○F1情報最新版?
1995 Formura 1 総括
Last updated, Jan.03 1996
GO BACK TO BEFORE PAGE GO BACK TO HOME PAGE
1995年F1GP総括 (By Kazuhisa Sato)
○ドライバー編 <<シューマッハ!シューマッハ!シューマッハ!>>
とにかくシューマッハが強すぎる!次元が違いすぎる!!
それほど戦闘力がないと目されるベネトンのマシンを、シューマッハは強烈な体力とテクニックでねじ伏せ、自由に操る。よって、シューマッハはマシンを選ばないドライバーなのかもしれない?。次シーズンのフェラーリでどこまでの走り、結果を出せるか大いに期待される。それにしてもセナ亡き後、敵がいない状態がいつまで続くのか?。
それに比べてヒルは....
94年の最終戦、ヒルはシューマッハの後ろからピタリとプレッシャーをかけ続け、スピンさせるところまで追いつめた"あの走り"を見て、今シーズンはやってくれるのでは、と密かに期待し応援していたのに....裏切られた....そんな思いしか残っていない。マシンは最高なのに、どうも勝負が苦手なのか、ミスも多いし、抜くのが下手だし、最終戦で勝てたのが唯一の救いか。次シーズンが正念場であることは間違いない。
その他のドライバでは、今シーズンは初優勝を挙げたドライバが3人もいた。アレジ、ハーバート、クルサード。ところが彼らは皆、そのチームから去らなければならなかった。アレジはシューマッハとのトレードでベネトンへ。クルサードは伝説のドライバ、G.ヴィルヌーブの息子J.ヴィルヌーブがウィリアムズに入ったために追い出され、マクラーレンへ。ハーバートは2回も優勝しているのにベネトンを追い出され、かつなかなかシートが決まらず、ようやくザウバー入りが決まったようだが...。これがプロスポーツの世界の厳しさか。この中では、やはりアレジがいろんな面で目立っていたのではないだろうか。走りの凄さ、特に日本GPでの走りは忘れられない。プライベートでもゴクミと婚約なんて、ワイドショーが大騒ぎ。F1見ない人にも名前が知れ渡ったのではないだろうか。来年は勝利の女神ゴクミが全レース応援に来るそうだし、ベネトン+ブリアトーレと組んでとにかく結果を出して欲しい!。
その他目立っていたドライバーとしては、意外に入賞回数が多いフィレンツェン、復帰したが気が付いたらいなくなっていたマンセル、不信のマクラーレンで思うように結果が出なかったハッキネン(最終戦では大クラッシュ)、アレジと共にせっかくティフォシの支持が高いのにチームを去れねばならなかったベルガー、こんなところでしょうか。
○コンストラクター、マシン編
ドライバー、コンストラクターの両タイトルに輝いたベネトンのマシンが一番優れていると思いがちだが、いろいろなコメンテーターの意見では、ウィリアムズのマシンが特に優れているらしい。結局勝てなかったのはドライバーの腕はともかくとして、チームの作戦、ピットワーク、開発の早さといった総合力の差でウィリアムズはベネトンにかなわなかったということか。とにかくテレビで見ていても、ベネトンのピットワークの速さ、作戦の的確さ、そしてその作戦プログラムを的確にこなすシューマッハのドライビングと他とはすべてにおいて上回っていたようにみえた。結局チームマネージャであるフラビオ・ブリアトーレのマネージメント手腕の凄さも、両タイトル奪取の大きな要因となるのだろう。
それから、フェラーリの活躍。前半はチームとして6連続表彰台など、珍しく信頼性が高かったが、後半はいつもの悪い癖で、せっかくいいポジションにいながらトラブルでリタイヤと言うのが目立った。またイタリアGPでは、夢の1、2フィニッシュの目前で前を走るアレジの車に付いていた車載カメラが外れて後ろを走るベルガーのマシンのフロントサスペンションを直撃し、ベルガーはリタイア、アレジもその後右リア・ホイールベアリングが焼き付くトラブルでリタイア、となんとも不運としか言えない結果となった。しかし、フェラーリがなかなかの結果を出してくれたことは、世界中のF1ファンにとってはうれしい出来事に違いない。F1ファンの誰もがフェラーリには特別の感情を持っていると思うから...
