月刊LaLaインデックス2003
MONTHLY LaLa INDEX 2003

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 白泉社月刊LaLaのインデックスデータ。その2003年版。独断と偏見に満ちた星取表(5点満点)と短評付き。


月刊LaLa 2003年12月号
表紙葉鳥ビスコ「桜蘭高校ホスト部」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「デーモン聖典」樹なつみ第9回 ★★★
「美女が野獣」マツモトトモ第16回 ★★★
「桜蘭高校ホスト部」葉鳥ビスコ第8回(第11話)★★★
「おまけの小林クン」森生まさみ第66回第66話★★★
「オガッツ!」平井摩利第4回 ★★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美第3部・第76回ACT85★カデンツァ★★★
「心にボ部」江咲桃恵ギャグ 
「めるぷり」樋野まつり第14回第14話★★★
「目隠しの国」筑波さくら第30回第37話★★★
「輝夜姫」清水玲子第105回 ★★★★
「ビーナスは片想い」なかじ有紀第54回vol.54★★★
「遥かなる時空の中で」水野十子第2部・第30回四神の章第3話★★★
「金色のコルダ」呉由姫第3回第3楽章★★★
「楽園ルウト」槻宮杏読切 ★★★
「オコジョさん」宇野亜由美ギャグその90★★
 引き続き、内容的には全体に低め安定という感じ……と、いっているうちにもう12月号だよ(笑)。次回更新ではもう新しいファイルを作らないといけないのか(笑)。最近、時間が経つのが早いなあ(笑)。
 引き続き『輝夜姫』が気を吐いている他、今月は平井摩利「オガッツ!」がとても笑えたので珍しく★★★★(笑)。
 トピックとしては、槻宮杏「楽園ルウト」がLaLaDXから初の本誌登場。この人もデビュー当時から見ているとずいぶん努力の人なのがわかるので、その努力は買うけど、個人的には絵柄、ストーリーとも思い入れはなし(笑)。すんません(笑)。
 とはいえ、現状の、ストーリーよりキャラクター重視のシリーズ作品がメインのラインナップって、考えてみると一昔前ならLaLaというより花とゆめの雑誌カラーなんじゃないかと、ちょっと思った。と、思って見直してみると、日常に根差したリアリティとかテーマ性のあるマンガ(代表:成田美名子)とか、スタイル的にラディカルなマンガ(代表:玖保キリコ)とか、一昔前にはジャンル白泉社(笑)と呼ばれていたようなマンガ(代表:桑田乃梨子)は、本誌連載の中ではほとんどないのか。点が辛くなるわけだなあ(笑)。(2003/11/09)
 


月刊LaLa 2003年11月号
表紙樋野まつり「めるぷり」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「桜蘭高校ホスト部」葉鳥ビスコ第7回(第10話)★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美第3部・第75回ACT84★ラ・ヴィ・アン・ローズ★★★
「ミモザでサラダ」森生まさみ読切2nd.dish★★★
「心にボ部」江咲桃恵ギャグ 
「金色のコルダ」呉由姫第2回第2楽章★★★
「遥かなる時空の中で」水野十子第2部・第29回四神の章第2話★★★
「ご主人さまとアタシ」橘裕読切 ★★★
「ビーナスは片想い」なかじ有紀第53回vol.53★★★
「オコジョさん」宇野亜由美ギャグその89★★
「めるぷり」樋野まつり第13回第13話★★★
「美女が野獣」マツモトトモ第15回 ★★★
「螺旋階段とミルフィーユ」川瀬夏菜読切 ★★★
「輝夜姫」清水玲子第104回 ★★★★
「おまけの小林クン」森生まさみ第65回第65話★★★
「めぐる架空亭」草川為第3回 ★★★
 引き続き、内容的には全体に低め安定という感じ。
 そんな中では引き続き『輝夜姫』が気を吐いている。もうどんどん連載開始からのキャラクターを殺しまくっているなあ(笑)。
 あとは、「桜蘭高校ホスト部」に、ホスト部の敵役(?)として、女子校の男装の麗人集団(笑)、略称「ヅカ部」(笑)というのが登場していたので、つい、笑ってしまったくらい(笑)?(2003/10/19)


