ぼくはこんなにも東京で観劇を2005-2006
About theatergoing 2005-2006
たこいきおし

 『糸納豆EXPRESS』誌上に発表され、よくわからないけどなぜか各方面から好評を得ているたこいの日記の電脳版。ネット上からは消失している分についてテーマ別(?)に再編集してみました。
 今回は宝塚とかキャラメルボックスとか、観劇にまつわる部分と、その他いろいろな部分の抜粋。


2005年10月8日(土)

 京フェス。本会企画は、どれもわりとコンスタントに面白かった。しかし、大森センセが緊急入院で欠席だったのにはびっくり。

 合宿はずっとワイン部屋でまったりしていて、国書刊行会の企画だけ聴きに行く。その後大広間に行ってみるとメイドカフェならぬメイドビアホールが開かれていたが、セミナーと違ってメイド服は2人しかいなかったので、そんなに視覚的インパクトはなし(笑)。

 3時前には就寝。今年は事前申し込みで寝部屋の割り当てがあったので寝る部屋を探さずにすんだのはありがたい。


10月9日(日)

 8時からクロージング。その後、例によって大挙して某喫茶店に行ったところ、ウェイトレスさんに「飲み物しか出ません」とあらかじめ釘を刺されてしまう(笑)。この時点で朝食を食べたい人々は辞去。残った人間はコーヒー1杯で2時間以上粘る(笑)。

 11時から近くの旅館のお風呂つき昼食コースを利用した京大SF研24周年記念宴会に混ぜてもらう。いや、単に京フェスの翌日に昼食会があると聞いたので参加表明していたんだけど(笑)、そういう趣旨の会だったのね(笑)。まあ、KSFAからも参加者がいたので別に浮いてはいなかったけど(笑)。

 宴会の後、バスで京都駅へ。3連休の中日のせいか、観光客でバスは満員、道路も渋滞でけっこう駅まで時間がかかる。駅前の本屋でいろいろ物色。まだ買っていなかったジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』と合宿では速攻で売りきれてた桜庭一樹の新刊『ブルースカイ』など買って帰途に就く。

 『ブルースカイ』はその日のうちに読了。中世魔女狩りの時代と近未来と現代日本を舞台にした「少女」をテーマにした物語、という触れ込みだが、SFとしては、メインとなるアイデアにちょっとひねり方が足りないように感じた。いろいろ伏線らしきものがあって、3つの時代の物語同士の間になにか意外な(メタレベルの)関連性があるのかと期待していたら、そのあたりには何も種明かしがなく、「あれ? これで終わり?」みたいな肩すかしの印象。

 アイデアの発想という点では、SFよりミステリ寄りの人なのかも、というのが今回の印象。冒頭の魔女狩りの時代の雰囲気は悪くないだけに、ちょっと残念。


10月10日(月)

 午後、なんだか勢いで夫婦でしりとり遊びをする。なんだか3時間以上もしりとりをしてしまう(笑)。


10月22日(土)

 夕方から静岡市民文化会館で地元オーケストラ&合唱団によるバッハのミサ曲のコンサートなど鑑賞。なんとなく宗教的な熱狂というものの一端がわかるような気がしないでもないような……。音楽的には、ところどころ音が外れたりするのは地元オーケストラの限界かもしれないが、なかなかの熱演かと。コンサートの後、妻が合唱に出ていた知人にあいさつに行っているのを待っていたら、やはり合唱に参加していたたこいの知人とばったり出会ったのでちょっとあいさつ。


10月26日(水)

 帰宅してみると、妻が韓国ドラマ『パリの恋人』のDVD箱の懸賞で当ててしまったジグソーパズルなどしている(笑)。たこいはすぐに寝たが、妻は2時くらいまでジグソーを続けていたとか(笑)。


10月27日(木)

 風呂上がりに、勢いで妻がやりかけの韓国ドラマジグソーをちょっとだけ進めてしまう(笑)。


10月29日(土)

 今日の『ウルトラマンマックス』「アカルイセカイ」は、ずうずうしいサラリーマンおやじ風の宇宙人が地球を侵略しにきて……というコミカルな、いわゆる変化球エピソードなんだけど、いや、映像的にも演出的にも緻密に構成されていて、実に面白かった(笑)。内容はちょっと下品だけど(笑)、洒落が効いていて、謎解きやオチの部分まで隙がない、ラストに『ウルトラマン』『〜セブン』風のナレーションが入るあたりも「わかってる」感じ。

