月刊LaLaインデックス1986
MONTHLY LaLa INDEX 1986

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 白泉社月刊LaLaのインデックスデータ。その1986年版。独断と偏見に満ちた星取表(5点満点)と短評付き。


月刊LaLa 1986年12月号
表紙わかつきめぐみ「So What?」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「CIPHER」成田美名子第22回Scene6.EAST END BOYS AND WEST END GIRL★★★★
「小山荘のきらわれ者」なかじ有紀第18回 ★★★
「竜の眠る星」清水玲子第4回 ★★★
「ダイヤモンド・ガイ」かわみなみ前編シャンペン・シャワー スペシャル・アンコール・前半戦★★★★
「So What?」わかつきめぐみ第5回Phase5 台風一過★★★
「さよならスプートニク」岡野史佳読切 ★★★
「朱鷺色三角(トライアングル)」樹なつみ第15回第10話 螢子Part4★★★★
「ルイ君に乾杯!」原なおこ第12話第12話 男の子にはわかるまい★★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第7回 ★★★
「探偵日記」くぼた尚子第5話第5話 神様の贈りもの★★★★
「君からの笑顔(プレゼント)」ふみづき綾人読切 ★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第52回 ★★★
 かわみなみ「ダイヤモンド・ガイ」は「シャンペンシャワー」の名ライバル、マルロがチームメイトのアンドレと出会った頃を描く番外編。
 「朱鷺色三角(トライアングル)」はここまでの展開が一気に収束する事実上の最終回。主人公の成長物語がメインとなる続編「パッション・パレード」と比べると、古い名家の血の妄執がメインテーマだったといえる。とはいえ、それぞれに個性豊かな「三角」の3人をかわるがわる主人公にすえたオムニバス的な連載は、キャラクターが立ちまくっている樹なつみの個性を発揮するには実に好適だったと思う。
 新人5人競作の「THE NEW FIVE」は今号はふみづき綾人「君からの笑顔(プレゼント)」。ふみづき綾人もこのあと白泉社以外で何冊かコミックスを出していたはずである。まあ、この頃から発掘した新人の流出が活発だったんだねえ(笑)。やまじえびねも最近になって白泉社以外からコミックスが出るようになっているし。とはいえ、一時期はLaLaを支える筆頭格だった岡野史佳すらエニックスに活躍舞台を移した今(2003年現在)からすると、この「THE NEW FIVE」のラインナップは興味深いというか感慨深いというか……(笑)。
 そういえば、その岡野史佳は「THE NEW FIVE」の第1弾に続いて、この号でも短編を発表している。増刊のCINDYの方にも同時期に傑作「トイズ・ヒル物語」を発表していることを考えると、新人としてはLaLaの歴史の中でもけっこうずば抜けた活躍ぶりだったと思う。(2003/01/13)


月刊LaLa 1986年11月号
表紙なかじ有紀「小山荘のきらわれ者」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「So What?」わかつきめぐみ第4回Phase4 忙中有閑★★★
「CIPHER」成田美名子第21回Scene5.THE SLEEPING BEAUTY IN A HUNDRED YEAR★★★★
「小山荘のきらわれ者」なかじ有紀第17回 ★★★
「ライオンは起きている」星崎真紀最終回Chap.4 Boys in the U.S.A.★★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第6回 ★★★
「秋桜畑の真ん中で」橋本恩読切 
「竜の眠る星」清水玲子第3回 ★★★
「101kgワンちゃん!!」木村晃子読切 ★★★
「怪子さんが通る」堀内怪子 哀愁の追分まんじゅう★★
「瞳の真実・2」安孫子三和読切 ★★★★
「朱鷺色三角(トライアングル)」樹なつみ第14回第10話 螢子Part3★★★★
「或る夜の出来事」若山信読切 
「セーラー服症候群(シンドローム)」米沢りか読切 ★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第51回 ★★★
 星崎真紀「ライオンは起きている」が最終回。アメリカのTVドラマ業界の世界を舞台にした作品だったが、着眼点としてはオリジナリティあり、ストーリーや設定、ガジェットもそれなりによく取材、構成されていたと思う。前作が日本を舞台にした比較的普通の少女マンガだったことを考えると、同じマンガ家の作品としてはけっこうチャレンジングだったと思う。
 米沢りか「セーラー服症候群(シンドローム)」は、女子高に赴任した新人男性教師が女子高生にいいように弄ばれる、というコメディ。後のエッセイコミック「しゃべくり大王」のノリにも通じる、米沢りかの持ち味のひとつがよく出ていたと思う。
 新人5人競作の「THE NEW FIVE」は今号は橋本恩「秋桜畑の真ん中で」。残念ながら、コメントはなし。(2003/01/13)