月刊LaLa 2003年10月号
表紙津田雅美「彼氏彼女の事情」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「彼氏彼女の事情」津田雅美第3部・第74回ACT83★A BOY AND A MAN★★★★
「美女が野獣」マツモトトモ第14回 ★★★
「めぐる架空亭」草川為第2回 ★★★
「金色のコルダ」呉由姫第1回 ★★★
「桜蘭高校ホスト部」葉鳥ビスコ はみだし劇場★★
「デーモン聖典」樹なつみ第8回 ★★★
「お兄ちゃんと一緒」時計野はり読切 ★★★
「遥かなる時空の中で」水野十子第2部・第28回 ★★★
「オガッツ!」平井摩利第3回 ★★★
「おまけの小林クン」森生まさみ第64回第64話★★★
「ビーナスは片想い」なかじ有紀第52回vol.52★★★
「輝夜姫」清水玲子第103回 ★★★★
「オコジョさん」宇野亜由美ギャグその88★★
「天然パールピンク」田中メカ第15回step:15★★★
「心にボ部」江咲桃恵ギャグ 
 引き続き、内容的には全体に低め安定という感じ。
 そんな中では引き続き『輝夜姫』が気を吐いている。ここのところの、ドナーの仲間が次々と犠牲になっていく、という展開は、やはりまとめに入っている、ということか。あと、「誰にもその存在を認められない」ということの悲劇性が最近のサブテーマになっているかも(この前のまゆも、今回の聡のエピソードもそうだし)。
 新連載の呉由姫『金色のコルダ』は、水野十子『遥かなる時空の中で』に続くコーエイとLaLaのコラボレーション第2弾であるらしい(笑)。つまりは、そういうゲーム(笑)がまたひとつ世に出たことになるのだが……(笑)。呉由姫という人自体は、これまでの短編作品は水野十子のデビュー当時の作品ほどのオリジナリティがあったわけではないので、これによってオリジナルの短編が読めなくなること自体はそんなに残念でもない。それよりは、今回の第1話を読んだ感じでは、むしろゲームという形で「原作」が与えられたことで、本人のオリジナルだけでは出ていなかった味があるようなので、これはこれで興味深いかも。(2003/09/26)


月刊LaLa 2003年9月号
表紙水野十子「遥かなる時空の中で」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「おまけの小林クン」森生まさみ第63回第63話★★★
「めぐる架空亭」草川為第1回 ★★★
「オコジョさん」宇野亜由美ギャグその87★★
「桜蘭高校ホスト部」葉鳥ビスコ第6回(第9話)★★★
「オガッツ!」平井摩利第2回 ★★★
「美女が野獣」マツモトトモ第13回 ★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美第3部・第73回ACT82★テンペスト★★★
「デーモン聖典」樹なつみ第7回 ★★★
「遥かなる時空の中で」水野十子第2部・第27回偽りの章第10話★★★
「ビーナスは片想い」なかじ有紀第51回 ★★★
「心にボ部」江咲桃恵ギャグ 
「天然パールピンク」田中メカ第14回step:14★★★
「輝夜姫」清水玲子第102回 ★★★★
「目隠しの国」筑波さくら第29回第36話★★★
「ご主人さまとアタシ」橘裕読切 ★★★
 引き続き、内容的には全体に低め安定という感じ。
 そんな中では引き続き『輝夜姫』が気を吐いている。他はまあ、可もなし不可もなし。
 新連載の草川為『めぐる架空亭』は、死んだ作家の遺作の小説が魂を持ってその小悦を読んだ人間に次々ととりついている、という設定。一風変わった設定の幻想マンガの描き手、としての地位はほぼ安定か? とはいえ、同時期にLaLaDXの方でも新シリーズ『十二秘色のパレット』をスタートさせていて、このペースで質が保てるのか、という点はちょっと気になるかも。この人の場合、個人的にはどちらかというと、長編連載よりは練りに練った設定と構成の短編を読みたいんだけど……。(2003/08/03)


