甲飛第十三期殉國之碑保存顕彰会

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平成13年 4月 8日

甲飛十三期殉國之碑 第 二十八回慰霊例祭

祭典委員長 祭文

 

祭典委員長 後藤  堅

我が日本肇国の地、此橿原の山裾に広がる若桜友苑にて、甲飛十三期殉国之碑第二十八回慰霊祭を挙行するに当り、

御来賓、御遺族先輩、同期生、後輩、一般の方等多数の方々の御参列を仰ぎ、卿等の偉大なる勲を賛え御霊安かれと

心よりお祈り申し上げます。

 

顧り見れば五十八年前の昭和十八年、我々甲飛十三期生は国難に殉ぜんと勇躍、土浦、三重、鹿児島、松山、美保、

奈良の六航空隊に入隊、血のにじむ様な訓練勉学に耐え短期速成とは云え、世界戦史上類を見ない特攻攻撃の要員

として、空は勿論の事、海上特攻の震洋、水中の人間魚雷回天、特殊潜航艇蚊竜、海竜等に配属され出撃命令を待つ

状況でありました。

今思えば、我々十三期生の大部分は特別攻撃隊員であったわけであります。

卿等はその魁として国難に殉じ我々もまた明日か明後日かと、後に続く日を待つ極限状態の中で過した心情は、

卿等も同じであったと思います。

あの時の胸中こそ、今の十三期生の絆となって居るのだと考えます。

今年は二十一世紀を迎えました。

敗戦により廃墟の巷に放り出された時には我々の余命が新世紀まで続くなど夢にも思っていませんでした。

いや考えも及ばなかったと思います。

その日から五十六年、様々を辛酸をなめ努力し、世界が驚く程の復興と成長をとげましたが、それも束の間、

私利私欲に走る政治家と国民不在の政策により、国中が乱れて来て居ります。その一端は我々にも有る事は

否定しませんが実に情けなく、卿等に顔向け出来をいと云う気持ちで一杯です。

新世紀の初頭にあたり、我々老兵も心を新たにし、愛すべき日本の為、我々が辿った、貴重な歴史と純粋を愛国心を

次世代に伝えるべく、殉国之碑を守り、身をもって努力邁進致す事をご報告申し上げ、卿等のみ霊安からん事を

心より祈念申し上げます。 

 

朗読された遺書

更新日:2007/11/04