回天特別攻撃隊
多聞隊 伊366潜
昭和20年 8月 1日 光出撃
艦長
時岡 隆美 大尉・海兵67期
搭乗員
成瀬 謙治 中尉・海兵73期 昭和20年 8月11日 発進 沖縄海域
遺詠
国思う若き命よ若桜 今ぞ雄々しく南海に散らん
荒れ狂う万里の怒濤のりこえて 轟沈街道まっしぐら
神龍は 狂う怒濤と 他は戯れつ
隊員をはじめてほめし鬼心 悪くな思ひそ大君の為
我が心神に通じて荒れ狂う 天佑神助必ずやあらん
. 大君の御稜威かしこみ微笑みて 今ぞ散るらん若桜花
. 大君の辺にこそ死なめ若ざくら 微笑み残して母艦を離れん
. 身はたとひ南の果に水漬くとも 九段で迎へん神州の春
. 身はかろくつとめは重しこの一戦 当たりて砕けん敵やはあるべき
. 大君の醜の御楯と誓う身に 何惜しからん若桜花
. 獲物獲ずため息ついてにらむそら 真紅に燃えて今日も暮れゆく
鈴木 大三郎 少尉・予備 4期/明治大学 回天の故障により帰投
上西 徳英 一飛曹・甲飛13期/奈良空 昭和20年 8月11日 発進 沖縄海域
遺書
お父さん お父さんの髭は痛かったです
お母さん 情は人の為ならず
忠範よ 最愛の弟よ 二本男子は御楯となれ 他に残すことなし
和ちゃん 海は私です 青い静かな海は常の私 逆巻く濤は怒れる私の顔
佐野 元 一飛曹・甲飛13期/奈良空 昭和20年 8月11日 発進 沖縄海域
遺詠
菊水の流れを慕いて散る友の 跡を慕いて我も又征く
国思う心は誰か異ならん 共に進みて玉と砕けん
大君のみことかしこみ敵討つと 吾を育てし親ぞ尊し
大井なる清き流れをそのままに 我今起ちて国に尽くさん
いさぎよく花よ散れ散れ吹く風に 国を思えば散りて尽くせよ
. 皇国に生をうけたるますら男は 御国守って散りて行くらん
. 醜が船をしずめて尽くすその日まで 無事なる事こそ祈れ同胞
. 何時なれど散れる心はあれども 的のなきぞかなしき岩井 忠重 一飛曹・甲飛13期/奈良空 回天の故障により帰投
奥津城
成瀬謙治/愛知県西加茂郡藤岡町 共同墓地 佐野 元/京都府亀岡市 清現寺 .
更新日:2007/02/18