月刊LaLa 2003年8月号
表紙筑波さくら「目隠しの国」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「ビーナスは片想い」なかじ有紀第50回 ★★★
「美女が野獣」マツモトトモ第12回 ★★★
「心にボ部」江咲桃恵ギャグ 
「桜蘭高校ホスト部」葉鳥ビスコ第5回(第8話)★★★
「オガッツ!」平井摩利第1回 ★★★
「デーモン聖典」樹なつみ第6回 ★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美第3部・第72回ACT81★コンサート★★★
「おまけの小林クン」森生まさみ第62回第62話★★★
「輝夜姫」清水玲子第101回 ★★★★
「めるぷり」樋野まつり第12回第12話★★★
「遥かなる時空の中で」水野十子読切スペシャルショート★★★
「目隠しの国」筑波さくら第28回第35話★★★
「オコジョさん」宇野亜由美ギャグその86★★
「天然パールピンク」田中メカ第13回step:13★★★
「体温のかけら」緑川ゆき読切 ★★★
 引き続き、内容的には全体に低め安定という感じ。
 そんな中では前回に引き続き『輝夜姫』が気を吐いている。他はまあ、可もなし不可もなし。
 ここのところ割とコンスタントに本誌登場の緑川ゆき「体温のかけら」は、今では緑川ゆきの定番となりつつあるちょっと切ない学園恋愛もの。この路線では、コミックス『アツイヒビ』収録の連作(「アツイヒビ」「花の跡」「寒い日も。」)がたこいイチ押しなのであるが、今回は水準作といったところ。人物の表情や風景から感じられる切ない感じはいいんだけど、ストーリーの掘り下げがちょっと足りなかったかな。まあ、一度評価が上がるとこちらの期待度が高くなってしまう分、評価も多少辛くなっているきらいもあるんだけど(笑)。(2003/07/27)


月刊LaLa 2003年7月号
表紙葉鳥ビスコ「桜蘭高校ホスト部」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「桜蘭高校ホスト部」葉鳥ビスコ第4回(第7話)★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美第3部・第71回ACT80★ピアニスト★★★
「おまけの小林クン」森生まさみ第61回第61話★★★★
「デーモン聖典」樹なつみ第5回 ★★★
「目隠しの国」筑波さくら第27回第34話★★★
「オコジョさん」宇野亜由美ギャグその85★★
「輝夜姫」清水玲子第100回 ★★★★★
「ビーナスは片想い」なかじ有紀第49回 ★★★
「遥かなる時空の中で」水野十子第2部・第26回偽りの章第9話★★★
「めるぷり」樋野まつり第11回第11話★★★
「天然パールピンク」田中メカ第12回step:12★★★
「お兄ちゃんと一緒」時計野はり読切 ★★★
「心にボ部」江咲桃恵ギャグ 
 引き続き、内容的には全体に低め安定という感じ。
 そんな中では連載100回記念大増100Pの『輝夜姫』が連載第1回から登場しているメインキャラクターを惜しげなく殺す(というか、正確には植物人間になったのだが)酷薄な展開で★★★★★。こういう、作者が自分の創造したキャラクターを冷酷に扱うあたりにしびれるというのは、自己分析するならば、我々の世代が初期の永井豪作品の薫陶を受けているためかも(笑)。
 本誌初登場の時計野はり「お兄ちゃんと一緒」は、これの前に増刊「ザLaLaメロディ」に掲載された短編の続編。祖母に先立たれて天涯孤独の身……と思っていた少女の前に、義父(母親の再婚相手)の連れ子の兄4人が保護者として現れる、という設定だが、まあ、かあいらしい絵柄とたまに予想外の方向にキレるストーリーがマル。(2003/07/13)