 夕食のBGVに録画したまま1年以上観ていなかった『ハリーポッターと秘密の部屋』を観てみたが、いや、世間的にどういわれているのかわからないけど、たこい的には第1作の方がよほどよかった。第1作の方がまだしも悪役らしきキャラが実は……だったり、ラストの試練を3人のそれぞれの特技で順番に切り抜けるとか、それなりに構成が凝っていたと思うのだが、今回、一見悪役な人は最後まで悪役でヒネリがないし、危機に際して、主人公本人の行動とはほとんど関係なしに助力が来て敵を倒せてしまったりするあたりもご都合主義的かと(笑)。


10月30日(日)

 夕食のBGVに先日録画した『ガンダム』劇場版を妻に見せてみるが、途中で安眠なされておりました(笑)。『ガンダム』教育の道は遠い(笑)。


10月31日(月)

 そういえば、妻は例の韓国ドラマジグソーを土曜日には完成させて、日曜日には付属の糊で固めていた(笑)。どこに飾るんだ(笑)?


11月5日(土)

 秋葉原を散策。先週末発売の、某新伝綺の人(笑)のメーカーのゲームのファンディスクなど買う。あと、勢いで『Zガンダム・星を継ぐ者』のDVDも買ってしまう(笑)。


11月6日(日)

 一人で池袋の映画館に『ZガンダムII・恋人たち』など観に行く。空席率半分くらい。中学生っぽい客が半数以上。あと、子連れのお父さんもけっこういたが、幼稚園児に見せる内容か(笑)? 新作画比率がけっこう高くて作画的には見所多し。それだけに、「エイジング処理」とやらで馴染ませてある、とされてはいるが、やはり旧作のままの部分との落差は目立つ。ストーリーは、前作同様ダイジェスト故の説明不足な点は多いが、むしろ主筋がたどりやすくなっている点、個々のキャラクターの行動原理も、冗長さが排除された分わかりやすくなっている点は好印象。あと、全体を3分割するとちょうどそのあたりで区切れるとはいえ、アクシズ登場のところで次に引く、というのは、いい引き方かと思う。

 映画館を出て、昼食後、珈琲屋で持ち歩いていたアブラム・デイヴィッドスン『どんがらがん』など読み始める。 勢いで、夜も寝床でちょっと読み進める。いや、久しぶりに小技の効いた「短編小説」を読んだ、という感じでなかなかよい。


11月7日(月)

 東京宝塚劇場で宙組公演『炎にくちづけを/ネオ・ヴォヤージュ』など観劇。劇の方は、キリスト教徒の貴族によるジプシー弾圧がメインのストーリーで、宝塚にしては社会性の高いテーマといえるかも。弾圧する側はジプシーを「反キリスト教」と規定しているのだが、ジプシーの側はキリスト教の教義を理解した上で否定はしていない。にもかかわらず、一方的に弾圧されて虐殺されていき、ラストで火刑に処せられる主人公の姿が、キリストの処刑の相似形になるのがミソ。なんだか、ものすごく見応えがあった。トップ二人も歌、演技とも堂に入っていて、貫禄たっぷり。レビューの方もスピード感溢れる演出で飽きずに観れた。やはり今の宙組はハズレが少ない……というより、当たりが多いかも(笑)。


11月9日(水)

 朝のニュースで本田美奈子のお葬式をやっていたが、なんだかもらい泣きしてしまう。残念ながらミュージカルは観劇したことなかったが、最近では『明日のナージャ』の主題歌が好きだったなあ。合掌。


11月12日(土)

 今日の『マックス』「怪獣漂流」は太田愛脚本で引き続きギャグ路線。ギャグが似合うウルトラマンは『ダイナ』以来か(笑)? 眠っている間に亜空間ゲートから地球に迷い込んでしまった怪獣が、目を覚ますと重さが増えて落ちてきてしまうので、なんとか怪獣を起こさないまま亜空間に帰そうとするが……というスカイドン路線の話だが、いや、これが実に楽しい。ことギャグ話の豊作ぶりでは『ダイナ』を越えつつあるかも(笑)。

 午後は神保町の古本屋を端から端まで見て歩く。妻の実家が神保町にありながら、土曜日に他にやること(観劇とか観劇とか観劇とか(笑))なしに神保町界隈をぶらつく時間がある、ということはあまりなかったんだけど、いや、久しぶりに楽しい時間でした(笑)。