月刊LaLa 1986年10月号
表紙成田美名子「CIPHER」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第50回 ★★★
「CIPHER」成田美名子第20回Scene5.THE SLEEPING BEAUTY IN A HUNDRED YEAR★★★★
「竜の眠る星」清水玲子第2回 ★★★
「朱鷺色三角(トライアングル)」樹なつみ第13回第10話 螢子Part2★★★★
「マラソン少女の純情」藤臣柊子読切 ★★
「So What?」わかつきめぐみ第3回Phase3 偽赤翡翠★★★
「形而上のマリア」遠野一生読切 ★★
「KEY-ガール」アベ浩子読切 ★★★
「小山荘のきらわれ者」なかじ有紀第16回 ★★★
「ルイ君に乾杯!」原なおこ第11話第11話 男の子の台所★★★
「ライオンは起きている」星崎真紀第20回Chap.4 Boys in the U.S.A.★★★
「水玉模様の夏」望月玲子読切 ★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第5回 ★★★
 「シニカル・ヒステリ−・アワ−」が50回記念で巻頭カラー。
 LaLa初登場の藤臣柊子「マラソン少女の純情」は、単純に趣味ではないなあ。絵柄も趣味じゃないんだけど、感情移入できるようなキャラクターが一人もいなかった。
 アベ浩子「KEY-ガール」は残念ながら前の「制服の少女」のような秀作ではなかった。アマチュア映画の監督をしている少年が、街でスカウトしてきた主演の女の子から一途に想いを寄せられて困惑するが……。というわりと地味な話。大体、アベ浩子の作品というのは、ストーリーは目のつけ所がいいことが多いんだけど、「絵」として今ひとつ強烈に読者をひくところがない、という感じかな。
 新人5人競作の「THE NEW FIVE」は今号は遠野一生「形而上のマリア」。これは、タイムトラベルものだが、SFファンが読むとアイデアがありきたりすぎてそれだけでマイナス評価。とはいえ、絵柄的には独特の味があって悪くなかったんだけど。因みに、遠野一生は後に白泉社以外から何冊かコミックスを出していたが、その時の表題作はこの「形而上のマリア」だったな。
 全体としては、この時期にしては低調な号だけど、上記のようなことをつらつらと考えると、マンガ家の必要条件とは何か、みたいなことを考察するにはいいサンプルとなる号かも(笑)。(2003/01/13)


