本当に安全!?学校給食で牛肉の使用再開


神田



 2月21日、平塚市教育委員会は4月から学校給食の献立に牛肉の使用を再開すると発表した。  使用する牛肉は、食肉衛生検査所が発行した検査証明書で安全が確認できるものに限る。検査証明書は事前に納入業者から提出させるとともに、業者指導をさらに徹底する。デミグラスソースやカレールーなど、製造または加工に際し、牛由来原材料を使用する食品等については、国から引き続き使用しないよう通知があるため、使用を自粛。なお輸入牛はO-157発生以来使用していないということだ。

■再開決定までの経緯は…

1 昨年9月10日に牛海綿状脳症の疑いのある牛が見つかり、9月18日に牛肉の使用を自粛。
2 10月18日に全頭検査体制が始まり、国より「安全宣言」が出されるとともに、従来の取り扱いに戻すなど適切な対応をとるよう10月18日と本年1月23日に指導があった。
3 12月市議会で議員提案による「牛海綿状脳症の発生に伴う対策を求める意見書」が採択され、この中で学校給食において牛肉などを使用するよう求められている。
4 県内7自治体(横浜市・川崎市・横須賀市相模 原市・座間市・伊勢原市・清川村)では、すでに牛肉の使用を再開している状況もある。

 しかし平塚市では、給食用の国産牛肉は月3400円の給食費の枠内で、10社もある納入業者で毎月競争入札をして決められる。毎月、産地・えさの種類・解体業者・流通経路などが変わるわけだ。ラベル偽装が問題になっている食肉業界を相手に、どこまで安全性を管理・追及できるか不安だ。
 また2の安全宣言の後、11月、12月に2頭目、3頭目が見つかり、混乱を生じさせた国の指導に従うのは、神奈川県37自治体のうち7自治体しか再開していない現状で、時期尚早だと思う。      
 さらに3市議会で同意見書を提出した陶山議員の発言を読んでいただきたい。 「学校給食で牛肉を食べさせないということは、家でも、お母さん、学校給食で今度牛肉を食べさせなくなったんだよということを、やっぱり家に帰って来て子供は言うと思うんですよ。ああ、じゃ、新聞やテレビでやっている通り大変なことだから当分はよしておきましょうって。(途中略)文部大臣もちゃんと通知を出しているんですよ。それでも動かないんです。それは何かというと、父兄が不安だから。不安だと言っていても、ざっくばらんな話をしますと、この間、平塚市の『でてこいまつり』で肉を出したんですよ。子供がずっと並びましたよ。あれは食べていないから並んだと思うんですよ。食べさせていただきたいということなんです。」
 給食で牛肉を使えば親たちも安心して食べるようになる。そして子供が食べたいというから食べさせる。そんな、子供たちを踏み台にした、根拠が安易な意見書が採択されてしまったのです。 

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