 夕方から銀座で妻の大学時代のサークルの人たちと飲み会。


11月13日(日)

 今日の『交響詩篇エウレカセブン』は、主人公たちが軍関係の研究施設にお忍びで主役メカの修理&改造に行く話。あの世界の人型ロボットのメカニズムが研究所スタッフの自主製作映画(笑)の形で説明されたり、その研究所長とホランドの折り合いが悪い理由が「音楽の趣味の違い」で、その所長の趣味の音楽がギンギンのハードロック(年寄りの音楽(笑)?)、だったり、いろいろと楽しげな趣向が盛り込まれているなあ、と、思ったら、久しぶりの小中千昭脚本だったので、なんとなく納得。そういえば、ロボットを整備するその研究所スタッフの群像的な描写は『ウルトラマンガイア』あたりとも通底するところはあったかな。

 妻は用事があって東京に残るので、本屋でラファティ『宇宙舟歌』と桜庭一樹『推定少女』など買って一人で帰途に就く。そういえば、その本を買った書泉グランデでレジの前に人だかりとか報道っぽいカメラとかがごちゃごちゃしているな、と思ったら、小野真弓のサイン会が始まる直前だった模様。


11月16日(水)

 例の某新伝綺の人(笑)のメーカーのファンディスク、散発的に起こる短いイベントを集めながら、ゲーム内時間4日間でいったんゲームオーバーになるので、ゲームを中断するタイミングがつかみやすい(笑)。まとまった時間が取れなくてもさくさくプレイできる仕様で、その点は好印象(笑)。


11月26日(土)

 今日の『マックス』「胡蝶の夢」は画面が一瞬映っただけで「あ、実相寺(笑)」と、いうくらいに実相寺節全開の映像。で、胡蝶の夢で、デウス・エクス・マキナで、いろいろとメタな展開の迷作(笑)。実相寺作品の中で一番近いのは『ダイナ』「怪獣戯曲」かな。しかし、これは子供が観ても何のことやら、ちんぷんかんぷんだろうなあ(笑)。

 久しぶりに竹むらに行って冬限定の粟ぜんざいと名物揚げ饅頭など食べる。えらく混んでいたのだが、お店に入る時にちょうど出てきた親子連れの子供が「なんだかあんまり『たちばな』って感じがしなかったね」とかのたもうていたので、ちょっとだけ笑ってしまう。どのへんが「感じがしない」のかというと、店の中央の柱が実際にはなかったり、階段の位置が左右逆だったりするあたりかな(笑)。


11月27日(日)

 東京宝塚劇場で月組「JAZZYな妖精たち/レビュー・オブ・ドリームス」を観劇。月組男役新トップ瀬奈じゅんのお披露目公演だが、演出的にはあまり光るものはなし。


11月29日(火)

 某新伝綺の人(笑)のメーカーのファンディスクでエンディングにたどり着く。番外編的なエピソードを多層的にちりばめたファンディスクとしての構造が、物語全体の謎の核心にもなっている、という演出はなかなかよくできている。最近のノベルタイプのゲームにありがちな「選択肢がゲームとして機能してなくて、長いテキストを延々読まされる」という悪循環に陥ってなくて、先に進めるのが楽しく感じられるあたり、業界でも貴重な存在かも。このライターには今後もゲームメーカーであり続けて欲しい、かな。


12月5日(月)

 東北大SF研の先輩のblogでマイクル・コニイの訃報を知る(情報の出所はSFM)。SF研に入った年の夏休み合宿の読書会の課題でマイクル・コニイをまとめ読みして、その年は「SFの本」のイギリスSF特集が出たりして、まあ、たこいのSFファンとしての心のふるさとのひとつ、かな。最近は、古沢センセのおかげでプリーストはいろいろ読めるようになったけど、他のイギリスSFも読みたい気はする。コンプトンとか、どこかで再評価されないかなあ。


12月8日(木)

