露出計

露出計

   135サイズのカメラでは、古いものでなければ露出計が ついているのが当たり前。被写体の明るさを18%標準反射に換算して基準露出値を出してくれる。さらにNikon F5,D1では色による反射率の差まで補正して基準露出値を出してくれます。こんな時代で、単体露出計をなぜ使うか。私の場合リバーサルフィルムが中心ですので、約5EVの有効露光域の中に収めるために使用しています。左の写真にあるものは、フラッシュメーター、スポットメーター、カラーメーター。Minoltaのものが多いのは、バッテリーサイズが共通で露出傾向が揃っているだろうの期待でこうなってしまいました。入射光式のフラッシュメーターは、風景を撮るときには使うことは まず ありません。ポートレートを撮るならば 入射光式がもっと活躍するのでしょうが、私の場合、下の写真のような静物を撮る際に照明比をみる程度です。かなり贅沢な使い方です。

   一番使うことが多いものは、スポットメーターです。つぶれさせたくないシャドー部を測定して、それを有効露光域の底部として使用するシャドー基準露光、逆に飛ばしたくないハイライトを再現域の上の方に設定するハイライト基準露光は、これを使用しなければうまくできません。Minoltaのスポットメーターには、この露出値の演算をボタン一つで行なえる便利な機能がついています。また、マルチポイント測光ができるので測定ポイントが有効露光域内に収まるかの確認もできます。これと同じような機能を、このほど販売を終了したOlympus OM-4のスポットメーターのハイライト、シャドーボタンが持っていて、TTL-AEで使える便利なものでした。OM-4以降のカメラの多くはスポット的測光エリアを持っているので、演算は 自分でしなければなりませんが、マニュアルで同じことができるようになっています。

阿弥陀如来像

   もう一つのカラーメーターは、めずらしいかもしれません。御存知のようにフィルムにはDAYLIGHTタイプとTUNGSTENタイプがあります。これは基準色温度によるフィルムの違いです。フィルムの色バランスは光源によって崩れるために、この様な種類が必要なのです。ホワイトバランスという方法でデジタルカメラの場合は、これを行ないます。リバーサルフィルムではLBとCCフィルターを使用して、これを補正します。(CCフィルターはフィルム自体のカラーバランスの補正にも使用しますが、これは別の話としましょう)この補正値を算出するために使用する測定器がカラーメーターです。MinoltaのカラーメーターIIIF は、この前のII型と違いフィルター番号が、そのまま表示されること、測定ヘッドを取り替えなくても定常光、フラッシュ光が測定でき、さらにミックス光測定もできるようになってより便利になっています。

聖徳太子

   実は、このメーターが必要になった理由は、右上のような掛け軸の複写をしなければならなくなったためなのです。古いものなので、持ち出すこともできないし、強いライトも使えないので、定常光での室内撮影になるためカラーバランス調整をしなければならなかったためなのです。(趣味でやるべきことではないのです)

   風景写真を撮る場合ではLBやCCを積極的に使用して、より色の強調をするためのカラーバランスの参考値としての使用もできるのですが、私の撮影法では、まず使用はありません。見た感じに近づけるため夕景で水銀灯や、蛍光灯のかぶりの補正値を得るための使用程度です。これまた贅沢品です。


TACフィルター、ホルダーとカラーチャート

  追補;
  カラーメーターについて触れたのですから、もう少し補足をした方が良いかと思いましたので。メーターの使用方法についてはMINOLTAの取扱説明書はとても良くできていて、一緒についてくるガイドブックと併せれば十分な資料です。ただし、一つの資料では理解に偏りがでる場合があるので、補助資料としてフィルムメーカーの出している資料が有効で、私はFUJIFILM のFILTER GUIDEが大変参考になりました。
  カラーのコントロールをするフィルターとしては、Light Balancing Filter(LB)とColor Compensating Filter(CC)の2種類があり、LBフィルターは色温度の高低をコントロールするフィルターで、CCフィルターは色を調整するフィルターでY,M,C,B,G,Rの6種類があります。


  これらはシートフィルムでゼラチンフィルターやTACフィルターとして販売されていますので、ゼラチンフィルターホルダーなどにいれて使用します。フィルターの重ねての使用枚数は光学特性の影響を小さくするために、2枚程度になるように換算表をもとに設定していきます。
  参考;LBフィルターの特徴
  雨の日は青っぽく、朝夕は黄燈ぽく発色することは、リバーサルフィルムを使用したことのある方は経験されているでしょう。これが色温度の違いによるフィルムの発色差です。(人間の目は順応能力で補正してしまうので、色の差がわかりにくいのです。)この様な場合の補正に使用します。青っぽくかぶる場合は、アンバー系のLBフィルターで色温度を下げてやる、黄燈みの場合はブルー系のLBフィルターで色温度を上げるというような使い方です。

  参考;CCフィルターの特徴
  色の偏りを調整するためCCフィルターはY=M+C,G=Y+C,R=Y+M の関係で、Y,M,Cですべて対応可能なのですが、前述のように光学特性の低下を避けるため、重ね枚数の削減には必要なのです。また、微妙ですがカラー表現に違いがあるので、利用するプロの方もいらっしゃるそうです。
  フィルムの場合、乳剤番号、保存方法や相反則不軌によるバラツキあるので、テスト撮影によって、その調整量を事前に調べておくことが必要です。しかし、現在の汎用フィルムでは、それほど大きなバラツキはなく、プリント時に補正できることも考えると、光源による大きな偏りを補正する程度で良いともいえます。特にミックス光では、そのどちらかの影響を取っておくだけでも、後の仕上がり結果に好結果が得られます。


  補足;
  物体からの反射した光が知覚されることによって色として認識されています。人間の目には基本的に周りの明るさによって色の認識がずれる明順応と暗順応があり、黄色の認識によって顕著な差を生じます。また、色に対してはどちらかというと一般には記憶色との違いで論ぜられることが多く、カラーメーターでの絶対値による補正値が、必ずしも正しい色として認識されないということも知っているべきです。
  被写体の再現色の問題が予想される場合には、基準としてのカラーチャートを写し込んでおくことが有効です。厳密にはマクベスを使用するのですが、高価ですからKodakのColor Separation Guide and Gray Scaleを使用します。その撮影時の前後の駒に被写体と一緒に写し込み、色再現時の基準とします。

  参考資料;
MINOLTA;
    COLOR METER IIIF 使用説明書
    COLOR METER IIIF GUIDE BOOK
FUJIFILM;
    FUJIFILM FILTER GUIDE
玄光社;
    フィルター・テクニカル・ガイド(絶版)
    カラー露出ハンドブック(絶版)
    続・カラー露出ハンドブック(絶版)

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