姫島 2000年5月2日
Himeshima Island on May 2 2000

おだやかな西瀬戸の海に、霞にけむる姫島が浮いている。春の瀬戸内海は時にこのように静かになる。まるで湖のようだ。琵琶湖の西岸の唐崎の名を詠み込んだ伊勢の歌、「浪の花 おきからさきて ちりくめり 水の春とは 風やなるらむ」(古今集巻第十)が思い浮かぶ。春も盛りを過ぎたこの日は風もなく、波もない。この歌の琵琶湖よりも穏やかだ。