海軍大尉 小灘利春

 

大津島で目標艦となった駆逐艦

執筆時期不明

 

@駆逐艦浜風

同艦は大和特攻の菊水1号作戦に参加し、昭和20年4月6日三田尻沖より 出撃し、翌7日東支那海において

戦艦大和とともに沈んだが、同艦乗組であった兵学校73期永井中尉によれば、

その出撃前の一時期、大津島で回天の航行艦襲撃訓練の目標艦となったという。

(注:浜風 陽炎型(甲型)駆逐艦  昭16年6月浦賀ドック建造・2000排水トン 52000馬力  速力35ノット)

 

A駆逐艦楓

同艦は昭和20年4月26日呉を出港、徳山南方において回天の訓練に参加した。

同艦は呉で回天発進のための改造工事を既に行っていたが、回天を自艦から発進させたことはない。

5月27日呉に帰投、修理の上、偽装準備を行い、7月8日より倉橋島本浦泊地にて偽装係留に入り、

この地で終戦を迎えた。

同艦主計長高杉敏夫主計大尉は6月1日楓を退艦したが、5月の或る日、同艦が大津島基地の近くで停泊し夕食を

とっていたとき、回天が舷側に衝突した という。

 

海軍大尉 小灘利春

更新日:2007/11/04