選挙道場・伊 藤
「春の海、穏やかな波のしらべは里にひろがり、百花繚乱を包む微風となって、そっと結実の介添えをする」。こんな願いを秘め、投票促進活動の哲人を自負してきたが、宿望とは裏腹に「虚構の権謀術数がもたらす不正、倒産、虫けら同然の殺人事件等々」の報道が多すぎる。これら人権無視の禍根を絶つのは、国民・有権者の公務である。国民は国の本、選挙は政治の本であるべきだ。国民・有権者よ、自己改革して選挙ごとに厳正な審判を下すよう切望する。
「選挙道」それは、「民主社会を常に掘り興し支える道徳を言う」。「人道と選挙道は好一対であり」、「現代の倫理は選挙考でなければならない」と信じる。
「選挙道場の定め;選挙文化の向上を目的とする。とりわけ有権者が憲法や公職選挙法に定める、民主的選挙による民主社会の推進を願うとき、そのあるべき施政と立候補者の綱領を心静かに思い興し、理想的選挙・投票の在り方に資すること」をもって、思索し、「選挙100題」を掲げ、豆新聞「選挙道場」紙上バトルを展開して来た。
「確かな夢の実現は、まず選挙と赤ちゃんを大切にすることだ」、「偶然の幸せを多くし、不幸を少なくするのが充実した選挙である」、「成人になるのは選挙を体験してからである」等々、選挙道の記録は多々あるが割愛する。
国民・有権者へ選挙道の確立を唱えるのは、至言の民意が静かに充実した国が欲しいからである。ないものねだりするのではない。日本は私が9歳の時に民主国家になった。憲法公布の冊子を先生から頼まれ父へ手渡した覚えがある。
あの日からはや半世紀経った。いま日本の民主化は爛熟し過ぎだ。かしましいだけで民意に規律が見られない。この辺でこれまでの期間を「第一次民主化時代」と名づけて終焉させ、新たに「第二次民主化時代」の建設に入るべきだ。名実ともに権利と義務の均衡とれた民意国家を創り、その国防策は、国際理解を国民に奨め、世界史実の善政普及に努め、無血の世界平定するのだ。こんな理念のもとに、投票用紙を平和への搭乗券と頼み、また悪の封印紙ともわきまえ、投票所一番乗りを続ける生活だ。この鍛錬の日々は、やがて迎える改憲の国民投票でも実力発揮するものと確信する。
最近の選挙は、投票率も結果も悪すぎる。そもそも、国民・有権者は、選挙・投票と国家の在り方をいかなるものと理解しているのか。国家の三要素、まず日本の「領土」は、伝説の「寿山福海」にふさわしい。好きだ。「国民」は、精励恪勤だが公的には国家の建設志向よりすねかじり願望が旺盛だ。これを暗雲と見る。「統治組織」は、大本締め「主権者」の自律に問題がある。自由・平等・博愛文化を創造する根性不足だ。自分の住みたい国・社会・家庭造りに、また自立に必要な公権確立のため自助努力の投票をするべきだ。
次の詩は、選挙となれば明治からの悪弊を持ち出して今もいきり立つ「金権選挙」、「争動選挙」、「談合選挙」、「徒党選挙」、「懇願選挙」等から脱却し、「マニフェスト選挙」?「理想選挙」への進展を願うものである。
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