月刊LaLa 1986年9月号
表紙成田美名子「CIPHER」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「竜の眠る星」清水玲子第1回 ★★★
「時間をとめて待っていて」ひかわきょうこ第11回 ★★★★
「なみのワールド杯メキシコ旅行記」かわみなみ  ★★★
「朱鷺色三角(トライアングル)」樹なつみ第12回第10話 螢子Part1★★★★
「小山荘のきらわれ者」なかじ有紀第15回 ★★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第4回 ★★★
「CIPHER」成田美名子第19回Scene5.THE SLEEPING BEAUTY IN A HUNDRED YEAR★★★★
「So What?」わかつきめぐみ第2回Phase2 居候来襲★★★
「シャンペン・シャワー」かわみなみ最終回 ★★★★
「最後の恋人」やまじえびね読切 ★★★★
「behind」竹宮惠子後編姫クンスペシャル★★★★
「ライオンは起きている」星崎真紀第19回Chap.4 Boys in the U.S.A.★★★
「ガラス壜の中の真珠」秋本尚美読切 ★★★
「怪子さんが通る」堀内怪子ギャグ考古學ノススメ★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第49回 ★★★★
 清水玲子「竜の眠る星」が連載開始。今でこそ(2003年現在)長々編連載をメインとする、ラディカルな作風のマンガ家、となってはいるが、この時期は古臭いSFを描くどちらかといえば短編型のマンガ家、という認識で、SF的設定の上での古さや不整合性が気になって、評価はそんなに高くなかったのであった(笑)。
 ひかわきょうこ「時間をとめて待っていて」は、実は作者急病につき今回で中断。まあ、それが明らかになるのは次号での告知によるのだが、これが思いの外長い休載となることはこのときは誰も予想しなかったのであった。
 かわみなみ「シャンペンシャワー」が最終回。基本的にはコメディでありながら、サッカーにかける男たちの信念や友情を気恥ずかしいくらいに赤裸々に歌い上げた傑作。かわみなみという人も、絵柄、作風とも強烈なオリジナリティを感じさせる、ワンアンドオンリーの人ではないかと思う。因みに、同時掲載の「なみのワールド杯メキシコ旅行記」は作者本人のサッカーへの思い入れがたっぷり感じられて、こちらもマル。というか、この時代にメキシコまでW杯を観戦にいった、という事実だけでも今から考えるとちょっとすごい。そういう意味では、「シャンペンシャワー」は早すぎたマンガではあったかも。
 新人5人競作の「THE NEW FIVE」は今号はやまじえびね「最後の恋人」。死んでしまった恋人との思い出から逃避して新しいGFと交際している主人公の前に不思議な少女が現れる。少女との逢瀬から逃避していた記憶の世界に徐々に引き戻されていく主人公が、最後に迫られた究極の選択とは……。ややサイコホラー的な掌品。個人的には評価高いけど、前号の岡野史佳が少女マンガ的にはど真ん中直球勝負、という感じだったのに比べると、やまじえびねはやっぱり極めつけの変化球か(笑)?(2003/01/13)


月刊LaLa 1986年8月号
表紙ひかわきょうこ 
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「So What?」わかつきめぐみ第1回(Phase1 阿梨、帰還)★★★
「朱鷺色三角(トライアングル)」樹なつみ第11回第9話 BEGINNING-発端-★★★
「CIPHER」成田美名子第18回Scene5.THE SLEEPING BEAUTY IN A HUNDRED YEAR★★★★
「海育ちの風」岡野史佳読切 ★★★★
「シャンペン・シャワー」かわみなみ第35回 ★★★★
「behind」竹宮惠子前編姫クンスペシャル★★★
「小山荘のきらわれ者」なかじ有紀第14回 ★★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第3回 ★★★
「ライオンは起きている」星崎真紀第18回Chap.4 Boys in the U.S.A.★★★
「ルイ君に乾杯!」原なおこ第10話第10話 アブナイ夏休み★★★
「りんごのUFO・2」篠有紀子読切ふたつめの初恋★★
「あいつとおれの夏曜日」新田華丸読切第23回LMHS佳作★★
「地下生活者の惑星」若山信読切 ★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第48回 ★★★
 ということで、わかつきめぐみ「So What?」が連載開始。初の毎月連載の長編、ということになるが、わかつきめぐみ作品の中ではたこい的にはあまり評価は高くない部類。わかつきめぐみの良作は主にページ数の少ない短編にあると思う(基本的に短編型の人だと思っているので)。
 あとは、毎年夏恒例の竹宮恵子「姫クン」シリーズがまた登場していたりとか。
 岡野史佳「海育ちの風」は新人5人競作の「THE NEW FIVE」という読切競作シリーズの第1弾。画家の道に進みたいが、親には反対されて悩んでいる主人公が、自分の絵のファンだという下級生の女の子とのふれあいを通して迷いから脱していく、というある意味ステロタイプな話なのだが、ストーリーのキーとして使われる「学校の屋上から見える美しい海」などをヴィジュアルに説得力を持って演出できる的確な画力、構成力が高ポイント。(2003/01/13)


