに移籍して、ベルギーGPではチームに初優勝をもたらしたが、今シーズンはスタート直後の接触など不運が続き、チームメイトのH−H.フレンツェンの活躍の影に隠れてしまう格好だった。

 ヒルの一番の長所はその開発能力だろう。97年までの最強マシンであったウィリアムズのマシンはヒルのテストによって熟成されたと言って良い。その証拠に、そのマシンの開発者である現マクラーレンのA.ニューウェイはヒルを信頼し、ヒルがクビになるなら俺も辞めると一緒にウィリアムズを飛び出したほど。それだけチームスタッフから信頼されていたのは、人間性の良さと言えるのだろうが、それがアダとなって勝負どころで弱さを露呈しチャンピオンをシューマッハに奪われガッカリさせられたこともあったが、96年の鈴鹿でチャンピオンを決めた時にはA.ニューウェイ自身も表彰台に上ってとても嬉しそうにヒルを祝福していたのと、妻と抱き合って喜んでいたのが印象的だった。
 去年からのジョーダンチームの躍進もヒルの貢献は大きかったと思うが、それにしても今シーズンはツキが無くてリタイアが多く、フレンツェンが活躍しているぶん気の毒である。まだまだ10レース残っているので、ぜひとも表彰台、できれば優勝を狙って欲しいところである。



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