 BSで新海誠『雲のむこう、約束の場所』を観る。ええと。『ほしのこえ』が『トップをねらえ!』へのオマージュだったのに対して、今回は『オネアミスの翼』……なんだろうなあ。ロケットと飛行機の違いはあるけど、そのあたりはわりと露骨な構図かと(笑)。世界のバックグラウンドは曖昧なまま、ヒロインが世界を救う鍵を握る、というあたりは共通していて、まあ、このあたりがセカイ系(笑)? ただ、『ほしのこえ』と比べると、基本設定のぼかし方が今ひとつで、設定の穴の部分が気になって仕方ない(笑)。ということで、作品評価的には期待値が高かった分大幅割引(笑)。ただ、この監督の趣味と思われる背景美術の美しさは健在……というか、流石にそのあたりは自主制作よりグレードアップしているので、昭和の頃の日常を思わせる日常の風景の緻密な描写も含め、一見の価値はあるかも。


12月10日(土)

 今日の『マックス』「狙われない街」は実相寺でメトロン星人なのだが、「対話宇宙人メトロン星人『再』登場」という触れ込みで、『セブン』のメトロン星人の直接の続編になってしまっていたのでびっくり。『セブン』では高度成長期に「近未来の寓話」という位置づけでラストのナレーションにアイロニックな寓意を込めていたのに対して、40年を経て、時代がかつて空想されていた近未来を追い越した現在、現代人を直接皮肉る内容〜宇宙人に狙われる価値もない人類〜になっていたのは必然ではあるかも。ただ、前回のメタな前衛劇とはまた別の意味で子供は置いてけぼりかな(笑)。

 渋谷で野田地図『贋作・罪と罰』を観劇。これまで観た『オイル』『透明人間の蒸気』『走れメルス』が、けっこう舞台装置に凝りまくっていて、そのあたりの驚きがあったのと比べると、今回はわりとシンプルな舞台でパフォーマンス中心の内容だったので、野田演劇を純粋に楽しむという意味では一度くらいはこういう形式のものを観れたのはよかったかも。内容も、幕末を舞台に置き換えた『罪と罰』という趣向で、適度な思想的背景もあって、なかなか楽しめた。


12月11日(日)

 キャラメルボックス『クロノス』を観劇。カジシンの『クロノス・ジョウンターの伝説』を原作としたストレートな時間SFで、ストレートに感動させてもらいました。今回は短編3つのうち1編の舞台化で、残り2編は来年まとめて舞台化とのことで、そちらにも期待。

 妻を東京に残して、一人で帰宅。夜は昨日買った『カレイドスター』DVD箱のマラソン上映会。2時くらいまでかけて、一気に1クール走破。途中、ちょっと演出の甘い話もあるが、総じて満足度は高し。


12月17日(土)

 今日の『マックス』「遥かなる友人」はアバンタイトルを観ただけで「あ、太田愛」(笑)というくらい個性のはっきりした泣かせ話。『ネクサス』第2部でもちょっと片鱗を見せていたが、一度くらい太田愛にシリーズ構成を任せたウルトラマンを作ってみてはどうか?

 夕方から八王子で東北大SF研忘年会。居酒屋で1次会。森さん宅で2次会。芋煮会がなく久しぶりだったので、大変盛り上がる。


12月18日(日)

 『カレイドスター』を鑑賞。1クールラストも盛り上がってはいたが、この2クール冒頭のテンションは何事? 特に、カレイドステージ解散の予兆を孕みつつ、いくつかのプロットが並行して進行する「黒い すごい 噂」は詰め込みすぎなくらい。一種、圧巻。


12月19日(月)

 引き続き『カレイドスター』鑑賞。ユーリの陰謀によるカレイドステージの崩壊が主筋だが、「ものをつくる」ということへのこだわりが強烈に感じられるストーリーは見応えあり。特に、脚本・演出初心者のミアがプロに叩かれながら作品の完成度を追求していく「燃えろ! すごい ミア」は、「演出」をテーマにした、おそらくは佐藤順一の自己言及的な(自伝的、というと語弊がありそうだが……)内容のように思われ、これまた圧巻。


12月24日(土)

 今日の『マックス』「クリスマスのエリー」は、これまたいかにも太田愛(笑)。クリスマスの買い物途中で出会ったマッドサイエンティストの老人とアンドロイドのエリーの珍道中。SF的なアイデアのいいかげんさはいかがなものかと思うが(笑)、太田愛にそういう要素は求められていないか(笑)。

 夜はフィギュアスケートトリノ代表選考の女子シングルSPなど観戦。今年のこれまでの試合と違い、ほとんどの上位選手がノーミスに近い演技で、見ごたえあり。


12月25日(日)

