善と悪について


「何が良いことで、何が悪い事なのでしょうか?」 これがそれに対する解答です。


●みなさんは善と悪について考えたことはありますか。善とは良いことであり、悪とは悪いことです。これは当たり前のことです。では、どんなことが善で、どんなことが悪なのでしょうか。

●答えは簡単です。「すべての人の幸福を実現するのが人類の目的」なのですから、その目的にかなっていることは良いことであり、逆に少しでも人を不幸にすることは悪いことなのです。

●わかりやすくするために、具体例を挙げてみましょう。

●人の物を取るのはいけないことです。取られた人がいやな思いをするからです。

●人にプレゼントをあげるのはいいことです。もらった人が嬉しい気持ちになるからです。

●人を殺してはいけないのは、法律で禁止されているからではありません。その人の将来や、その人の家族の幸福を奪ってしまうからです。

●自殺するのはいけないことです。なぜいけないのでしょうか。「すべての人の幸福を実現するのが人類の目的」なわけですが、この「すべての人」の中には当然あなたも入っているのです。あなたが幸福にならなければ、「すべての人の幸福を実現する」ことができるわけがありません。また、もし自殺をしたら、あなたの家族をどんなに不幸にするかわかりません。

●暴力は悪いこととされています。なぜでしょうか。もしも人を殴っても良いことになったら、あなたはいつ殴られるか常にひやひやしていなくてはなりません。毎日がそんなだったらきっと神経がまいってしまうことでしょう。ですから、お互いに安心して暮らすことができる世の中をつくるためには、絶対に暴力を許してはならないのです。

●人を差別することは悪いことです。差別を認めてしまったら、あなただっていつ差別されるかわかりません。

●人をいじめることは悪いことです。いじめを認めてしまったら、あなただっていついじめられるかわかりません。

●発明や発見をするのは良いことです。それによって今まで出来なかったことが出来るようになるからです。

●戦争は悪いことです。多くの人の命を奪うからです。

●クラスがまとまって歌を歌うのは良いことです。それまで経験したことのない新たな喜びを体験できるからです。

●みんながまとまって何かをやろうというときに、一人だけそっぽを向いているのは悪いことです。みんなのやる気をそいでしまうからです。

●楽しい冗談を言うのは良いことです。周りの雰囲気を明るくするからです。

●つまらない冗談は言うべきではありません。周りの人の迷惑になるだけですから。

●美しい絵を描くことは良いことです。見る人の心を豊かにしてくれるからです。

●友達の気にしていることを言うのは悪いことです。人の心を傷つけるからです。

●さて、何が善で何が悪かはわかったことと思いますが、それではなぜ、この世から悪はなくならないのでしょうか?

●それは、人が「他人の幸福よりも自分の幸福を優先させようとする」からです。

●これは人が生物である限り仕方のないことです。あらゆる生物には自分を保とうとする本能(自己保存本能)があるのです。これがなければとっくの昔にその生物は滅んでしまっているでしょう。ですから何かしら利害の対立することがあるとき、数少ない例外を除いて自分に有利な行動を選択するのです。

●しかし、もちろんそれがすべてではありません。生物にはその種を保とうとする本能(種族保存本能)もあります。

●私達は、「自分が幸せに生きたいという気持ち」と「人類全体の幸福を望む気持ち」と、この両方を併せ持っているのです。

●「自分が幸せに生きたいという気持ち」を「エゴ」といいます。

●「人類全体の幸福を望む気持ち」を「愛」といいます。

●そして、我々はこの両方を適当にバランスさせて生きています。

●しかし、時にこれが対立して、どちらかを選択しなくてはならない場面に立たされることがあります。そうなると普通、人は「エゴ」を優先します。そういう選択をするとき、人は罪悪感を感じることもありますが、これは人も動物であるかぎり仕方のないことなのです。

●だからといって、「自分はエゴ丸出しで生きてゆくんだ」と開き直っていいというのではありません。それでは決して本当の幸福は得られないでしょう。

●自分の幸福と同じように人の幸福を考えられるようになることが理想なのです。

●自分の幸福を犠牲にしてまで他人のために尽くせというのではありません。考えてもみてください。自分一人幸せになれない人が、他人を幸福に出来るわけがありません。

●あなたはまずあなたが幸福になる道を見つける必要があります。そしてあなたが幸福であるなら、少しでも多くの人を幸福にしてあげられるよう力を尽くすことが大切なのです。


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