Last Up Date 2002.02.01          

日記を物語る 2002年01月INDEXホームに戻る             


01月30日(水曜日)  

明治大学。「国語」定期試験。試験監督のアルバイトの院生に補助の先生まで動員されて僕のは2教室で実施。民法、刑法と言う単位修得難関の必修科目と重なり気の毒ではありました。テストの後に感想や御礼を書いて下さったみなさん。どうもありがとう。

01月31日(木曜日)  

「小右記」の注釈作業を完了しました。


01月01日(火曜日)  

静かに年が明けました。今年もよろしくお願いします。

01月02日(水曜日)  

外は雪が降っています。僕はもちろん、箱根駅伝テレビ観戦。午後は原稿。「ありきそめにし『源氏の物語』」。ほぼ完成しました。

01月03日(木曜日)  

箱根駅伝。襷を繋ぐと言うシンプルなルールながら、体調をピークに整えて、自身の限界を測定しながら走るのはなぜか人生に似ている。勝者があれば敗者もあり、シード落ちして予選会に回るのもまたよし。外は雪があっと言う間にアイスバーンに変わり、日の高いうちしか車を出せなくなっています。

01月04日(金曜日)  

ここ二、三年、市町村単位で温泉が造られたため、各温泉巡りを計画していましたが、雪のため僕の車では走行も危険と判断、新幹線佐久平駅のそばのホテル系のところにしました。せっかく最上階にあるのに外が見えないのが難点。その後、親戚のみなさんと乾杯。のぼせていたせいか、すっかり酩酊しました。

01月05日(土曜日)  

長野県内雪の予報のため、ころあいを見計らって車を出す。まだ、高速道路も対面通行の区間があり(3月までに全線一方通行開通のようですが)、恐怖の雪道高速運転の予定が、道路公団の除雪車が道を占めていて、50k規制をきちっと守って走りました。約2時間45分かかって帰宅しました。たくさんの年賀状、ありがとうございました。

01月06日(日曜日) Thanks 81000 Hits!!  

そろそろ年内に締め切り分の原稿に《ケリ》をつけようと一念発起。『源氏の物語』製作の彰子後宮と『源氏』の「絵合」「梅枝」巻の「さうし」について。終ったら弾琴。「関山月」「陽関三畳」。

01月07日(月曜日)  

伏見靖氏の壬午一月 幽琴窟琴學日記に学び、一日一回は琴に触れることにした。そんな一日です。

先日再放送の「甦る『源氏物語絵巻』」のビデオを見ていたところ、かつて発表も拝聴したことのある、美術史学界の最も耀ける星・千野香織氏の訃報に接する。いまだに信じられない。著作を取り出して机の上に置いたばかりでしたから。合掌。

01月08日(火曜日)  

しばし、原稿の方は締め切りもないので充電期間に入ります。でも月末に『小右記』のレポートがあって、テストの採点と被るとたいへんかもしれません。深夜まで、明日返却のレポート100通全部目を通しました。

01月09日(水曜日)  

快晴。明治大学。先日のレポートを返却しました。おおよそ前日読んだばかりだったので記憶も鮮明、内容に応じて感想やアドバイスをする。授業は、その昔の『朝日ソノラマ/三島由紀夫の死』のソノシートをMDに落としておいたものを聴く。若き日の石原慎太郎、川端康成に中曽根防衛庁長官の談話、さらに日本の文化を語る在りし日の三島の肉声など。『文化防衛論』も読み終えました。どうも試験が刑法・民法と言う単位獲得超難関科目と同じ日らしく、彼らにとっては本年度、最大の決戦の日となるようですね。コンパは同日夕からとお声をかけていただきました。検討します。

01月10日(木曜日)  

明治大学「論文演習」の渾身の評論集をアップしました。

01月11日(金曜日)  

本日も快晴なり。明治大学。「論文演習」は「和泉の二年間で得たもの」。先日のレポートをWeb上で確認するとみんなうれしそうで何よりでした。真っ青な空のもと、表参道の坂道が美しい。青山学院女子短期大学。「国文学特講」は日本音楽史を平曲まで、「古典講読」は「夢の浮橋」まで。たっぷり『源氏物語』漬け、如何でしたか。

01月12日(土曜日)  

所沢の松井公民館で古典に親しむ会。『源氏物語』「少女」巻を読了しました。

01月13日(日曜日)  

余明先生のスタジオでレッスン。夕方からは池袋で先生を囲んで門下生のみなさんと新年会。二胡はベテランの方、琵琶は女性、そして古琴は男性の生徒さんとくっきり志向性が分かれていました。でもやはり、ハートに余裕がないと音楽はできないこと、これはみなさんとの会話の中から実感したことです。

01月14日(月曜日)  

終日完全オフ。この日記のコンセプト上では書き記すべきことがないということです。

01月15日(火曜日)  

渋谷で『うつほ物語』の会の打ち上げ。また春にお会いしましょう。

01月16日(水曜日) Thanks 82000 Hits!!    

