おわりに

 私が述べた内容は、「少年サッカーのチームはこうあるべきだ」という部分までが理論であり、実際、これを具体的に実施するための内容に関しては、指導者に対して提言するものである。つまり、この論文自体が指導者に対するP・Cの役割をなしている。したがって、できることなら、このようなチームへと変革されることを望むが、最終的な決断は指導者に委ねたいと思う。
 私の書いた論文は、確かに経済、あるいは経営について学ぶ人が読むものであるかもしれないが、それ以上に、サッカーをこよなく愛し、またみずからサッカーを楽しんでいる人、そしてサッカーを指導する立場にいる人に読んで頂きたいものであると考えていた。したがって、できる限り分かりやすいことを、分かりやすく書いて、その中で自分の議論を進めていこうと努力した。これは逆に、東京都立大学の経済学部の教授等各教官の方にとっては、当たり前のことを書いているように感じたり、表面的なことを書いているように感じ、不評を頂くかもしれない。でも、それ以上に、私の思いが強かったことを理解してこれを論文として見て評価して頂けたなら幸いである。
 次に、ここでは幾つかの少年サッカーの指導の例、チームに起こった問題の事例などを取り上げた。また、幼体連の指導員の方々から得たアンケートも幾つか採用させて頂いた。そうした幾つかの具体的事項の中にはあまり良くない事例として取り上げたものもある。幼体連の指導員の方々に大変お世話になっておきながら、みずからの考えを理論的に推し進める上で、直接、間接かかわらず指導員の方々を批判したと言うことは私自身、非常に心苦しいものであった。この場を借りてお詫びを申し上げたい。そして、この論文を書くに当っては永山F.C.で経験したことがとても重きをなしている。このような経験を与えてくれたチームの監督、内田光義氏、子供たち、幼体連の各指導員の方々ほか皆さんにお詫び以上に深くお礼を申し上げたい。
 さて、このように、こうした信念を貫き、論文を書いていったことについて、暖かく見守り、まさに「援助者」となってくださった担当教官である桑田耕太郎先生には大変感謝している。先生には、ゼミ以外にも、様々によき話し相手、スポーツ仲間となって頂き、大学生活の後ろ半分は、先生のお蔭で非常に充実したものになった。「大変お世話になりました。本当にありがとうございました。」
 また、桑田ゼミの仲間、特に同期のみんなにはとても感謝している。事故にあったときも、彼女にふられたときも、暖かく声をかけてもらい、大変に励まされた。今後はそれぞれ企業に就職し、それぞれに違った道を歩むことになるだろうが、同じ勉強を友にしてきた仲間として、お互いに励ましあい、助け合える仲間でいたいと思っている。一風変わった奴ではあるが、困ったことがあったらいつでも連絡して欲しい。本当にありがとう。


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少年サッカー指導コラム「おわりに」
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