 妻と二人、東京都写真美術館で植田正治展を鑑賞。実は生で植田正治の写真を観るのは初めて。そのうち鳥取にも行ってみたいなあ。

 ガーデンプレイスのバールで久しぶりにランチ。美味しかったんだけど、なんと12/27で閉店とのことで、ちょっと淋しい。そのうち半蔵門の本店に行ってみようか。

 夜は女子フィギュアフリー観戦。まあ、トリノ行きの3人は妥当なところかなあ。昨日に引き続き、ミスの少ない演技(除く安藤美姫)でなかなかに見応えあり。


12月30日(金)

 SHIBUYA-AXでムーンライダーズ年末ライブ。今回は立ち見席だったのだが、開演待ち1時間、ライブ約2時間、ちょっと不自然な姿勢だったので、終わったときはけっこう身体がたがた(笑)。ライブの方は、古い曲から新しい曲までまんべんなく網羅して、めったにライブでやらなかったような曲(「ダイナマイトとクールガイ」とか「冷えたビールがないなんて」とか)もあり、久しぶりにかしぶちさん復帰でフルメンバーでもあり、音響も、前回よりはちょっとだけよかった気がしたり(あいかわらず低音が響きすぎてハウリング気味ではあったが)、まあ総じて満足。来年4月には新宿でライブと野音で30周年コンサートがあるので、今から楽しみ。


12月31日(土)

 今日の『マックス』「奪われたマックススパーク」は待望の小中千昭脚本作。エレキング再登場でちゃんと女性二人で登場するピット星人が懐かしいが、ホラーっぽい味つけの演出、ほのかにロマンス風味、力の入りまくった空中戦の特撮パートと、がんばってエレキング1体はDASHが倒す燃える展開、これでもかと詰め込まれた内容で満腹。やっぱりこれこそが「平成ウルトラ」のスタンダードと思わせる。傑作。1月にも小中脚本が控えているのでそちらにも大期待である。

 今年は妻を実家に残して一人で帰省。


2006年1月3日(火)

 夕方から、高校の同級生2名と仙台駅の牡蛎料理屋で飲む。一人は10年くらい前の結婚式に招待されて以来、もう一人にいたっては、高校卒業以来だが、まあ、3人ともそんなに老け込んではいなかったな(笑)。昔の話とか今の話とかいろいろする。駅ビルの地下で軽く2次会。

 帰宅後、鶴田家にお邪魔して3時くらいまでだべる。


1月4日(水)

 妻の実家に立ち寄って、うちの実家からのお土産を置いたり、置かせてもらっていた荷物を回収したり。妻には東京駅まで見送ってもらって、一人で焼津に戻る。

 風呂上がりに『カレイドスター』の2クールラスト2話を鑑賞。


1月7日(土)

 夕食は今年初めてのきりたんぽ鍋。BGVには、ふと思い立って『カウボーイ・ビバップ』のLD1巻など流してみるが、妻にも気に入ってもらえたようでなにより。


1月14日(土)

 今日の『マックス』「怪獣は何故現れるのか?」は小中千昭脚本。『ウルトラQ』へのオマージュであると同時に、「空想の産物と思われていた怪獣までが現れ始めた」という『マックス』のスタート時点でのあまりにもおおざっぱな世界設定に対する揶揄とも受け取れなくもない内容。とはいえ、「空想の産物と思われていた怪獣までが現れ始めた」というフレーズを解体再構成することで、自前のテーマを語ってしまうあたりはやはり職人芸的。ただ、特撮番組への自己批評的な内容は、前回のエレキング再登場と比べると子供が観るにはちょっとつらいかも。

 とはいえ、作品の枠組みがおおざっぱな分、同じシリーズの中でいろいろな作風を混在させられる、というのがウルトラシリーズの醍醐味かも、という気がちょっとしてきた。『マックス』の枠組みはいくらなんでもおおざっぱ過ぎると思っていたが、結果的には『ネクサス』よりよほどウルトラらしいシリーズにはなりつつあるのかも。あくまでも結果論だけど(笑)。


1月15日(日)

 本屋で須藤真澄『長い長いさんぽ』など買う。かの愛猫ゆずの最期にまつわる話で、まだふゅーじょんぷろだくとのコミックスしか出ていなかった頃からマンガでゆずに親しんで来たファンとしては、涙なしには読めない内容。合掌。


1月20日(金)

 妻が、最近キッズステーションで『カレイドスター』をやっているのをみつけて、ぽつぽつ見たりしているらしい。いい傾向かも(笑)。


1月21日(土)

 今日の『マックス』「勇気を胸に」は小中千昭脚本だが、いきなり「マックスが助けていなかったら主人公は死んでいた」という悪夢を提示して、あまりにもおおざっぱだった『マックス』第1話の小中千昭流語り直し。前回の「空想の存在だった怪獣」の語り直しと合わせ、『マックス』の世界観の再フォーマット完了、という感じ(笑)?