月刊LaLa 2003年6月号
表紙田中メカ「天然パールピンク」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「美女が野獣」マツモトトモ第11回 ★★★
「心にボ部」江咲桃恵ギャグ 
「桜蘭高校ホスト部」葉鳥ビスコ第3回(第6話)★★★
「デーモン聖典」樹なつみ第4回 ★★★
「チュウチュウ1年3組」カネチクヂュンコギャグ 
「目隠しの国」筑波さくら第26回第33話★★★
「オコジョさん」宇野亜由美ギャグその84★★
「おまけの小林クン」森生まさみ第60回第60話★★★
「天然パールピンク」田中メカ第11回step:11★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美第3部・第70回ACT79★プレリュード★★★
「遥かなる時空の中で」水野十子第2部・第25回偽りの章第8話★★★
「ビーナスは片想い」なかじ有紀第48回 ★★★
「We areジャパニーズ」柏屋キクゾーギャグ 
「オガッツ!」平井摩利読切 ★★★
「めるぷり」樋野まつり第10回第10話★★★
「ガートルードのレシピ」草川為最終回(最終話)★★★
「蔓草オペラ」三上チト読切 ★★
 引き続き、内容的には全体に低め安定という感じ。
 3ケ月ほどインデックス作成をさぼっていて、久しぶりにちょっと距離を置いた感じで読み返してみると、マンガ家の世代交代が進んで「キャラ萌え系」のマンガの比率が非常に高くなっていることを再認識。昔からいるマンガ家でも、もともとその傾向が強い人が生き残っている、という感じ(笑)? この号に広告が載っていたが、水野十子に続いて、呉由姫のキャラクターデザインによる同系統のゲーム(笑)が企画進行中とのことで、メディアミックス戦略も含めて、時代に合わせてうまく雑誌のカラーを変えていくことに成功している……と、いっていいんだろうなあ。ただ、こういう雑誌カラーになると、確かに成田美名子あたりの居場所はないわな(笑)。
 「キャラ萌え系」と割り切って読むなら、逆にその方向性としては、非常に完成度は高いと思うし、毎月読んでいるとけっこう楽しんで読んでいる自分もいるんだけど、コミックスで買って手元に置きたくなる作品はこのラインナップの中では稀ではあるな(笑)。(2003/06/30)


月刊LaLa 2003年5月号
表紙森生まさみ「おまけの小林クン」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「「美女が野獣」ドキドキCD-PACKアフレコレポート」マツモトトモ  
「遥かなる時空の中で」水野十子第2部・第24回偽りの章第7話★★★
「桜蘭高校ホスト部」葉鳥ビスコ第2回(第5話)★★★
「美女が野獣」マツモトトモ第10回 ★★★
「ミモザでサラダ」森生まさみ読切 ★★★
「心にボ部」江咲桃恵ギャグ 
「デーモン聖典」樹なつみ第3回 ★★★
「オコジョさん」宇野亜由美ギャグその83★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美第3部・第69回ACT78★闇を切って飛ぶ鳥★★★
「チュウチュウ1年3組」カネチクヂュンコギャグ 
「ビーナスは片想い」なかじ有紀第47回 ★★★
「天然パールピンク」田中メカ第10回step:10★★★
「ついでの大林クン」森生まさみ読切「おまけの小林クン」特別編★★★
「輝夜姫」清水玲子第99回 ★★★★
「坂本係」渡辺祥智第3回第3話「50歩100歩も1歩から」★★★
「We areジャパニーズ」柏屋キクゾーギャグ 
「めるぷり」樋野まつり第9回第9話★★★
「ガートルードのレシピ」草川為第4回(第17話)★★★
 引き続き、内容的には全体に低め安定という感じ。
 樹なつみ「デーモン聖典」は……過去の作品の中でも一番コメディ寄りの作品なのかも(笑)。水野十子「遥かなる時空の中で」本編はやっぱり今ひとつ(笑)。
 個人的には一番楽しみにしていた渡辺祥智「坂本係」は、なんと最終回(?)。いや、いくらでも続きそうな話だし(笑)、続編はありそうだが(笑)、3回連載とは思ってなかったのでちょっと肩透かしを食わされた感じ(笑)。あとは、樋野まつり「めるぷり」が、意外と悪くないかも。(2003/03/26)


