動作原理


 スケルトンスロットだという説もありますが、私は単なるループアンテナだと考えています。

 ループアンテナの場合、給電点に180゜位相の異なる電位が給電されるならば(完全にマッチングがとれていれば)、給電点から等距離の場所でも電流が最大になるのは自明です。ショートしているようなものですから。したがって、ヘンテナのように給電点がずれてもマッチングがとれれば3つのエレメントはすべて電流最大の部分になるわけです。この3つのエレメントのアレイとして指向性は説明できると思います。おのずから垂直面での打ち上げ角はかなり低く抑えられるはずで、これがヘンテナのゲインの秘密だと考えています。

 インピーダンスに関しては電子通信学会に発表された論文「スイスクワッドとヘンテナの放射特性」に詳しいので、そちらをご覧下さい。実は私はこのモーメント法なる計算方法は良くわからないのですが、かなり実測データに近い値が出ているようなので正しい計算方法なのでしょう。こうした専門の方にもヘンテナが認知されたことはとても嬉しいことです。


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