第四海軍燃料廠
海軍採炭所
明治２２年、新原（現：福岡県糟屋郡須恵町）に設立された採炭所は、海軍艦艇の燃料であった石炭の確保を
目的として海軍直営によって開発された。
石炭を軍港のある佐世保へ送るため、博多湾鉄道（湾鉄：現在のＪＲ香椎線）や筑前参宮鉄道（後に西日本鉄
道、日本国有鉄道勝田線、廃線）が建設された。
略史
明治２１年 １月 海軍、福岡県糟屋郡新原（現在の須恵町）を予備炭山に指定
明治２２年 ７月 第一坑 開坑（須恵町）
明治２２年１０月 第二坑 開坑（須恵町）
明治２３年 ３月 海軍新原採炭所 設立、佐世保鎮守府所管
明治２６年 １月 第三坑 開坑（宇美町）
明治３３年 ６月 第一坑・第二坑 廃坑
明治３３年 ８月 海軍採炭所 官制発布、海軍採炭所に改称、海軍艦政本部に所属
明治３４年１１月 第四 坑開坑（須恵町）
明治３７年 １月 博多港湾鉄道 西戸崎〜須恵間開通
明治３８年 ６月 博多港湾鉄道 須恵〜新原間開通
明治３９年 ９月 第五坑 開坑（志免町）
明治４２年 ７月 博多港湾鉄道 酒殿〜志免間開通
明治４４年１１月 第六坑 開坑（宇美町）
大正 ４年 ３月 博多港湾鉄道 志免〜旅石間開通
大正 ７年 ４月 第七坑 開坑（第五坑構内：志免町）
大正 ８年 ３月 筑前参宮鉄道 吉塚〜勝田間開通
大正１０年 ４月 海軍燃料廠 採炭部に改組、呉鎮守府に移管
昭和 ４年１０月 志免新庁舎 落成、事務所を志免に移転
昭和 ６年１０月 第三坑 採掘終了
昭和１０年 ５月 第八坑 開坑（第五坑構内：志免町）
昭和１２年 ８月 第七坑 坑内出水
昭和１３年 ３月 第七坑 下層採炭作業を休止
昭和１３年 ６月 第七坑 ガス爆発事故 死者５０名
昭和１６年 ４月 第四海軍燃料廠に改組
昭和１６年 ４月 酒殿坑 開坑（斜坑）
昭和１６年 ７月 立坑 開坑（志免町）
昭和１８年 竪坑櫓 完成
昭和２０年 ８月 終戦
昭和２０年１１月 第四海軍燃料厰 内務省へ移管、その後大蔵省へ移管
昭和２０年１２月 第四海軍燃料廠 運輸省へ移管、門司鉄道局志免鉱業所
昭和２１年１２月 志免鉱業所へ改組
昭和３９年 ６月 閉山
新原公園
福岡県糟屋郡須恵町
海軍炭礦創業記念碑
碑文
明治維新の大業成り帝国海軍の基礎確立するや政府は海軍用石炭の採掘自営を計り広く全国各地を調査の結果
明治二十二年此地をして新原採炭所を創設す 是即ち我採炭部の揺籃なり 爾来将に五十年其間日清日露の二大
戦役を■■て今次の支那事変に及び 或は艦船の行動に 或は兵器機関の製作に海軍用炭の策源地として貢献少
からず
而して■■当るや協力一致採炭報国を綱領となし国運の伸長と共に躍進また躍進 当初の年産僅に数万瓲に過ぎ
ざりしも 今や六十万瓲を超ゆるに至る 今昔相衡較するに誠感慨に堪えず 此時に当り近郷の有志相図り創業以
来当部の国家に致せる■■■を■一す
又唯一の官営炭山として海軍の発展を助長し且は附近町村文化の啓発進展に寄与する所大なりとし 其歴史を後世
に顕彰するため創業記念碑建立の議成り 碑文を余に要む依て以て誌之し爾云
昭和十二年十二月十日 海軍主計少将正五位勲三等 金谷隆一
海軍炭鉱創業記念史碑
海軍技師 萩尾善次郎像
第三坑 遺構（坑道入口の枠）
海軍採炭所 公務殉職者鎮魂碑
事故の記録
昭和１３年６月８日 午前９時５０分、
海軍新原採炭所の第七坑の坑内でガス爆発事故が発生、
一瞬のうちに５２名の命が失われた。
国旗掲揚塔
田富地区
福岡県糟屋郡志免町
第六坑への道標
志免鉱業所跡
福岡県糟屋郡志免町
竪坑櫓
竪坑櫓
竪坑櫓
竪坑櫓
第五坑 西側坑口跡
第八坑 連卸坑口跡
第八坑 連卸坑口跡
第八坑 本卸坑口跡 採掘された石炭
志免鉄道記念公園
福岡県糟屋郡志免町
筑前参宮鉄道（後に西日本鉄道、日本国有鉄道勝田線） 志免駅
志免町メインパーク
福岡県糟屋郡志免町
９６００系 蒸気機関車 ２９６１２
更新日：2011/07/20