海軍大尉 小灘利春
平成14年
回天烈士ならびに回天搭載潜没潜水艦乗務員追悼式
参列報告
平成15年 2月
回天発祥の地、徳山市大津島において昭和30年以来連綿と続けられてきた回天戦没者慰霊の式典が、
地元有志の団体である「回天顕彰会」の主催により平成14年11月10日13時半から
献花方式の「回天烈士ならびに回天搭載戦没潜水艦乗員追悼式」の形で開催された。
前日までの寒波から一転して晴れ上がった秋空のもと、三百人余りが参列し例年どおり厳粛な式典が進行した。
回天の初出撃から五八年もの歳月が経つが、北海道から九州の各地より50名を越えるご遺族が参加された。
しかも戦没者のご兄弟などで初めて参加される高齢のご遺族が数多くあったことは
肉親の絆がやはり強いことを偲ばせる。
山口県、徳山市、県議会、市議会、諸官庁団体の方々が参列、自衛隊関係では呉地方総監部ほか近在の各部隊の
代表者が参列された。
潜水艦「おきしお」がその昔、回天搭載潜水艦が出撃を前に雄姿を浮かべた基地沖合いに碇泊、
制服姿の乗員が回天碑前の式場に整列した。
海上自衛隊の小月教育航空群の三機、航空自衛隊防府基地の第12飛行教育団の四機、
海自岩国基地第31航空群の飛行艇三機の各編隊が相次いで式場上空を往復航過した。
中には通過した後、一斉に急旋回して編隊を解き、一機ずつ左右に大きくバンクしながら次々と頭上を掠める一群があった。
慰霊飛行としては初めて見る型であるが一層の親近感を表現するものであろう。
地元の若人がたちが演奏する「大徳山太鼓・回天」もいつもどおり力強く響きわたった。
なお、「回天特攻」が存在したことを知り、研究したいと初めて参加した若い人々が、遠く北海道から沖縄までの各地から
あったことは、この国が良い方向に転換しはじめた現れかと期待を覚えた。
明平成15年度は11月9日の開催になる。
更新日:2007/09/17