コラム(2)


【IMAM Ro57戦闘機】

最初のコラムから引き続き、IMAMのRo-57というマイナー戦闘機の話です。
余談ですが、IMAMはIndustrie Meccaniche Aeronautiche Meridionali(イタリア南部航空機械工業)の略称ですが、 もともと機関車を製造していた会社が、ロメオという新興航空機メーカーを合併して航空機に進出した経緯から、機体にはRoの名を冠していた…ようです(汗)。

さて、このRo-57。時期的には、30年代半ばの双発多座戦闘機ブームの後に来た、小型単座双発戦闘機のブームの流れを汲む機体です。
これは、エンジンの飛躍的な出力増強が進まない中、単発機並みの双発とすることで、単座戦闘機の性能向上を目指すコンセプトです。
代表は、ロッキードP-38ライトニング…というより、ものになって戦争に貢献したのはこれだけといった方が良いでしょう。
その他には、イギリスはウェストランド・ワールウィンド。同じメーカーのウィルキンは、駄っ作機の代表選手として一部方面によく知られていますが、こちらは高高度迎撃機として特化した機体なので、外した方が良いかもしれません。
ドイツには、高性能を出したものの、後部銃座が必須といわれて落とされた(まあMe-110があれば他に増やすべきではないという判断でしょうが)フォッケウルフのFw-187。
アメリカは双発艦上戦闘機として開発されたグラマンXF5Fスカイロケット、その改良陸軍機板XP-58、再び海軍に戻って更に改善したF7Fタイガーキャット。これは機体としては成功ですが、戦争に間に合いませんでした。
この流れについて触れた本でも、忘れ去られてしまうことの多い一機。それが我らのRo-57です。

まあ、このRo-57は、単葉双発引き込み脚と、近代的な外見ですが、主翼は木製桁に合板張り、胴体はスチールパイプにジュラルミン外皮張りという、微妙に時代遅れな構造の上、尾翼には支柱付き、尾輪は固定式と、良く見れば外観も古さを残していました。
発動機は、G50やMC200と同じフィアット・アッソRC38で840馬力。最高速度も約500km/hと、マッキMC202にほぼ同じ。武装も12.7ミリニ門と同レベル。誰かが書いていましたが、確かに何のために双発にしたのか分からない機体になってしまいました。
結局、量産は50機で打ち切られ、ダイブブレーキを付けて戦闘爆撃機として改修されたものの、シチリア島攻防戦で大半が地上で破壊されたらしいという、やっぱり不遇の機体です。

しかし、地上にある機体を斜め前から見ると、機体の割りに大きな空冷発動機、細い機首から突き出した2門の機銃、前下方視界を確保するための、機首下面のガラス張り部分など、とても格好良いんですよ!
今はネットで写真も幾つか見られますし、興味が有りましたらググって見てください(人任せ)
一方、飛行時に横から全体を見ると、正直やや寸詰まり気味でいまいちだったりするので、飛ばない時が一番カッコいいんですね。
この辺、自国が参戦しなければ枢軸に大きく寄与したであろうイタリアらしい機体だと思ったりするのですが、好きなんですよね〜。


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