共産主義の崩壊


 1990年のベルリンの壁崩壊から始まった、共産主義の崩壊は歴史的必然であった。もともと生産を維持するためにノルマを設けることなど、原理的に無理があったのである。

 これはまた、計画経済の不可能性を証明したということもできるだろう。人間は全知全能の神ではないので、すべてを見通して社会の発展を導くことなどできないのだ。理想主義は美しいと同時に弱いものなのである。限りないトライ&エラーによって様々な可能性が試され、淘汰されてゆく資本主義=修正主義=弱肉強食主義の強さがまた証明された歴史的事件であったともいえよう。


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