肘折温泉上の湯★★★★  


肘折温泉のシンボル

■概要

肘折(ひじおり)温泉は山形県の中央部の、月山の東麓にある温泉で、修験道の行者が月山へ登る登り口でもある。山奥に温泉街が突然あるという感じだ。最も近い新庄市から車で1時間もかかる。



温泉街は銅山川の右岸にある。非常に古くから傷によい温泉として栄え、今でも湯治客がたくさん訪れるところである。私達も一度ぜひ来てみたいところだった。温泉街は湯治旅館が並んでいて、都会から近い温泉地のような観光ホテルはない。



上の湯は温泉街の中心にある共同浴場で、肘折温泉のシンボルである。隣には薬師神社への長い石段がある。建物はコンクリートで、がっちりした造りだ。浴室には大きな石造りの湯船がある。窓側には石の地蔵が祀ってある。泉質は
ナトリウム−塩化物炭酸水素塩泉(旧泉名:含重曹−食塩泉)である。源泉の温度は51.6度、PHは6.6
である。

■所在地

山形県最上郡大蔵村大字南山字肘折
TEL:0233−76−2211
(肘折温泉観光案内所)



■印象

私達の泊まった旅館に湯治に来ていたおじいさんは、「旅館の温泉もいいけど、やっぱり上の湯が一番効くナー。」という。さっそく霊験あらたかな上の湯に行く。

受付のおじさんにお金を払うと「ゆっくりしていきな」といってくれた。浴室の大きな湯船からお湯があふれている。お湯に入ると、わずかにぬるめで、長く入るにはちょうどよい。名湯と言われる温泉はぬるい所が多いそうだが、ここはまさにそういう感じだ。

浴室の窓側に小さい地蔵があった。台座に肘折温泉の由来が刻んであったので、下に引用する。

『大同2年(807年)老僧(地蔵権現)がこの「上ノ湯」を発見。折れた肘を洗ったら傷も治り気力も出ました。爾来この霊湯は仏の慈悲として伝えられている。老僧の住んだ洞窟を「地蔵倉」と呼び聖地とした。老僧の折れた肘が湯で治ったことからこの温泉を「肘折温泉」と名付けた。』



本当の湯治はこういう所でするものだと思う。何年かして今度は本当の湯治で来て、1週間くらいなにも考えずに過ごしてみたいと思った。

■営業

営業時間 4月から11月
8:00−18:00(地元住民は除く)
12月から3月
8:00−17:00
休館日 無休
料金 200円
休憩料700円

交通

山形自動車道の山形北ICを降りて、国道13号線を北上し、新庄市に向かう。新庄から国道47号線で西に向かい、本合海で左折して、国道458号線で南下する。新庄から27km、車で1時間程で肘折温泉に着く。上の湯は温泉街の中央にある。
駐車場は近くにはない。肘折いで湯館の駐車場を利用する。


調査日:1999年5月

上の湯の向かい側にある
丸屋旅館の感想


朝市

肘折温泉は朝市が名物だ。冬場以外は毎日、朝5時から温泉街の通りで開かれる。元気なおばちゃんが、山菜や野菜、笹餅などを並べている。私達が訪れた時期は温泉客が少ない時期だが、春の山菜の最盛期であった。
「みてって、みてって」と声をかけられる。おばちゃんとのやりとりも楽しい。クマコはあんころ餅を買った。

こごみ、ふきなどが多かった

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