1996 Formula One Champion Ship

Round 4. European GP. Results


Last updated, Apr.29 1996

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第4戦 ヨーロッパGP最終結果
◇4月26日〜28日:ニュルブルクリンク(ドイツ)

○ヨーロッパGP予選結果

○ヨーロッパGP結果詳細


○ヴィルヌーブ初優勝!!!!!

 1996年F1第4戦ヨーロッパGPが、シューマッハの地元、ドイツ国旗とフェラーリの旗であふれるドイツ・ニュルブルクリンクサーキットで行われ、J.ヴィルヌーブがF1参戦4戦目にして初優勝の快挙を成し遂げた。
 スタート時の天候はくもり。ガスがかかったような状態。途中雨が降るのではとの心配もあったが多少ぱらついた程度で、路面は最後までドライ。
スタートではポールポジションのヒルが失敗、ヴィルヌーブが一瞬フライングとも見えたが、好スタートを決めてトップに立つ。そして予選6位のクルサードが大ジャンプアップの2位へ。5位のバリチェロが3位。一方、予選4位のアレジもスタート大失敗。大きく順位を落とし、慌てたのか2周目にサロを無理に抜こうとして接触、早々とリタイアしてしまう。予選3位のシューマッハは4位、5位にヒル、しかし5周目にはシューマッハをかわす。6位は予選9位のハッキネン。また、予選8位のベルガーもスタートで接触があったらしく、2周目に早くもピットイン。右京はエンジンをストールさせたのかこれまたスタート失敗。オフィシャルに押されてエンジンが掛かり、再スタートするが、レース終了後失格、と、大波乱の幕開けとなった。
 ヴィルヌーブは2位以下を大きく引き離し独走態勢を築く。2位クルサードの後でバリチェロ、ヒル、シューマッハの3位争いが激しい。バリチェロは必死にヒルの追撃を抑える。
 20周目、ヒルのピットで急にタイヤが用意され、22周目にピットイン。何かマシンに異常なバイブレーションがあったらしく、そのチェックのため20秒もの時間がかかってしまう。次の周シューマッハもピットイン。シューマッハは7秒台で作業を終える。
 23周目クルサード、バリチェロもピットイン。ヴィルヌーブは26周目にピットイン。8秒台でピットアウト。トップを維持したままコース復帰。ここでの順位は、ヴィルヌーブ、シューマッハ、ハッキネン、バリチェロ、フィレンツェンの順。
 ヒルはピット作業で時間がかかったのが響き、9位まで順位を落とす。その後、ヒルがディニスを無理に抜こうとして、コースアウト。しかし何とかコースに戻り、マシンにもダメージは無いらしくそのまま周回を重ねる。
 シューマッハはここでファーステストを連発し、トップ、ヴィルヌーブにラップタイムで2秒近い勢いで迫る。そして40周目、とうとうヴィルヌーブにコンマ数秒のところまで接近。しかし、ここからヴィルヌーブが踏ん張り、シューマッハはなかなか捕らえる事はできない。
 44周目、シューマッハが予定通りのピットイン。クルサードの後ろでコース復帰。46周目ヴィルヌーブも予定通りピットイン。しかしトップを守りコースに戻ることに成功。
 その後シューマッハが2位に上がり、クルサード、ブランドル、バリチェロ、フィレンツェンと続く。フィレンツェンは、何かマシンにあったのかコーナ手前のブレーキングでマシンのバランスを崩しスピン。コースに復帰するが、そのままピットへ。いったんはコースに戻るも結局リタイアしてしまう。
 残り11周のところで、ヴィルヌーブにシューマッハがピタリと迫る。残り5周のところで、周回遅れがダンゴになってヴィルヌーブの前に立ちはだかる。しかし、冷静にそれらをかわし、シューマッハに付け入る隙を与えない。
 結局そのままヴィルヌーブが逃げ切り。F1参戦4戦目で初優勝を挙げる。2位は地元シューマッハ。3位は久しぶりの表彰台クルサード。以下ヒル、バリチェロ、ブランドルが入った。

○ジャックは凄い!興奮!!

 こんなに凄い、激しい、興奮したレースはセナが死んで以来、あっただろうか。ヴィルヌーブがチェッカーを受けた瞬間、私は床を転げ回ってしまうくらい興奮してしまった。私はジャックの父ジルのファンだったので、ジャックには開幕前から期待していたのでなおさら。そして今日レース前、某スポーツ雑誌に掲載されていたジャックへのインタビューでのコメントを目にしていた事がこの興奮に拍車をかけたと思う。そのジャックのコメントとは次の様なものであった(著作権に触れるのかな?)