月刊LaLa 2003年4月号
表紙葉鳥ビスコ「桜蘭高校ホスト部」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「「めるぷり」ぷりぷりCD-PACKアフレコレポート」樋野まつり  
「桜蘭高校ホスト部」葉鳥ビスコ第1回 ★★★
「チュウチュウ1年3組」カネチクヂュンコギャグ 
「デーモン聖典」樹なつみ第2回 ★★★
「オコジョさん」宇野亜由美ギャグその82★★
「美女が野獣」マツモトトモ第9回 ★★★
「坂本係」渡辺祥智第2回第2話「3歩下がって2歩下がる」★★★
「心にボ部」江咲桃恵ギャグ 
「ビーナスは片想い」なかじ有紀第46回 ★★★
「We areジャパニーズ」柏屋キクゾーギャグ 
「めるぷり」樋野まつり第8回 ★★★
「おまけの小林クン」森生まさみ第59回第59話★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美第3部・第68回ACT77★MOTHER★★★
「遥かなる時空の中で」水野十子読切特別編★★★
「輝夜姫」清水玲子第98回 ★★★★
「花唄流るる」緑川ゆき読切 ★★★★
「オガッツ!」平井摩利最終回 ★★★
「僕らをつないで。」あきづき空太読切 ★★★
 引き続き、内容的には全体に低め安定という感じ。
 樹なつみ「デーモン聖典」は、ちょっと基本的な設定の説明が不足している印象……というか、設定の説明が「絵」としてじゃなくて、「台詞」でなされてしまっているのが、中途半端な印象を与えてしまっているかも。それに対して、キャラクターの性格の軽さが目立ってしまっている、かな。
 水野十子「遥かなる時空の中で」特別編は、コメディ編でなかなか悪くなかった。とはいえ、本編のストーリーの方はここのところ今ひとつかも(笑)。
 本誌初登場のあきづき空太はLaLaDXの1月号で投稿作掲載からの異例のスピード掲載。確かに、ややオリジナリティには欠けるものの、安定した画力、演出力は評価できる。まあ、ネタ的にも、投稿作がアンドロイドの自我、今回が地上に降りてきた幽霊ということで、こちらもややオリジナリティには欠けるんだけど、かあいらしい絵柄と相まって、かあいらしく読ませることには成功している、と思う。(2003/02/27)


月刊LaLa 2003年3月号
表紙渡辺祥智「坂本係」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「デーモン聖典」樹なつみ第1回 ★★★
「チュウチュウ1年3組」カネチクヂュンコギャグ 
「美女が野獣」マツモトトモ第8回 ★★★
「坂本係」渡辺祥智第1回 ★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美第3部・第67回ACT76★光の道★★★
「おまけの小林クン」森生まさみ第58回第58話★★★
「オガッツ!」平井摩利第2回 ★★★
「遥かなる時空の中で」水野十子第2部・第23回偽りの章第6話★★★
「輝夜姫」清水玲子第97回 ★★★★
「We areジャパニーズ」柏屋キクゾーギャグ 
「彼方から」ひかわきょうこ読切エピローグ★★★
「天然パールピンク」田中メカ第9回step:9★★★
「目隠しの国」筑波さくら第25回第32話★★★
「オコジョさん」宇野亜由美ギャグその81★★
「ガートルードのレシピ」草川為第3回(第16話)★★★
「チョコレート☆クラッシュ」萩尾彬読切 ★★
 引き続き、内容的には全体に低め安定という感じ。
 樹なつみの新連載「デーモン聖典」は、人間が若返って消えてしまう奇病(?)というアイデアが『ハイペリオン』の「学者の物語」を思わせるが、まあ、つかみはそこそこOKという感じ。「獣王星」のような惨憺たること(笑)にならないことを祈ろう。
 「funfun工房」でちょっと化けたかな、と思っている渡辺祥智の新連載「坂本係」は、幼なじみの美少女に失恋して全寮制の男子校に入学した少年の同室のパートナーが、破壊的に常軌を逸した性格の持ち主(笑)なんだけど、容貌だけは幼なじみの美少女と瓜二つ(笑)……という話(笑)。その美少女の容貌がほとんど「綾波」(笑)なのは、まあ、サンプリング世代のマンガ家なのでまあ勘弁してあげよう(笑)。こちらは文句なくつかみOK、かな。
 ひかわきょうこ「彼方から」エピローグは、ハッピーエンドの後日談で、まあ、あってもなくてもいいような話(笑)。すっかりいい男になってしまったバラゴがいい味だしていたけど。「彼方から」は、わりと全編通してバラゴに代表されるハンサムの対極にあるようなキャラクターがいい味だしてたなあ。
 連載陣は、まあ、そのマンガ家の個性とか、キャラクターの持ち味は十分に生きていると思うんだけど、「これ」というポイントがあまりない感じ。(2003/02/02)