水曜日は最後の明治大学。講義はオプションで、参加希望者のみ、三島由紀夫の『憂国』を見る。事前にレクチャーしましたが、やはり強烈だったようですね。2時間目は八割以上の出席者がありました。

現在構想中の法科大学院構想によって、司法試験合格に向けて実績のある先生の引き抜きも本格的に始まったようですね。昨年度の司法試験合格者は27名で、大学別では八番目だったとのことです。この春は唖然とすることが頻発している状況です。

01月17日(木曜日)  

物語研究会のページ更新しました。明日はセンター試験のため来週に開催されます。

01月18日(金曜日)  

明治大学の「論文演習」はレポート提出。青山学院女子短期大学もテスト。一年間ご苦労様でした。一休みして慶應で小右記の会。次回は僕がレポートします。

01月19日(土曜日)  

白百合で『浜松中納言物語』の注釈。「梅の木のかぎりあると聞く山に行きて見れば」の典拠について。その際、松浦さんに昨年購入して頂いていた『特別展 国宝 寝覚物語絵巻−−文芸と仏教信仰が織りなす美』(大和文華館.2001年)を入手しました。収載の『竹取物語』の断簡三葉は、流布本系に対立する、古本系の祖本と認定すべきもの。僕の修士論文は、このツレ六枚の本文批判でした。これは根幹部分を『日本文学研究/三十号』にまとめてあります。新出断簡も僕の結論を補強できるものばかりでひと安心。

01月20日(日曜日)  

明日の明治大学の「国語」のレポート100通を終日読みました。

01月21日(月曜日)  

泣いても笑っても今季最終日の明治大学。明日からは補講期間、テストと来て一年が終わります。「国語」はレポートを返却しつつ『文化防衛論』を読み終える。「論文演習」は「和泉の二年間で得たもの」。みんなとってもすばらしい宝物をもっているようですね。

さっそくアップして挙げたいところですが、パソコンがダウン。あわてて古いパソコンでこれを書いています。メールアドレスもすべてダウンしていますから、特に用事なくともメールを頂戴できればありがたい。なにはともあれ毎日百件を越えるアクセス、細々とではあるけれども書きつづけるつもりです。でも春までの間、しばらく発展性のある話はありませんので、あしからず。

01月22日(火曜日)  

校正もありますが、なにせパソコンを使えるようにしておかないとレポートも読めない。ほとんど眠っていたパソコンにあれこれと再インストールし、サービスセンターと連絡を取り(これがなかなか繋がらない)、一日が終わった感じ。NHKの「プロジェクトX」は農村医療の先駆け佐久病院の若月俊一元院長(91)の物語。美しい浅間山と農家の前近代的な生活様式も高速交通網の開通で大きく様変わりしましたのが実感です。

01月23日(水曜日)  

論文の写真図版掲載の許可を得るために、京都・仁和寺、京都国立博物館、淡交社編集部と電話する。どうやら手続きをきちんと踏めば掲載は可能のようでひと安心。きわめて美麗な写真を精選しましたので、お楽しみに。

角川書店飛鳥企画の高橋さんより、新刊の角川文庫ソフィア『蜻蛉日記』『徒然草』を頂戴すると共に、昨年の角川賞の時の集合写真をお送りいただきました。受賞者の藤井夫妻を始め、総勢24名の豪華キャスト版。これはレア物です。

01月24日(木曜日) Thanks 83000 Hits!!   

『狭衣物語』の論文の校正。深川本、内閣文庫本、為家本、元和九年版本、それぞれの本文の漢籍引用箇所を校合する。作業中、だんだん恍惚とした気分になってくるものです。神経を張りつめていないと出来ない作業ですから、ときどき外に出て春の日差しの武蔵野の森を歩く(僕の家の側には、妙音沢と言う琵琶の秘曲伝承のある沢もあるのです)。さて、これだけ異文があるとそれぞれの改作の方法が鮮明になって、なかなか面白い作業ではありますね。

昨日依頼した図版転載の件で、関係者よりお電話を頂戴し、「著作権継承者の許可を取って下さい」とのことで、住所まで教えていただく。過ぐる昭和の時代の企画刊行物であったため、電話番号も代わっていましたが、さっそく電話を差し上げると、なんとご本人が受話器を取られた模様。古典の教科書を開いたことがある人(つまり戦後生まれの日本人のほぼ全員)が、その模写図版でお世話になったことのある、ある古筆家の当主でした。以前、お会いしたことのある、小松茂美さんの古武士然としたオーラとはまた異なった、穏やかな口調ながら毅然とした物腰で、僕の論文の構想やら、出版物の性格、企画意図などをきちんと確認してからお返事くださるとのこと。これが実現することを切に祈りつつ。

01月25日(金曜日)  

校正は完了。机辺を機能的に使えるように整理する。夕方は、文法関係の勉強会に出席。論理的に考え、分析し語ることの難しさを実感しつつ帰宅の途につきました。

01月26日(土曜日)  

曇天から雨交じりの空。日大文理学部で物語研究会。話題となった「卯杖」ですが、その絵が『新潮古典集成』の付録に見えると言ったのは僕の勘違い。池田亀鑑『全講枕草子』(至文堂)の「図録篇」でしたので、この場で訂正しておきます。

01月27日(日曜日)  

新たに校正が一本届く。昨日の「卯杖」に関して、中村義雄先生の『魔よけとまじない−−古典文学の周辺』(塙新書、1978)を読み返しつつ、在りし日の先生を偲ぶ。古典研究者には必ず備えて欲しい本のひとつです。ちなみに問題の「浮舟」巻の本文は「卯杖」ではなく「卯槌」で解釈してありました。

01月28日(月曜日)  

藤原実資の『小右記』の資料作成にいそしむ。勉強することがたくさんあります。

01月29日(火曜日)  

先日の図版について掲載許可証を頂戴しました。安心。午後は母校で「元輔集」の注釈作業。屏風歌に「貫之集」「中務集」の和歌が混在しているあたり。勉強になります。そういえば、昨日「朝日新聞」の夕刊「惜別」に千野さんの記事がありましたが、彼女も中村義雄先生の東大非常勤時代の受講生だったと聞かされました。世の中狭すぎる。。


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