 「誰よりも抜きんでて30秒も前に行ってゴールに着く、そのために無理してミスしてクラッシュしてしまう。これは無意味だね。とにかくすぐ後ろの奴に抜かれない程度で前にいればいいと言う事さ。彼が自分のどれだけ後ろにいるか分かっていて、とにかく彼を後ろにキープできさえすればいい。これが僕のやり方だよ。10秒のリードをつくるために限界ギリギリの走りをしなくてはいけないのなら、3秒のリードでもいいから余裕のある走りでフィニッシュラインにこぎつけたほうがいいに決まってるだろ?」(Number 391号に掲載)

 これを読んで誰もが思う事は、こんな考えで走るには、物凄い精神力が必要、要するに「ぜったいミスしない!」という確固たる自信がなければできない、という事。確かに、ジャックは開幕戦で、トラブルがあるまでヒルを抑えていた。でもそれは必死に走って何とかヒルを抑えていたと見ていたから、「これは単なる強がりを言っているだけではないのか?」と正直思った。
 そして今回のレース。その中盤から終盤にかけては、ジャックの言葉が単なる強がりなのか、そうではないのか?、絶好の証明の場となってしまったのだ。それもすぐ後ろは去年のチャンピオン、シューマッハ。マシンのできに差はあるにせよ、現役最強のドライバーである事は疑いもない。はたしてジャックは本当に自分の言葉を証明してくれるのか?シューマッハにその走りが通用するのか?。ジャックとシューマッハの接戦はそんな事を思いながらも、その戦況を以外と冷静に見ていた。
 シューマッハとジャックの差は、はじめ10秒以上もあったのが、シューマッハはラップ差で2秒近くも速いペースでジャックに接近。TVのアナウンサーや解説の今宮さんは、「ここはヴィルヌーブの踏ん張り所」といった感じのコメント。この状況なら、誰でもそう思うだろう。「シューマッハがトップを奪うのでは」と。しかし、私はこのインタビュー記事を思い出し、「ひょっとしたら・・・」と頭を過ったのだった。実際、ジャックとシューマッハの差は、"抜けそうで抜けない間"を保ちつつ、周回を重ねた。さらに残り5周は周回遅れの車が数台前に現れて・・・
 しかし、ジャックは冷静にそれらをパスし、シューマッハにまったく付け入る隙を与えず、とうとう逃げ切ってしまったのだ。その瞬間はとにかく興奮!。こんなドライバー今までいただろうか?。ここまで冷静に、緻密にレースを運べるなんて!。それも後ろがシューマッハで!。後ろのシューマッハの状況を正確に予測し、かつ自分の状況と比較して、かつ周回遅れをも頭に入れそれをパスしていく。そんな走りを目の当たりに見てしまったのだ。
 先ほど言ったようにドライバーではやはりシューマッハが現役最強。マシンが同じなら、シューマッハがブッチギリ!と、誰もが思い疑いはない。しかし、ジャックのコメントと、今回の結果がリンクして、ジャック・ヴィルヌーブはそのシューマッハに真の実力で対抗できるドライバーなのではないだろうか?、と大きな期待を抱いてしまうのだ。そしてそれをもっとも感じたのは、もしかしたらシューマッハ自身ではないだろうか?。レース後の会見での、シューマッハのいつになく硬い表情を見てそう感じたのだが・・・。

 とにかく、ヴィルヌーブの凄さを"見てしまった"今回のレースだったが、やっぱりシューマッハも相変わらず速い!。そして、あれだけのバトルでマシンが最後まで持ったという事は、信頼性の問題も克服されつつあると言える。
 その他、スタートでヒル、アレジがミスしたのをきっかけに、いろいろとあったので、短くコメントします。
 「去年の活躍はマシンのおかげ」と、私がこの前ここで言ったばかりのクルサードが効スタートを決め、その汚名挽回の3位。またバリチェロ5位、ブランドル6位は、ジョーダンが速くかつ安定してきている証拠。今後は「トップチーム」にジョーダンも加えて「トップ5」と言っても過言ではあるまい。逆に弱さをさらけ出してしまったヒル。まー何とか完走して4位に入ったのは進歩したのかもしれないが、1つ狂うとすべてが崩れてしまう弱さをまだ克服しきれていない。もっと重傷がアレジ。開幕戦とまるで同じ展開。ブリアトーレも頭が痛い。そのほか7位に入って久々存在を示したJ.ハーバートにはもう少し頑張って欲しいところ。

 スタートが大波乱で、TV見ながらのコメント書きは大忙しだったけど、最後はもう大興奮!、大感動!、大感激!。今宮さんも盛んに言ってるけど、今年はF1変貌の年なのかもしれない。本当に興奮させてもらいました。このレースは歴史に残る!。皆さん、興奮できました?

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