月刊LaLa 1986年7月号
表紙わかつきめぐみ「So What?」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「CIPHER」成田美名子第17回Scene5.THE SLEEPING BEAUTY IN A HUNDRED YEAR★★★★
「So What?・予告編」わかつきめぐみ  ★★
「小山荘のきらわれ者」なかじ有紀第13回 ★★★
「ライオンは起きている」星崎真紀第17回Chap.4 Boys in the U.S.A.★★★
「朱鷺色三角(トライアングル)」樹なつみ第10回第8話 じゃあね!★★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第2回 ★★★
「制服の少女」アベ浩子読切 ★★★★
「櫻の園」吉田秋生連作・櫻の園Vol.4 花嵐★★★★★
「シャンペン・シャワー」かわみなみ第34回 ★★★★
「ビター・スウィート・エイジ」岡田理知読切 ★★
「探偵日記」くぼた尚子第4話第4話 プラスワン★★★★
「日が暮れたら帰ろ」やまじえびね読切 ★★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第47回 ★★★
 わかつきめぐみ初の本誌表紙イラストがちょっと目を引く。次号から連載開始の「So What?」のメイン2人のイラストでした。内容面でも、なかなか読みごたえあり。
 まず、ついに完結の吉田秋生「櫻の園」が★★★★★。「櫻の園」は今もって吉田秋生の一番の代表作といえる作品だと思う。
 それから、デビュー以来ヒット作品などはない地味なマンガ家、アベ浩子の短編「制服の少女」が、不器用な少年少女の恋愛を淡々と描いた佳作。詳しくは「お楽しみはこれからだッ!!#13」を参照。やまじえびねも独特のアヴァンギャルドな作風が光る佳作。などなど、全体にたこい好みの作品が集まった号でした。ただ、たこい好みの作品は一般にコミックスにならない傾向が強かったりして(笑)。(2003/01/13)


月刊LaLa 1986年6月号
表紙成田美名子「CIPHER」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「時間をとめて待っていて」ひかわきょうこ第10回 ★★★★
「two-day」わかつきめぐみ読切 ★★★
「CIPHER」成田美名子第16回Scene4.BIG APPLE → ORANGE COUNTY・後編★★★★
「朱鷺色三角(トライアングル)」樹なつみ第9回第7話 憂鬱なガヴィ・後編★★★★
「家鴨たちの分際で!」星崎真紀読切 ★★★★
「小山荘のきらわれ者」なかじ有紀第12回 ★★★
「ルイ君に乾杯!」原なおこ第9話第9話 バラ2色の日々★★★
「ブライアン君の休暇」しばたひろこ第1回 ★★
「僕達のグリーン」岡野史佳読切 ★★★★
「シャンペン・シャワー」かわみなみ第33回 ★★★★
「真紅の恋」木村晃子読切 ★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第46回 ★★★
 「とーるコレクション」→「平岩コレクション」と引き継がれたコレクションを引き取って、自分で買った最初の号がこれ。いや、感慨深いですなあ(笑)。
 増刊でシリーズ連載していたしばたひろこ「ブライアン君の休暇」が本誌連載になっていたり、連作だった原なおこ「ルイ君に乾杯!」がこの号から隔月連載になっていたりとか。
 岡野史佳「僕達のグリーン」は、1985年5月号掲載の投稿作(第20回LMHS準入選)「HIGH TIME」の続編。洋ものTVドラマ(?)風の作品で、離婚してしまった父親の面影が忘れられない女の子の微妙な心情を描いた佳作。とはいえ、作品のレベルが(特に絵の面で)違いすぎる投稿作とペアになっていたせいか、なかなかコミックスには収録されていなかった(笑)。『37℃』の3巻にようやく収録されたけど、残念ながら「HIGH TIME」は収録されないままでした。(2002/08/30)