 夜、妻のご所望で『カレイドスター』の1〜4話をDVDで鑑賞。うむ(笑)。久しぶりに教育の手応えあり(笑)。


1月22日(日)

 BOOKOFFでコミックスを一山売る。ちょっと驚いたのは、妻ご贔屓の特撮パロディ劇団、TEAM発砲B-ZINのビデオが2本売られていたこと。焼津にもそんなものを売りに出す人がいるとは(笑)。とりあえずたこい家で保護しておいたけど(笑)。


1月28日(土)

 妻の要望で半日ばかり『カレイドスター』上映会。いろいろ突っ込みは入れつつも、そこそこハマっている模様(笑)。よしよし(笑)。


1月31日(火)

 今日、妻は上京してお母さんと二人で宝塚を観劇していたらしい。


2月1日(水)

 出張から帰宅してみると、妻がキッズステーションで『カレイドスター』を観ていた(笑)。偶然、ちょうど上映会の続きで「燃えろ! すごい ミア」をやっていたのでちょうどよかったかも。


2月2日(木)

 帰宅してみると、妻は今日もキッズステーションで『カレイドスター』を観ていた(笑)。よ〜し(笑)、うむうむ(笑)、よ〜し(笑)。

 そういえば、ネット予約でムーンライダーズの30周年記念野音コンサートとその前の新宿でのライブの席が取れていた。新宿のライブは旧リキッドルームの場所とのことで、あそこは妻と結婚前に初めて二人でライブに行った思い出の地でもあるな。野音は、20周年以来。前回は立ち見だったんだけど、今回は500人限定のスペシャルシートとやら。まあ、ネット先行予約の賜物か(笑)。


2月4日(土)

 須藤真澄の新刊『庭先案内』1巻など買う。須藤真澄の独特のファンタジー空間にじじばば趣味が絶妙にミックスされた、久しぶりに正統派直球勝負の短編集で、大満足。例えていえば、初期のふゅーじょんぷろだくとの短編集あたりの味わい。『おさんぽ大王』的なエッセイコミックの方が多くなって、もうこういう味わいの短編集は読めないかも、と、思っていたので、望外の喜び。


2月5日(日)

 『仮面ライダーカブト』は、ライダーのデザインからちょっとお子様向けを連想していたら、ハードな世界観と緊張感のある演出がなかなかハマっていて、とりあえず次回以降に期待できる内容ではあった。第一印象としては、今のところは『アギト』に近い雰囲気、かなあ。

 『ふたりはプリキュア・スプラッシュスター』は、鎌倉というか、江ノ電沿線らしい舞台で、テンポのよい展開でわりと好印象。マスコットキャラが携帯型をしている理由をちゃんと説明(その世界で不自然に見えない姿に擬態できる)していたり、少ない時間でメインキャラクターの紹介をそつなくこなしていたり、バランス感覚のいい演出に感じた。


2月11日(土)

 今日の『マックス』はバルタン星人登場編だが……チビサイズのバルタン星人が女の子に変身して箒で空を飛んだりして、なぜか実写版魔法少女ものに(笑)。おまけに前後編で次に引いてしまったが、どうするの、これ(笑)? あと、毒蝮三太夫とか真夏竜がちょい役で出ていたりして、やっぱりウルトラ同窓会の様相(笑)。

 神保町から秋葉原に向かっていたら、なにやら時代物書籍、グッズ専門の本屋が出来ていたので、覗いてみる。まあ、ヴィレッジバンガードの和風版? みたいな印象。2階に喫茶コーナーがあったので入ってみたら、給仕の女性が着物姿で、和風メイド喫茶(笑)?

 秋葉原から京浜東北で石川町へ。中華街側の改札を抜けてみると、既に東北大SF研の面々が集まっていたが、その中になぜか留萌にいる筈の五○嵐さんが……(笑)。なんでも、知人の結婚式に向かう途中、サプライズゲストとしてこちらの集合場所に立ち寄ったとか。

 総勢10人ほどで中華街をちょっと散策したが、お祭りの獅子舞とかやっていてものすごい人出だったので、恵ちゃんのマンションにお茶しに立ち寄る。いや、独身OL憧れの部屋、みたいな感じ?

