博物館と友達になろう!no5

平塚市博物館−この素晴らしい館をもっと活用しよう!


田部井 



 博物館、こう聞いたとき、どういう印象を持つだろうか?
 いつも同じ物が展示してあって、一度行ったら展示替えが行われるまで、行く必要の無い場所。
 平塚市博物館と深く関わるようになる以前の僕の博物館に対する見方が、まさしくこういうものだった。
 無知だった僕は、博物館に学芸員という方がいるということさえ知らなかった。もっと前に学芸員という職業があると知っていたら、僕の進路も変わっていたかもしれない。平塚市博物館には歴史、考古、民俗、生物、地質、天文の学芸員の方がいらっしゃる。なんと恵まれていることか。僕は、平塚市博物館で天文の特別展でのアルバイトをさせて頂いた時に、こうした分野の学芸員の方々がいることを知り、この方々が精力的に活動されていることが判ったとき、とても感動し頼もしく思った。
 平塚市博物館では、行事が充実している。ここで幾つか紹介しよう。ちょっとさかのぼるが、僕はまず天体観察会に入った。その時はまだ、他の会の事は全然判らなかったと記憶している。天体観察会では、主に博物館の屋上を使って天体の観察をしている。月食の観察や惑星の観察などを大型の望遠鏡でする事が出来る。大型の望遠鏡など簡単には手が出ないので、この無料の会(博物館の行事は基本的に無料、交通費は当然かかるし、材料代を取る場合もある)で大型の望遠鏡の威力を目にするのも良いと思う。年に一度函南の天文台に行き観察しているようだ。平塚より非常に条件の良い空での天体観測は感動ものだ。行事とはちょっとそれるが、平塚市博物館にはプラネタリウムがある。ここでは博物館手作りの番組をみることが出来る。天文にはプラネタリウムがある関係で学芸員の方が二人いらっしゃる。このお二人が個性的な番組を作られている。大人100円、中学生以下無料なので、機会があったら見る事をお奨めする。
 既出の天文の特別展でアルバイトをした時に他の会があることを知り、いろいろ入って見た。まず漂着物を拾う会。花水川の河口の平塚側海岸で漂着している物を拾い、その中の幾つかを学芸員の先生が解説してくださる。貝に詳しい方が会員の中にいて、貝についてはその方が詳しく解説してくださる。僕は、この漂着物を拾う会で先生が話された事が、そこにいるせいぜい20人程度にしか伝わらないのが非常に残念で、なんとかこれを他の方々にも見てもらいたいと思い、ビデオカメラが欲しくてたまらなかった。2年後僕はビデオカメラを手に入れ、会に出られる時はほとんどビデオカメラで撮影している。これをもとにホームページで会の様子を紹介しているので、宜しければご覧下さい(漂着物を拾う会以外の会も紹介しています)。
 http://www21.big.or.jp/~tamomo/Hiratukasihakubutukan/index.htm
 次に平塚の空襲と戦災を記録する会、僕は学芸員の先生にこの会を見せてもらった時、非常に興奮した。会に参加されている方々の熱意がすごいのである。ほとんどが現役を引退した方だと思うのだが、ものすごいパワーに圧倒された。残念ながら会長さんが代わられて以前のような熱気はなくなってしまったようだが、着実に刊行物を発行している。この会では、以前は聞き取り調査という事をやっていて、被災者の方の証言を聞くといったことをしていた。
 次に民俗探訪会、以前は八王子道を歩くという企画をやっていた。ここでは平塚から八王子に続く道にある石仏や寺院等を見学し、石仏を調べる会の方々や学芸員の先生がいろいろ解説してくださるという事をしていた。現在は祭りを見るという企画をやっていて、神奈川県内のいろいろな場所に出かけて、祭りを見学している。
 他にもいろいろな行事があります。博物館の展示を見るだけでは物足りない方、博物館の行事に参加してみることをお奨めします。博物館の展示ですが、今は展示解説ボランティアの会の方々が交代で博物館に詰めており、この方々の話を聞くことでいろいろ勉強になると思いますので、一度見たからもういいやと言わずにもう一度見てはいかがでしょうか。

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