戒壇院
Kaidan-in Hall of Todai-ji Temple

創建当初の戒壇院は焼失し、現在の戒壇堂は享保十七年(1732年)に再建された。四天王はもとは銅像であったが今はなく、天平彫刻の最高傑作といってよい今の四天王さんは東大寺の中門堂から移られたとのこと。
『僕は一人きりいつまでも広目天の像のまえを立ち去らずに、そのまゆねをよせて何物かを凝視している貌を見上げていた。なにしろ、いい貌だ、温かでいて烈しい。・・・・・「そうだ、、これはきっと誰か天平時代の一流人物の貌をそっくりそのまま模してあるにちがいない。そうでなくてはこんなに人格的に出来あがるはずはない。・・・・・そうおもいながら、こんな立派な貌に似つかわしい天平びとは誰だろうかなあと想像してみたりしていた。』(堀辰雄「大和路」)
いつも名調子で解説してくださる案内の方はお元気だろうか。右側の木が植えられているところには以前は松の木が立っていたが、枯れてしまったのか。