1.石油ドライ機
■石油系ドライソープQ&A
- 溶剤を蒸留しないのにソープがなくなるのはなぜですか?
洗浄溶剤をきれいに管理するエレメント内部の洗浄剤が、色素や油脂・皮脂・脂肪酸を吸着すると同時に、ソープも吸着するためです。
又、衣料も洗濯中にソープの一部を吸着します。(風合い効果)
清浄剤が吸着するソープの目安は、エレメント内部にある活性炭類の重量1kgあたり400ml〜500mlのソープを吸着するものと考えて下さい。
- 湿度が高い梅雨どきに、洗浄時に異常な泡立ちをするのでソープの使用を控えるが、泡立ちが少なくならないのはなぜですか?
溶剤中のソープ濃度が不足している場合、衣類より水分が多く持ち込まれると、泡立ちが高くなります。ドライソープを追加し、適正濃度を維持して下さい。
ソープの飽水能力以上に水分が入ると、泡立ちが高くなります。又、油脂類等の有機成分が多くなりますと、ソープの飽水能が低下し泡立ちは高くなります。
撥水撥油効果のある「フッ素樹脂系撥水剤」が混入した場合は、それ自体が泡立ちの原因となります。(蒸留以外に除去不能)
- ソープをたくさん使うと、エレメントの寿命が短くなるのはなぜですか?
ソープによる溶剤洗浄性が良くなり、汚れが多くフィルターを通過するため、負担となるからです。
又、ソープがエレメント内部の清浄剤を飽和状態にするため、色素等を吸着する能力が低下することも一因です。
- ソープをたくさん使うと、溶剤が透明に管理できないのはなぜですか?
ソープは、汚れを落とし再汚染を防止するための浸透・吸着・分散・可溶化作用があります。ソープが、エレメント内部の清浄剤を飽和状態にするのを早め、色素等を吸着する能力が低下する作用に加え、取り込まれた色素を分散作用により引き出してしまうためです。
- ソープ原液の色相が濃いと、溶剤が透明に管理できにくいのではないでしょうか?
標準使用濃度は原液使用ではなく通常0.5%〜1.0%くらいです。ソープの色相は溶剤の着色に関して直接要因とはなりません。
- ソープを使うとシミ(スエール)の原因になるのでは?
ドライクリーニングでのシミ(スエール)の原因には2種類あります。
- 水によるもの
水分がタンクないの溶剤底部に分離残存していた状態や過多な水の使用の条件下でソープを中途半端に使用した場合。
- 不揮発性残渣(管理基準2.5%以下)によるもの
ソープを必要以上に使いすぎるのはよくありません。(標準使用濃度の2倍程度では問題になりません)それよりも鉱物油(機械油、グリス等)類が溶剤に混入すると、蒸留以外に除去出来ませんし不揮発性残渣が上昇します。
機械油等が付着した作業着は、蒸留器がない場合ランドリーで処理して下さい。
- 標準ソープ濃度を守って洗っているが、汚れ落ちと白冴えが悪いのはなぜですか?
良い洗いをするための条件がそろっているか確認しましょう。
(ドライクリーニングは水洗いとは違い、汚れを落としながら濯いでいることを忘れずに)
- 機械的作用が充分に働いていますか
- 適正負荷量になっていますか
- 洗浄時間が短くないですか
- フィルターは正常に働いていますか
- 交換限度内での圧力になっていますか
- 洗浄溶剤の色相は許容範囲内ですか
- 溶剤流量は充分にありますか(循環ポンプは消耗部品です)
- 被洗物の分類仕分けは行っていますか
- 複合タイプのドライソープを使用していますが、静電気が起こるのはなぜですか?
溶剤中のソープ濃度が低下しています。