月刊LaLa 2003年2月号
表紙マツモトトモ「美女が野獣」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「輝夜姫」清水玲子第96回 ★★★★
「オコジョさん」宇野亜由美ギャグその80★★
「美女が野獣」マツモトトモ第7回 ★★★
「桜蘭高校ホスト部」葉鳥ビスコ読切 ★★★
「チュウチュウ1年3組」カネチクヂュンコギャグ 
「ビーナスは片想い」なかじ有紀第45回 ★★★
「オガッツ!」平井摩利第1回 ★★★
「目隠しの国」筑波さくら第24回第31話★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美第3部・第66回ACT75★回帰★★★
「おまけの小林クン」森生まさみ第57回 ★★★
「遥かなる時空の中で」水野十子第2部・第22回偽りの章第5話★★★
「めるぷり」樋野まつり第7回 ★★★
「天然パールピンク」田中メカ第8回step:8★★★
「ガートルードのレシピ」草川為第2回(第15話)★★★
「We areジャパニーズ」柏屋キクゾーギャグ 
 引き続き、内容的には全体に低め安定という感じ。
 清水玲子「輝夜姫」がいきなり伏線の収拾を始めた雰囲気だが、連載開始当初はそういう予定じゃなかった、というのがよくわかる後付けの設定、という感じでやや興醒め的、かな。つっても、「輝夜姫」の現在の設定のほとんどは明らかに(作者本人もインタビューとかでいっているように)後付けなんだけど(笑)、今回新たに発覚した設定は、物語を「発散」させる、というよりは「収束」させよう、という方向性のものだったのが興醒め的に感じる一因かと(笑)。
 あと、にざかな亡き後、ギャグ陣の衰退は目を覆わんばかり。宇野亜由美はまあ安定して読めるとしても、新人は「ちょっとコメントは控えたい」としかいいようがない(笑)。(2002/12/25)


月刊LaLa 2003年1月号
表紙津田雅美「彼氏彼女の事情」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「美女が野獣」マツモトトモ第6回 ★★★
「おまけの小林クン」森生まさみ第56回 ★★★
「めるぷり」樋野まつり第6回 ★★★
「獣王星」樹なつみvol.14(最終回)★★
「チュウチュウ1年3組」カネチクヂュンコギャグ 
「ガートルードのレシピ」草川為第1回(第14話)★★★
「天然パールピンク」田中メカ第7回step:7★★★
「遥かなる時空の中で」水野十子第2部・第21回偽りの章第4話★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美第3部・第65回ACT74★夢の日々★★★
「ひび、深く」緑川ゆき読切 ★★★★
「オコジョさん」宇野亜由美ギャグその79★★
「ビーナスは片想い」なかじ有紀第44回 ★★★
「目隠しの国」筑波さくら第23回第30話★★★
「星降るおくりもの」川瀬夏菜読切 ★★★
「We areジャパニーズ」柏屋キクゾーギャグ 
 引き続き、内容的には全体に低め安定という感じ。
 樹なつみ「獣王星」は、先月の感想に付け加えることはないかと思ったら、死んだヒロインが主人公を助けるために幽霊(?)になって現れる、という展開でさらにマイナス。「朱鷺色三角」「八雲立つ」あたりの世界観でならこれをやっても許容範囲だと思うんだけど、「OZ」「獣王星」の世界観でこれは、ちょっとどうかと思う。
 あと、「OZ」もそうだったんだけど、樹なつみがSFを意識した作品を書くと、ストーリーの型にキャラクターがはめられてしまって、非SFの作品と比べるとキャラクターが立たないのと、ベースになるストーリーがSFとしては平凡なので、樹なつみ本来の持ち味(破天荒なキャラクターがストーリーの型を破ってがんがん突き進むようなドライブ感)が出ない印象があるんだけど……。次回作にはSF的な設定のない物語を期待したい、かな。
 最近御贔屓の緑川ゆき「ひび、深く」は、予告の段階ではLaLaDX2002年3月号掲載の「寒い日も。」の続編、というニュアンスの紹介だったのだが、「予告と違う内容ですみません」という作者のコメント付で、全く別の独立した短編。仲のよい兄妹が両親の離婚で幼い頃に離ればなれになって、ずっと文通していたのだが、二人とも高校生になったある日、両親が復縁することになり、ふたたびいっしょに暮らせるようになるのだが、お互いに寄せ合う想いが自然に「恋愛」へと変化しつつあることに気がついてしまい……、というちょっと切ない物語。成長期に顔を合わせていなかった兄妹がお互いを異性として意識してしまう、という設定は少女マンガに限らず(笑)使い古された感はあるが、そういう古い袋(設定)にいかに新しい酒(演出)を入れられるかがマンガ家の腕の見せ所だとするなら、これなんかはそのお手本のような短編ではないかと思う。(2002/12/08)


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