それとは逆に、マクラーレンは不振。エンジンがメルセデスに変わり、またセンターウィングを付けた不思議なデザインのマシン(個人的にはかっこいいと思うのだが)と話題は多かったが、もう一つの話題であったマンセルがマシンがからだに合わないと駄々をこねたかと思ったら、その後の成績不振で解雇と言うどたばたで始まり、シーズンを通してのシャーシの問題。とにかくハンドリングが悪いらしい。しかし、ハッキネンの頑張りで、鈴鹿では2位表彰台をゲット。しかし最後のアデレードでは、そのハッキネンがパンクによるクラッシュで一時意識不明になるほどの重傷を負うなど、なんとも苦々しい結果に終わってしまった。が、メルセデスがこのまま黙っているわけはない。実際メルセデスは、結果不振はシャーシが悪いからだとして、チーフデザイナのニール・オートレイの解雇を申し入れているとも聞く。以前HONDAがエンジンを供給していたときも同じような問題でセナが苦しんでいたように、どうもマクラーレンはシャーシ開発能力不足が未だ解消されていないようだ。
○次シーズンの展望
何といってもシューマッハ+フェラーリがどんな結果を残してくれるのか。フェラーリは勝つためにシューマッハを獲得したんだろうし、設備面でも豊富な資金を惜しみなく注ぎ込んで大幅に充実し、チャンピオン奪取をめざしている。そして元HONDAの後藤治氏が開発したフェラーリV10もデビューするだろうし、これらが組み合わさっていったいどんなパフォーマンスを見せてくれるのか?必見!
それに対抗するアレジ・ベルガー+ブリアトーレ・ベネトン。アレジ、ベルガーの速さとブリアトーレのマネージメント手腕はだれもが認めるところ。この組み合わせがどう機能し、結果を残すか?私はアレジファンなだけに特に期待している。
もう一つの対抗馬ウィリアムズは、J.ヴィルヌーブが加入。伝説のドライバーを父に持つ彼は、今シーズンインディーでチャンピオンを得、エストリルの合同テストでもトップタイムをマークするなどすでに実力を見せ付けている。そして依然最高と言われるウィリアムズのマシンでどこまでその実力を発揮できるか?これも期待大。親の七光りどころか親をもしのぐ活躍を、天国の父親に捧げてほしいものである。(そんな意味ではヒルにも期待していたのだが.....)
あと、マクラーレンの復活なるか。ハッキネンは復帰できる?新加入クルサードは?2年目のメルセデスエンジンは?
はたまた前シーズン2勝を挙げながらベネトンを出されたハーバートは、ザウバーでどこまでやれる?
それでもって2シーズン目のジョーダン+プジョーは?
と、話題、期待は尽きないのではあるが、まーとにかく面白いレース、誰が優勝するかわからないような展開を期待する。最近のF1はチーム力(資金力)の差が大きく、よってマシンの性能差が大きいためかバトルがあまり見られなくなった。すでにオープニングラップで大きく差が開くパターンもあるし、レース前に結果が決まっているような展開が多い。ドライバーの腕でなくどのマシンに乗るかで結果が決まってしまうような風潮が今のF1である。たまにインディーカートを見ると、テレビ画面にいつも4、5台のマシンが写っていて、見ていて飽きない。しかしF1では誰かの1人旅ばかりがテレビに写って....。やはり見るものにしては、マシンの性能差ではなく、ドライバーの腕、ピットクルーのチームワーク、チームの作戦・駆け引き、これらを争うレースをF1にも期待したいのだが.....(かなり前から言われ続けていることだが)。
何はともあれ、どんなシーズンになるのやら。楽しみは尽きないのであるが、まず事故だけは起こさないで欲しいと願う、ということでここは締めくくりたい。
○その他にも言わせて!
今シーズンからフジテレビの解説陣が変わり、熊倉氏と土屋氏のトークバトルがレース以上に盛り上がったたりしてたけど、やはり見ている側にするとチョット迷惑ではなかろうか。そして何を勘違いしているのか絶叫アナウンサーの出現。たしか1レースだけだったと思うがとても度が過ぎていて見ている方がレースの内容どうこう言う前にしらけてしまった(確かワールドカップバレーボールの中継でもこの絶叫アナが実況していて、うるさいと思った記憶があるが)。それと、これは昔からだけど誤った状況説明も多くて、マシントラブルなのにドライバーのミスだとか、その逆とか。広いサーキットで生の実況は情報面で難しいのだろうけど、テレビ見ていて「それは違うよ」とわかってしまう発言が昔から多々記憶している。アナウンサーたちはもっと勉強してほしい。もっと言えば、要するにアナウンサーも解説陣もしゃべりすぎ。マシンの音と走っている映像、そしてたまに順位を示すティロップだけでも十分なのだから、機関銃のごとく喋る意味はないと思うのだが。もう少し落ち着いてレースを実況して欲しい(NHKのインディーカートの中継は落ち着いて見れます)。その意味で一つ提案。音声を多重放送にして、主音声はいつも通りの実況と解説を流す。で、副音声はマシンの音のみにしてくれると、採ったビデオを実況無しのBGVとして見る事ができるし、実況がうざったい時は副音声のみにすれば聞かなくて済むし、見ている側は選択の余地ができてたいへんありがたいのだが。フジテレビさん検討してくれませんか?
GO TOP GO BACK TO BEFORE PAGE GO BACK TO HOME PAGE