月刊LaLa 1986年5月号
表紙なかじ有紀「小山荘のきらわれ者」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「CIPHER」成田美名子第15回Scene4.BIG APPLE → ORANGE COUNTY・前編★★★★
「時間をとめて待っていて」ひかわきょうこ第9回 ★★★★
「ミルキーウェイ」清水玲子後編 ★★★
「小山荘のきらわれ者」なかじ有紀第11回 ★★★
「世界は二人のために」よしまさこ読切 ★★
「ぼくのとなり」わかつきめぐみ読切 ★★
「シャンペン・シャワー」かわみなみ第32回 ★★★★
「麻衣子状態」遠野一生読切 ★★
「瞳の真実」安孫子三和読切 ★★★
「朱鷺色三角(トライアングル)」樹なつみ第8回第7話 憂鬱なガヴィ・前編★★★★
「ゴールドディガーに乾杯!」望月玲子読切 
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第45回 ★★★
 この時期のLaLaにしては低調な部類か? ゲストのよしまさこがつまらないのが最大の難点かも(笑)。同時期にゲストで吉田秋生が載っているのでは、比べるのがかわいそうという気もしないでもないが(笑)。
 安孫子三和「瞳の真実」は猫を擬人化する、という手法では「綿の国星」的なのだが、哲学的なテーマとか、観念的な描写は一切なくて、人間と暮らす猫のキャラクターを全面に出したややライトな読後感。後の『みかん・絵日記』などもそうだが、安孫子三和の作品は「猫(もしくはペット)を飼う」ということをおおらかに全肯定する視点から描かれているのが特徴といえるか。(2002/08/30)


月刊LaLa 1986年4月号
表紙ひかわきょうこ「時間をとめて待っていて」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「小山荘のきらわれ者」なかじ有紀第10回 ★★★
「CIPHER」成田美名子第14回Scene3.BOYISH,EARLY SUMMER★★★★
「ミルキーウェイ」清水玲子前編 ★★★
「時間をとめて待っていて」ひかわきょうこ第8回 ★★★★
「シャンペン・シャワー」かわみなみ第31回 ★★★★
「ライオンは起きている」星崎真紀第16回Chap.3 Who is Hatch★★★
「朱鷺色三角(トライアングル)」樹なつみ第7回第6話 麗さまが好き!!★★★
「りんご週間5」しばたひろこ最終回ムーンドロップ町のかしこいうさぎさん60★★★
「ルイ君に乾杯!」原なおこ第8話第8話 サクラ前線異常あり★★★
「女と男」秋本尚美読切 ★★★
「質問」やまじえびね読切 ★★★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第44回 ★★★
 しばたひろこ「ムーンドロップ町のかしこいうさぎさん」シリーズも、ひっそりと終了。少女マンガ雑誌には、この手のシンプルな絵柄でメルヘン的な作品が1つくらいは載っていて欲しい、という気はする。
 今回はやまじえびね「質問」の独特のセンス、トリッキーな構成に★★★★★。ヒロインの女性ヴォーカルのキャラクターに、たぶんに戸川純のイメージが入ってる気がするインディーズの男女2人ユニット、ジラフ・オブ・チルドレンの二人の関係をめぐる、ちょっと哲学的な味わいのある佳作。この頃のやまじえびね作品、どこかで拾ってコミックス化してくれないものか?(2002/08/30)


月刊LaLa 1986年3月号
表紙なかじ有紀「小山荘のきらわれ者」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「CIPHER」成田美名子第13回Scene3.BOYISH,EARLY SUMMER★★★★
「月は東に日は西に」わかつきめぐみ最終回第11話 My Dear★★★★
「時間をとめて待っていて」ひかわきょうこ第7回 ★★★★
「りんご週間4」しばたひろこ読切ムーンドロップ町のかしこいうさぎさん59★★★
「朱鷺色三角(トライアングル)」樹なつみ第6回第5話 B・Bアマデウス★★★★
「天国への前菜(オードブル)」遠野一生読切 ★★
「シャンペン・シャワー」かわみなみ第30回 ★★★★
「小山荘のきらわれ者」なかじ有紀第9回 ★★★
「ライオンは起きている」星崎真紀第15回Chap.3 Who is Hatch★★★
「探偵日記」くぼた尚子第3話第3話 事の顛末★★★★
「雪言葉」岡野史佳読切 ★★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第43回 ★★★★
 わかつきめぐみ「月は東に日は西に」の連載が終了。なかなか感慨深い。個人的には、わかつきめぐみはSF、ファンタジー系の作品より学園物の方が好きかな。
 岡野史佳デビュー第2作は転校を控えた中学生の女の子の淡い初恋というスタンダード直球勝負の少女マンガ。ファンタジーから王道少女マンガまで、という幅の広さをこの時期から発揮している。(2002/08/30)


