『アニメ週刊DX! みいファぷー』のひみつ

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■『ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー』について語るためには、『アニメ週刊DX! みいファぷー』の話から始めなくてはならない。

■そもそも、『アニメ週刊DX! みいファぷー』というタイトル自体が、何も知らない人からみれば十二分に謎である(笑)。
 実は、この番組をこよなく愛するたこいのような人間の目からみても、このタイトルは実に謎(笑)なのであるが、まあ、そこはそれ(笑)。

■系列はTV朝日系、放映時間は土曜日18時半。放映期間は1998年2月14日〜1999年2月6日の1年間。
 前番組は『キューティーハニーF』、後番組は『神風怪盗ジャンヌ』、といえば、もともとは5年間続いた某国民的美少女戦士アニメ(笑)(以下、本文中では某アニメ(笑)と略(笑))の時間枠である。……と来れば、謎の美少女戦士「みいファぷー」が「アニメ週刊DX!」に変身して悪と戦う……というような内容のアニメ……って、いくらなんでもんなわきゃない(笑)。

■閑話休題(笑)。  小学館「ちゃお」連載のおのえりこの小学生日常マンガ『こっちむいて! みい子』、の「みい」と、幼年向けのよみきかせおはなし雑誌「おひさま」掲載の創作童話『ファンファンファーマシィー』(柏葉幸子・荒木慎司)、の「ファ」と、笹木竹丸のナンセンスギャグマンガ『ヘリタコぷーちゃん』の「ぷー」。
 3つあわせてその名も『みいファぷー』(!)。

■誰が考えたのか知らないが、まず、『キューティーハニーF』の後番組の企画に主人公が悪と戦わない(笑)作品を持ってくる、というのがまずすばらしい(笑)。次に、30分の中に全然毛色の異なる作品3つもをぶち込んでしまうというコンセプトがまたすばらしい(笑)。
 さらに、それらの3作品とまったく何の関係もないニャロメを初めとする赤塚不二夫のキャラクターを番組全体の進行役として配置してしまう(これは嘘ではない(笑)。本当にそうなのである(笑))というセンスがまた、もはや常人には理解できないというか何というか(笑)、とにかくすばらしい(笑)。

■しかしふたを開けてみれば、3作品それぞれにテンションは高く、傑作の嵐が吹き荒れることになる。
 それもその筈で、各作品に参加しているスタッフは某アニメ(笑)を初めとする東映作品で鍛えられたベテランぞろいで、しかも、各作品がそれぞれ別の番組であるかのような、作品ごとの独立スタッフ制ともいうべき製作体制が敷かれていたのである。

■しかも、30分枠に3作品という番組構成のため、1作品の時間が短い(10分弱)ことが幸いして、作品を支えるメイン・スタッフの構成はなかなかに贅沢なものである。
 例えば、『ヘリタコぷーちゃん』ならば、演出(短い作品なので脚本は演出に包含)は1年間の全話をシリーズディレクターである橋本光夫氏が担当、『こっちむいて! みい子』でも、脚本は山口亮太氏が全話を担当している。
 そして、『ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー』の脚本をやはり全話担当しているのは、かの『ウルトラマンティガ』において勇名をはせた小中千昭氏である。
 一つの作品を一人の脚本家が、1年に渡って担当するというのは、世界観の統一という点ではある意味理想であるが、通常の30分枠の番組構成では事実上不可能といっていいと思う。

■また、『みい子』と『ファンファンファーマシィー』のキャラデザインは下笠美穂氏と伊藤郁子氏、といえば、『キューティーハニーF』と某アニメ(笑)のキャラデザイナーである。
 伊藤郁子氏についてはこのあとに別項を設けるのでここでは割愛するが、『ハニーF』では永井豪のオリジナルデザインの雰囲気を残しつつ、現代的な美少女キャラクターとしての味つけをちゃんと施し、この『みい子』では『ハニーF』とはほとんど180℃くらい方向性の違う(笑)原作のシンプルなタッチをきちんとアレンジしてみせた下笠美穂氏の職人芸にはとりあえず拍手を送りたいところである。
 因みに1作品の時間が短いという作品特性は、原画に関しても手厚い布陣を可能としていて、例えば、『ファンファン』には伊藤郁子氏を初め、作画監督が一人で原画を担当した話がいくつかある。これもまた1話あたり10分という構成が可能にした、なかなか贅沢なスタッフ配分である。