 夕方から中華街で新年会。詳細は略すがいろいろと盛り上がる。


2月12日(日)

 昼から、妻の妹さんご夫妻と連れ立って秋葉原へ。妻の実家のお母さんの分と、2軒分のパソコンの更新のアドバイザーなど(笑)。某石○電気でノートパソコンを2台買うんだから、といろいろ値引きしてもらう。その余波で、ついでに買った自分用のデジカメも値引きしてもらう。


2月18日(土)

 バルタン星人編後編の『マックス』は、徹頭徹尾先週からの魔法少女路線(笑)を貫いたか、という印象。もしかして、バルタン星人を第2のピグモンにでもしたかったのか(笑)? 話の内容からして、今回の宇宙人がバルタン星人である必要性はないというか、逆にバルタン星人であることでものすごく違和感があるんですけど(笑)。

 夕食前に録画だけして観損ねていた『カブト』第2話を観る。まあ、009ゆずり(?)の加速装置の描写は、なかなか面白いが、加速中の闘いの余波で周囲の人たちがびっくり、という描写の元ネタは、009の加速装置というよりはディオのスタンド、ザ・ワールド(時間停止)だよなあ(笑)。特に敵がクルマを武器に使って頭上から降ってくるあたり、そのまんまかも? スタッフに荒木飛呂彦のファンでもいるのか(笑)?


2月19日(日)

 夜、寝ようと思ったらTVのトリノ五輪、カーリングの日本対カナダ戦がえらく面白くて、生放送を最後まで観てしまう。


2月20日(月)

 寝る前にカーリングの対イタリア線の録画を観る。ダイジェストだったのはちょっと物足りなかったけど、なかなか白熱した試合で面白かった。


2月21日(火)

 朝起きてみたら、4時頃からやっていたカーリングの対スイス戦は日本が負けてしまっていたのでちょっと残念。


2月22日(水)

 前の晩は11時くらいに就寝。朝は4時くらいに起きてリアルタイムでフィギュアの女子シングルSPを観戦。安藤美姫はまああんなもんでしょう。村主もなかなかよかったが3位につけた荒川静香の演技は堂に入っていて宮城県出身者としてはちょっと目頭が熱くなる。代表最終選考の時より荒川静香の調子が上がっているように思う。とはいえ、コーエンとスルツカヤの演技は流石で、むしろよく僅差で3位につけられたな、という印象。フリーで大きなミスがなければ銅メダルは堅い。


2月24日(金)

 目が覚めたのは5時ちょっと前くらいだったが、安藤美姫のグループの始まるところだったのでまあOK。安藤美姫は序盤の4回転玉砕後、スタミナ切れでちょっと観ていてかわいそうなくらい。荒川静香は素人目に分かるのはスピンの途中でバランスを崩しかけたかな? くらいでほぼノーミス。SP同様3回転3回転予定のコンビネーションは3回転2回転になったものの、これはSP同様大人の判断ということで。もう、演技を見ながら目頭が熱くなりまくり。採点結果でまた目頭が……。で、金メダル決定の報には目頭では止まらず、しゃくりあげて泣いていたら、妻に笑われてしまった(笑)。いや、荒川静香への思い入れが思っていたより深かったことを実感して自分でもびっくりだ(笑)。

 いや、ペアでないのと、4回転でないことを除けば、まるで『銀のロマンチック……わはは』のような話ではあると思うのである。出たての頃は、無表情で動きも機械的で、素質とテクニックはあるけどちょっと微笑ましい、という感じだったのが、紆余曲折の末、オリンピック会場の全観衆がスタンディングオベーションをするほどの情感たっぷりの演技を披露するまでになるとは!