月刊LaLa 1986年2月号
表紙成田美名子「CIPHER」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「時間をとめて待っていて」ひかわきょうこ第6回 ★★★★
「CIPHER」成田美名子第12回Scene3.BOYISH,EARLY SUMMER★★★★
「小山荘のきらわれ者」なかじ有紀第8回 ★★★
「朱鷺色三角(トライアングル)」樹なつみ第5回第4話 MY SWEET LOVER★★★★
「月は東に日は西に」わかつきめぐみ第10話第10話 Dancing Beans★★★★
「ねのくに」大島弓子読切綿の国星★21★★★★
「シャンペン・シャワー」かわみなみ第29回 ★★★★
「ライオンは起きている」星崎真紀第14回Chap.3 Who is Hatch★★★
「櫻の園」吉田秋生読切Vol.3 花酔い★★★★★
「りんご週間3」しばたひろこ読切ムーンドロップ町のかしこいうさぎさん58★★★
「ルイ君に乾杯!」原なおこ第7話第7話 泣きたい午後★★★
「冬の終わりのインターバル」米沢りか読切第10回アテナ新人大賞優秀新人賞★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第42回 ★★★
 LaLa創成期からのある意味イメージキャラクターといっていい大島弓子『綿の国星』も、ラスト2年はおよそ年1作ペース。これが最後から2番目なんだけど、人間に捨てられた猫の悪意ある夢の力が現実世界に干渉して……という、かなりブラックな味わいのある傑作。
 吉田秋生「櫻の園」はまあ、ほとんどデフォルトで★★★★★。今読んでも全然話が古くない。
 あと、米沢りかの投稿作「冬の終わりのインターバル」は絵柄、ストーリーともきっちりとまとまった新人としては頭ひとつ抜けた良作。この短編のキャラクターが米沢りかの初期のシリーズの主人公としてこの後もしばらく活躍することになる。(2002/08/30)


月刊LaLa 1986年1月号
表紙成田美名子「CIPHER」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「CIPHER」成田美名子第11回Scene3.BOYISH,EARLY SUMMER★★★★
「小山荘のきらわれ者」なかじ有紀第7回 ★★★
「ノーベルマンションB1」坂田靖子最終回 ★★★
「ナポレオン・ソロ」清水玲子読切 ★★★★
「ライオンは起きている」星崎真紀第13回Chap.3 Who is Hatch★★★
「月は東に日は西に」わかつきめぐみ 写真館 さらさらさら★★★
「時間をとめて待っていて」ひかわきょうこ第5回 ★★★★
「シャンペン・シャワー」かわみなみ第28回 ★★★★
「朱鷺色三角(トライアングル)」樹なつみ第4回第3話 必殺!!小学1年生★★★★
「令嬢とモガ」小原須磨子読切 ★★★
「りんごのUFO」篠有紀子読切 ★★
「りんご週間2」しばたひろこ読切ムーンドロップ町のかしこいうさぎさん57★★★
「アルカディアの道」森川久美第一部最終回第9話 冬の王国★★★
「シニカル・ヒステリ−・アワ−」玖保キリコ第41回 ★★★
 なんだかんだいって★★★★が多いな。成田美名子、ひかわきょうこ、かわみなみ、樹なつみあたりがコンスタントに面白い。
 その一方で、坂田靖子、森川久美と、初期からLaLaにコンスタントに連載を持っていたベテラン陣が退場。坂田靖子はこの後本誌への連載はなし。森川久美も1988年にもう1作連載をするくらい。事実上、世代交代でほぼLaLaでデビューして、育ってきたマンガ家のみの布陣となった(厳密にいうと成田美名子は花とゆめの新人賞デビューだけど)、といっていい。そういう意味ではちょっと感慨深いかも。(2002/08/30)


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