1996 Formula One World Champion Ship
Round 15. Portuguese GP. Results

Last updated, Sep.23 1996
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第15戦 ポルトガルGP最終結果
◇9月20日〜9月22日:エストリル・サーキット
(4.360Km×70周)
- 1 J.ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・ルノー)
- 2 D.ヒル(ウィリアムズ・ルノー)
- 3 M.シューマッハ(フェラーリ)
- 4 J.アレジ(ベネトン・ルノー)
- 5 E.アーバイン(フェラーリ)
- 6 G.ベルガー(ベネトン・ルノー)
○ヴィルヌーブが逆転で今期4勝目!
1996年F1第15戦ポルトガルGPの決勝が22日エストリル・サーキットで行われ、J.ヴィルヌーブ(ウィリアムズ)が大逆転で今期4勝目を挙げた。
(写真:優勝のヴィルヌーブとそれを祝福するヒル、シューマッハ)
スタートでは、このレースでチャンピオンを決めたいポールのヒルが、ここ数戦ことごとくミスしていたスタートをうまく決めてトップを守る。一方、ここでヒルを抑えて優勝するしかないヴィルヌーブは、ヒルにブロックされ、さらにアレジ、シューマッハにもかわされ4位に。2位アレジ、3位シューマッハ、5位ベルガー、6位アーバイン。
ヒルはその後も快調に周回を重ね、ファーステストラップを連発して2位以下をじわじわではあるが、しかし確実に引き離しにかかり14周目にはアレジとの差を10秒にまで広げる。ヴィルヌーブは、サーキットの性格上、前のシューマッハをなかなか抜けず苦しい展開。スタートの出遅れが大きい。
しかしながら15周目の最終コーナで、シューマッハの前に周回遅れが現れたところを逃さず外側からパス。その後シューマッハを徐々に引き離す。
16周目ヒルが1回目のピットイン。問題無く作業を終えピットアウト。18周目にはヴィルヌーブとシューマッハが同時にピットイン。どちらも7秒台で作業を終えてコースに復帰する。22周目にはアレジがピットイン。ベネトンは2人とも2ストップ作戦を取る模様。その他の上位陣は3ストップ作戦。この作戦がどう結果に出るのだろうか?。
23周を終えた時点で1位ヒル、2位ヴィルヌーブ、以下シューマッハ、アレジ、アーバイン、ベルガーと続く。ヒルとヴィルヌーブとの差は7秒台。ラップ的にはヴィルヌーブが若干速いが、周回遅れと出会うタイミングが2人の差を左右する状況。
34周目ヒルが2回目のピットイン。作業は7秒ほどで終えコースに復帰。この前の周でヴィルヌーブがヒルに4秒ほどの差まで迫っている。次の周にはヴィルヌーブもピットイン。これも問題無くピットアウト。この次の周の2人の差は3.026秒。さらに次の周には2秒台に。一時は10秒近くまで開いていたのだから、ヴィルヌーブの追い上げは物凄い。さらに各周回、各セクションでことごとくヒルとの差を詰めていき、とうとうテール・トゥ・ノーズの状態に。
44周目、アレジ、シューマッハが同時にピットイン。アレジは2回目、シューマッハは3回目となるため給油するガソリン量はアレジの方が多い。そのためシューマッハが先にピットアウト。上手いピットインのタイミングで3位に浮上。
。(写真:シューマッハはアレジと同時ピットインで勝負に出る)
47周目、ヒルが最後のピットイン。8.8秒で作業を終えてコースに復帰。次の周にはヴィルヌーブがピットイン。8.0秒で作業を終えコース復帰。この0.8の差が効いたのか僅かの差でヴィルヌーブがヒルの前に出ることに成功。フレッシュタイヤにもかかわらず、ヒルを引き離す。
その後も、ヒルに何かトラブル(ミッション・トラブル)が発生したらしく全然ペースが上がらず、最後は16秒もの差がついてヴィルヌーブがチェッカを受け優勝。ヒルもなんとか2位に入りポイント差9で鈴鹿で決戦と言うことになった。3位シューマッハ、4位アレジ、5位には久々に完走を果したアーバイン、6位ベルガーとなった。
○強い! ヴィルヌーブ
いつもテレビ見ながらレポートを書いてるんですが、久々のヒルの好スタート、そしてヴィルヌーブが4位となり「これはヒルのチャンピオン決定かな」と思って、「ヒル、久々の好スタートを決めてチャンピオン・ゲット!」なんて見出しを考えながら、それほど順位に動きのない序盤のレースを見ていたんだけど、ヴィルヌーブがあのシューマッハを抜いた時には「やっぱりすげーよ」と興奮しつつ「でもやっぱりヒルだよなあ」とヴィルヌーブひいきの私でさえ思っていたんだから、多くの人もそう思っていたでしょう。しかし一時10秒近くまで開いた2人の差が徐々に狭まり、テレビに表示された各セクションで2人の差がどんどん縮まっていく様には、ほんと興奮させられた。
そのあとタイム差が安定してしまった時には「やっぱりヒルが逃げ切るか」とも思ったが、3回目のピットインに最初にヒルが動き、ヴィルヌーブはそこで当然の猛スパート、さらにコンマ8秒速かったピット作業のおかげで、ヒルの前に出た時には、「やったー」って思わずこぶしを握ってしまった。
それにしても、ジャックの勝負強さがすべて発揮されたレース・ストーリーで、ジャックファンにはこたえられないレースだった。前回のイタリアが散々の結果だっただけに、汚名を返上できたのではと思う。まー予選ではヒルにはどうしてもかなわないし、天性のマシンコントロールは「アレジ、シューマッハが一枚上手」と先日北海道のローカルFMのF1情報番組に出ていた川井ちゃんが言ってたけど、勝負どころを逃さない、そしてそこで見せる強さは、シューマッハをあんな風に抜いて見せたことで証明できたのではと思う。(写真:ウィニング・ランでのヴィルヌーブ)
ヒルはほんと久々にいいスタートを決めたんだけど、ヴィルヌーブの粘りに屈した形。トラブルを抱えてと不運もあったが、できればここでチャンプ決めたかっただろう。
(写真:すばらしいスタートを決めたヒルであったが・・・)
そして、とうとうチャンプ決定は鈴鹿へ持ち越し。日本のF1ファンにとっては本当に楽しみな状況になった。ポイント差9は、ヴィルヌーブが優勝しても、ヒルは6位でもチャンプ獲得なので断然有利なのだが、ヒルには完勝で、誰にも文句を言わせない形でチャンピオンを獲得して欲しい。とにかくチャンピオンらしく!
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