小谷温泉山田旅館★★★★ | ![]() |
百名山雨飾山の麓の湯治温泉 ■概要 小谷(おたり)温泉は姫川支流の中谷川の上流部にある標高1120mの山間の湯治場だ。たいへん古くからこの地域では有名な湯治場だったが、白馬周辺の温泉開発が進んで、今ではひっそりとした雰囲気だ。 湯元の山田旅館の本館は木造3階建てで、国の登録有形文化財になっている。古い建物だが良く手入れされていてりっぱに現役だ。左手に新館がある。駐車場の下は新館の浴室になっている。 ![]() 開湯伝説では、500年前、武田信玄の家臣の岡田甚一郎が薬師如来の夢のお告げで発見したとされる。以後、信玄の隠し湯のひとつとして将兵の療養に利用されたという。 明治末のドイツ万国霊泉博覧会に、登別・草津・別府とともに出品されたという。1930年に国民新聞社の全国優秀温泉の投票で小谷温泉が8位になる。1970年には国民保養温泉に指定されている。 近年、隣の太田旅館が営業を止めた。太田旅館の源泉(小谷温泉新湯)は山田温泉新館下に造った新浴室(日帰り入浴不可)で利用されている。 ■所在地 長野県北安曇郡小谷村中土小谷温泉 TEL:0261−85−1221 FAX:0261−85−1224 |
![]() ■印象 浴室入り口に真新しい温泉協会の天然表示表示板があって、すべて二重丸だ。浴槽は2×3mほど。床にはマットが敷きつめられていて、茶色に染まっている。打たせ湯の湯口の下には分厚く茶色の堆積物があるのに驚く。 高い所から勢いよくお湯が落とされているので、浴室には湯気が立ち込めて暖かい。 なにかお茶を炒ったような香りがする。お湯は茶褐色にかすかに濁っている。 やや熱めのお湯でサラサラした浴感だ。浸かっていると体がスベスベしてくる。コップが吊るしてあるので飲んでみるとコンブ味だ。新鮮な鉄味が口に残る。飲泉は胃腸に良いそうだ。 泉質はナトリウム−炭酸水素塩泉(重曹泉)、源泉の温度47度、成分総計3323mg/kg、湧出量86L/分(自然湧出)。 ![]() 木の枕が置いてある浅い寝湯もなかなか気に入った。重曹泉らしく浴後はほてりが少なく肌がさっぱりする。 自然湧出の適温のお湯がふんだんにかけ流されている、まさに温泉の原点のような湯治場だ。温泉ファンには強くお勧めする。 |
■営業
■交通 長野自動車道の豊科ICを降りて、国道147号線で北上する。大町で国道148号線に入って糸魚川沿いに走る。JR南小谷駅を過ぎて、下里瀬(くだりせ)トンネルを出たらすぐ左折する。次のトンネルまで200mほどなので曲がり損ねないよう注意。温泉までの道は舗装されている。駐車場はさほど広くはない。 ![]() 調査日:2005年3月 |