沓掛温泉小倉乃湯★★★


小さな湯治場の気持ちよいぬる湯

■概要

上田市の西隣にある青木村の村役場から鹿教湯温泉に抜ける道の途中に沓掛(くつかけ)温泉がある。沓掛川を渡り狭い坂道を登ると温泉旅館が3軒の小さな温泉街がある。

共同浴場の小倉乃湯は温泉街の中央、薬師堂の下にある。鄙びた温泉地にしてはかなりりっぱな共同浴場だ。1998年に建替えたというからまだ新しい。



沓掛温泉は平安時代からあるという。共同浴場の前に小倉乃湯の由来を掲げてあった。それによると平安時代の国司の滋野親王が眼病の湯治をして治ったので薬師堂を建てたという。

江戸時代にはかなり賑わった。1970年には田沢温泉とともに国民保養温泉地に指定されている。現在は近くの別所温泉や鹿教湯温泉の賑わいには遠く及ばず静かな湯治場という雰囲気だ。



■所在地

長野県小県郡青木村沓掛428−3
TEL:0268−49−3131(青木村役場)



■印象

浴室は清潔感がある白いタイル張りだ。浴槽は2つあって、広い方は源泉そのままのぬる湯、奥にある狭い方は加熱して適温になっている。お湯は静かに流れ込んで静かに流れ出ている。

ぬる湯は人肌ほどの温かさ。ゆっくり浸かっていると体の中がからっぽになっていくような気持ち良さがある。よく見ると透明なお湯の中に白く細かい湯花が舞っているので温泉であるごことがよく分かる。

洗い場のカランから温泉が出る。水のカランはない。昔の共同浴場はぬる湯しかなかったそうだ。加熱浴槽は建替えで造ったもの。泉質はアルカリ性単純温泉、源泉の温度は39.5℃、pH9.53、蒸発残留物305mg。



2階の小さな休憩室も落ち着いた雰囲気、のんびりできる。めずらしいことに共同浴場の外に湯溜まりが造ってある。野菜など洗う所のようだ。掲示を見ると、種籾浸湯料100円、漬菜洗料200円、洗車料200円などとても面白い。

一般にはあまり知られていないので、ずいぶんのんびりできる。ぬる湯で瞑想して心からリラックスできる。


■営業

営業時間 9:00−21:30
(6−9月は22:00まで)
休館日 火曜日(祝日のとき翌日)
料金 150円

交通

上信越自動車道の上田菅平ICを降りて、上田市街をぬけて国道143号線を西に向かう。青木村役場から左に入って、県道12号線(丸子信州新線)を4kmほど走る。小さな看板を見つけて左に入り坂を登る。駐車場は小倉乃湯から50mほどのところにある。



調査日:2004年10月

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