2月26日(日)

 東京宝塚劇場で星組『ベルサイユのばら・フェルゼンとマリー・アントワネット編』を観劇。思えば生まれて初めて観たのが2001年の星組の『オスカル編』だったが、あれからもう5年か(笑)。……という感慨はさておき(笑)、マリー・アントワネットの威厳ある演技がなかなかハマっていて、思っていたより楽しめた。いや、うちの妻は実は『ベルばら』には批判的なんだけど、その妻もけっこう感動していたようである。


3月4日(土)

 聞くところによると、『マックス』の最終前後編は小中千昭脚本らしいので、ちょっと期待している。とはいえ、シリーズの収拾を中途から小中千昭に任せざるを得なかったあたりは迷走といえば迷走といえるかも。小中千昭ファンには嬉しい誤算ともいえるが(笑)。

 しかし、次の『ウルトラマンメビウス』はとうとう「M78星雲のウルトラ兄弟」の世界観復活とのことで、『マックス』でおそるおそる復古路線にしてみたらそれなりに成功したので、今度は思い切ってもっと戻してみました、ということか(笑)? とはいえ、どんな突飛なエピソードも吸収できる1話完結のウルトラシリーズのフォーマットなら、変化球的エピソードに傑作とか怪作が生まれる余地があるので、『ネクサス』のような進化の袋小路のようなフォーマットよりむしろ期待できるかも(笑)。


3月5日(日)

 今日の『プリキュア』は、幼なじみがケンカして仲直りする話。なんてことない日常的な話なんだけど、『おジャ魔女どれみ』に近い味わいでけっこう好みのタイプの話。ここまでのところ、今シリーズにはけっこう好意的な印象をもっていたんだけど、その理由は、日常描写の演出が『どれみ』に近いからだということに今回気がついた。総じて、主人公たちを取り巻く家族関係も友人関係も実に「理想像」という印象……なんだけど、それが嫌みに感じられないのがマル。

 本屋でジーン・ウルフ『デス博士の島その他の物語』など買う。


3月11日(土)

 『ZガンダムIII』など鑑賞。前2作ではダイジェストした分、大筋はわかりやすくなった印象だったが、今回は、ほぼ全編宇宙での戦闘シーン中心だったため、単調な印象になってしまっていたのは残念。あと、サイコミュシステムやZガンダムの成り立ちもほとんど説明がないので何故Zガンダムが人の思惟を吸収できるのか腑に落ちないのも弱点に思える。「誰も知らないラスト」についても、カミーユが精神崩壊せずにハッピーエンド、というのは予測の範囲内なので、そんなに驚きはないかなあ(笑)。


3月18日(土)

 今日の『マックス』は最終2部作の前編。地球人の環境破壊が地底深くに棲む地球の古代文明人の生存環境を脅かしたため、古代の自動防衛プログラムが起動し、人類が危機に晒される、という話。緊迫感溢れる展開はいつもの『マックス』とは別の作品みたい。映像面でも、小中千昭脚本作品だけ意識的にいつもと変えて来ているように見受けられる。

 前の小中千昭脚本作品もそうだったが、『マックス』の中で繰り返し使われた共通モチーフ(今回の場合、地球人の環境破壊)をうまく取り込んで、シリーズとしての共通カラーを構築しようとするあたりも、単発の脚本家じゃなくて本来はシリーズ構成の仕事かと思う。しかし今回はおおざっぱにまとめると「ノンマルトの使者地上最大の侵略」とでもいうべき話か?


3月25日(土)

 『マックス』最終回。ヒロインの女性隊員が最終回で一度死ぬ、という展開もこれまでなかったと思うが、ウルトラマンの力を借りることなく、主人公が人工呼吸と心臓マッサージでヒロインを自力で蘇生させ、その行動が古代文明人との対話のきっかけになるあたりはなかなか感動的。一度は敗れてしまうマックスを人間側の努力で復活させる、というのは『ティガ』『ガイア』に近い展開だが、ウルトラマンが人間体とは別人格の異星人、というパターンでこの展開はなかったと思うので、その点ではちょっと新鮮だったかも。総じて、あの第1話の脱力感から考えると、思った以上に綺麗にまとまったな、という印象。いや、お見事でした。

 そういえば、『ふしぎ星のふたご姫』も最終回だったが、まあ、某美少女戦士アニメ最終回に近い展開。それなりに感動的ではあったが、シリーズ全体を通しての評価では、残念ながら某美少女戦士アニメ(初年度)とか、『クレヨン王国』の方が高いかなあ。


3月26日(日)

 今日の『プリキュア』は、姉妹喧嘩をモチーフに、きめ細かい心理描写と夕暮れの光の中での背景美術が美しい。脚本、演出の質としては『プリキュア』全シリーズ通してベストといっていいかも。『どれみ』と比較しても、このくらいクオリティの高いエピソードはそんなになかったと思う。こういう話が観れるとなるとこれからも楽しみ。


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