■個々の作品の話をするにはスペースが足りないのだが、小学生の日常をちょっとデフォルメしつつリアルに描き出す『みい子』と今時珍しいナンセンスギャグ短編の『ぷーちゃん』は、それぞれ、単独の番組としては成立しえない作品かと思う。

■タイトルからするといかにも色物な『みいファぷー』は、個々の作品のクオリティも番組全体としてのバランスもしっかりした、実に良心的な番組であった。それだけに、その後番組が「主人公が悪と戦う」作品に逆戻りしてしまったことは、実に残念でならないのだが、やはり今の時代、良心だけではやっていけない……ということなのかなあ(笑)。


アニメ週刊DX! みいファぷー』製作スタッフ

製作       テレビ朝日・東映エージェンシー・東映
製作担当     目黒 宏・松坂一光
プロデューサー  上田めぐみ・矢田晃一・東伊里弥

色彩設定     佐久間ヨシ子
編集       西山 茂
録音       立花康夫
音響効果     今野康之
選曲       水野さやか
記録       梶本みのり
演出助手     まつもとただお・溝渕康人
製作進行     馬場厚成
美術進行     御園 博
キャスティング  有迫俊彦
プロデューサー補 木戸 睦
広報       粟井 淳
タイトル協力   レイ・アップ
音楽協力     テレビ朝日ミュージック
録音スタジオ   タバック
オンライン編集  TOVIC

番組コーディネイター
ニャロメ  西村朋紘
(キャラクターデザイン  直井正博)

オープニング「ウキウキパラダイス
作詞/  井上 望
   おおたか静流
    ペリー三世
作曲/  清岡千穂
編曲/  林 有三
歌 /  米良美一
(キングレコード)

エンディング「バナナチップス
作詞/やまのなおこ
作曲/やまのなおこ
編曲/ 少年ナイフ
歌 / 少年ナイフ
(ユニバーサル・ビクター)


ヘリタコぷーちゃん』メインスタッフ&キャスト

原作 『ヘリタコぷーちゃん』笹木竹丸(フラワーコミックススペシャル)

シリーズディレクター 橋本光夫
キャラクターデザイン 入好さとる
美術デザイン     窪田忠雄
音楽         福田裕彦

ぷーちゃん      渡辺久美子
ぽろり        三石琴乃
みりん        熊谷ニーナ
ナレーション     松野太紀


こっちむいて! みい子』メインスタッフ&キャスト

原作 『みい子で〜す』おのえりこ(てんとう虫コミックス(絶版))
   『こっちむいて! みい子』おのえりこ(フラワーコミックス)

シリーズディレクター 吉沢孝男
脚本(全話)     山口亮太
キャラクターデザイン 下笠美穂
美術デザイン     田尻健一
音楽         加藤みちあき・福田裕彦

みい子        天神有海
まもる        矢島晶子
パパ         田実成寿
ママ         三石琴乃
竜平         松野太紀
ゆう子        永野 愛
ケンタ        私市 淳
大西先生       世田壱恵


ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー』メインスタッフ&キャスト

原作 『ファンファン・ファーマシィー』柏葉幸子(作)・荒木慎司(絵)(小学館)

シリーズディレクター   貝澤幸男
シリーズ構成&脚本(全話)小中千昭
キャラクターデザイン   伊藤郁子
美術デザイン       鹿野良行
音楽           小坂明子

ぽぷり          小西寛子
ふきこ          松島みのり
ニボシ          矢島晶子
ぽぷりのママ       熊谷ニーナ
なつみ          矢島晶子
のんすけ         永野 愛
くるみ          熊谷ニーナ
なおみ          渡辺久美子
八百ひち         世田壱恵
カメラ屋         私市 淳
たばこ屋         田実成寿
パン屋          松野太紀
ケーキ屋         永野 愛
新刊の本屋        御崎朱美
お茶屋          私市 淳
たばこ屋の孫       私市 淳
花屋           私市 淳
コンビニバイト      永野 愛
しずえ(おばあさん)   熊谷ニーナ
おじいさん        田実成寿
おそば屋         世田壱恵
アナウンス嬢       三石琴乃
青年(ごんまやせさん)  高戸靖広
ピンチイ         天神有海
グリム          田実成寿
シブ           永野 愛
リック          三石琴乃
ラルウ          御崎朱美
ガル           三石琴乃
ジルム          三石琴乃
ジルモ          渡辺久美子
プカ           矢島晶子
ロックスミス       世田壱恵
アマネ          三石琴乃
マネ           渡辺久美子
リリエル         山本圭子
イライザ         土井美加
老紳士          丸山詠二
とんでもない者      世田壱恵
風の老精霊        田実成寿


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