「鬼女の栖」の命名は、三橋鷹女さんの俳句
この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉
にイメージをいただきました。
秋の夕焼の中に、紅葉が燃えたっています。わたしという鬼は、心に激しい情念をもっている・・・この紅葉に登れば、紅葉と夕焼に助けられて、もう、私自身も燃えきることができるかも知れない。いや、そうしよう。そして、この情念を燃え立たせ、次の行動に移るのだ、というような想いでしょうか。
女たちはそうした情熱や激情や怨や恋情をもっているのでしょう。このような気持ちを持ち寄りたいと思って、店の名前としたのです。
これから、鬼女のでてくる短歌などをご紹介して行きますが、今月は次の短歌を。
紅き服ぬぎて吊る夜半を離れて
裸形の鬼はいづくさすらふ
富小路禎子