特集 市街地に埋もれたお城・陣屋(1)
全国各地のお城は、廃城後、急速に姿を消していき、大半は市街地へと変貌してしまいました。
このコーナーでは、そのような市街地に埋もれたお城・陣屋の一部を紹介したいと思います。

 

 民家に移築された櫓 日出城(大分県)


 民家に移築された櫓(日出城) 全国のお城でよく見られるのは廃城後にお城の建物
が払い下げられ民家やお寺に移築されるケースです。
この鬼門櫓もその一つで、その名のとおり鬼門の方角
に建てられたものです。鬼門の方向に切り欠きがあり
(写真右側)、実質五角形の櫓でめずらしい貴重な遺
構です。
しかし、民家に移築されたものは手入れが行き届かず
荒廃しているものが多いようです。この櫓も惨憺たる
状況です。もとの位置に移築されるようですが、末永く
残るように配慮してほしいものです。

 お城の上に駅舎が 三原城(広島県)


この三原城はお城の本丸部分から南側が山陽本線と
新幹線の駅、市街地となり、遺構はかなり消滅していま
す。
三原駅構内からはわかりませんが、外から見ると石垣
の上に駅があるのが良くわかります。まだ取り壊されず
残っているだけマシでしょうか。
駅構内から天守台上に入ることができ、駅利用客の憩
いの場となっています。
ちなみにおとなり福山城も城の南部分が壊され駅が建
てられました。
 
お城の上に駅舎が(三原城)

 お城の土塁が民家の生垣に 村松城(新潟県)


 お城の土塁が民家の生垣に(村松城) とてもお城の遺構には見えませんが、これはお城
の土塁の一部です。地元の人に教えてもらうまで
お城の遺構とは気づきませんでした。 何気ないと
ころにもかつてお城があったことを示すものが残っ
ているものです。

 お城の堀が民家の地下室に 飯田城(長野県)


ここ飯田城でおもしろい光景を見ました。通常、お
城の堀は埋め立てられるケースが多いのですが
ここではそのまま地下室として活用しているので
す。用途は、駐車スペース、民家の物置、お店ま
でありました。 確かに新たに掘るよりはあるもの
をそのまま使えば良いのですから効率的ですよ
ね。
 
お城の堀が民家の地下室に(飯田城)

 城下町に残るL字路  鹿野陣屋(鳥取県)


 城下町に残るL字路(鹿野陣屋) 城下町は、敵が容易に城に近づけないようにすると
ともに攻撃しやすくするため、 道をL字やT字等にす
るなどの工夫が凝らされています。この城下町の形
態が、現在のそのまま継承されているケースは多々
ありますが、これも重要なお城の遺構です。 昔の絵
図などを持参し、 見比べてみるとおもしろいかもしれ
ません。


-まだまだあります! 乞うご期待-
 H21.12.20


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