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少年サッカー指導コラム
昨年のさわやか杯東京都中央大会を振り返って その1

 ようやく、私の念願でありました、永山F.C.のホームページが立ちあげられました。ひとまずは皆さんに感謝いたします。ありがとうございます。
 なお、ご意見は私のメールTH7M-KBYS@asahi-net.or.jpまでお送りください。お待ちしております。

 さて、コラムにうつりましょう。
 先日、ホームページを作成している途中で、自分のMOの中に保存してあるデータの中に、ある文書を見つけました。それは、昨年の6月頃、この3月に卒業する6年生に向けて書いた文書でした。
 今回のコラムは、それに関するお話としたいと思います。
 じつは、彼ら6年生は、昨年の夏の全日本の東京都第11ブロックの予選で惜しくも4位となり、中央大会への出場を逃しました。私も、その試合のベンチにいながら、残念な思いで試合を見ていた事を覚えています。
 ただし、彼らは非常にいい試合をしていました。そういう意味では、かなり満足度の高い内容であったことは事実です。そういう意味でも、「彼らの実力なら、中央大会でいい試合が出来る、だからこそ、より内容を良くして、いい舞台で試合をして欲しい」そう願って、課題などを記した文書を6年生のみんなに手渡したと言う訳です。
 当時、彼らは自主練習を行なっていました。正直なところ、通常の練習以外のところでは、サッカーは遊び程度に楽しんでもらいたかったのです。しかし、負けた悔しさと、次の大会で結果を出したいという一生懸命さに対しては、コーチとしても手助けの道を与えてあげるべきではないかと思ったのです。
 さて、構成として以下のような内容を記載しました。
  1. 全体的な感想
    • 左足をもっと使えるようになろう
    • キックの種類を増やそう
    • ひとつひとつのプレーにつながりと流れを持たせよう
    • 出来るポジションを増やそう、ポジションに対する理解を深めよう
  2. 個別・ポジション別のコメント
 内容的には、長所を伸ばすと言うより、欠点を指摘する内容であったと思います。ただ、「欠点がなおらないからダメ」と話すのではなく、「・・・が出来れば、もっとこんないい事があるよ」と言うような内容としました。

「左足をもっと使えるようになろう」に関して
 (今年のメンバーは左利きが少ないことに触れ)・・・(中略)・・・ということは、右利きの選手がどれくらい左サイドをカバーできるかにかかっているのです。
 おもちゃの左足ではこれから先、上のレベルでは通用しません。
 せっかくのいい機会ですから、左足のリフティングや、コントロール、キックを身につけてはどうでしょうか。プレーの幅も広がるはずです。


「キックの種類を増やそう」に関して
 左足が使えないのはまだしかたがないとしても、右足のキックがいまいちでは厳しい。
インステップ、インサイドはもちろん、アウトサイドの強いパス、調節されたスルーパス
さらにはインサイドやトゥ・キックを使ってふわりと浮かすキックも出来るようになって欲しい。
 ポイントは膝から下の足のふりと上半身の位置。(おへそが前をむくか上を向くか)
 バックパスをドカーンとクリアキックするのもいいけれど、練習とかでよゆうのある時には空いたスペースへぽとりと落とすパスが出来たらかっこいいと思うんだけどな。
 日本代表、ベルマーレの中田、20才以下代表、マリノスの中村のプレーはとっても参考になる。

「ひとつひとつのプレーにつながりと流れを持たせよう」という内容に関しては、問いかけもしてみました。
・自分に来たボールは止めるだけ?
 違うよね。もうみんなのレベルだったらくる前に周りを見ることは絶対やっておいて欲しい。その上で、次にどこへボールを運ぶのか、どうやって敵をあざむき、おちょくるか。これをぜひ頭に入れてプレーして欲しい。いつもは遊び感覚で良いからね。
 ドリブルにしても同じこと。トラップ・ドリブルの距離、スピードの調節は・・・くんが一番その大切さを実感しているんではないでしょうか。
 これも先日の日本対クロアチア戦で、両チームの選手を見ていてよく実感できると思います。ボールへのファーストタッチをよく見て下さい。そのコントロールのほとんどがきちんとした意味を持ってます。
 どうしてこの方向なのか。どうしてこの距離なのか。どうしてインサイド・アウトサイドなのか。1回のタッチで前をむいたり、まず周りのよく見える方向にコントロールしているはずです。
 考えるとけっこう奥が深いし、サッカーの見方もよりよくなるはず。

「出来るポジションを増やそう、ポジションに対する理解を深めよう」に関して
・2ポジション以上こなせるようになろう
 なぜかうちのチームはフォワードを指名すると弱気なプレーをする人が多い。
 ここぞとばかりにがんがんシュートを打ってやろうとか、ずる賢くコースをかえて点を取ってやろう、そう考える人はとても少ない。
 点を取ってヒーローになるなんてそうそうないことなんだから・・・。
 もっと楽しもうよ。そのポジションを。そこで一番うまいJリーグの選手をまねるがごとく。
 ・・・(中略)・・・
 あらためてポジションの役割を考えてきちんと整理しなおしてプレーしてみると、それぞれがどう動けば勝利につながるかが分かるはず。
 プレー中は考えなくてもいいから、頭のかたすみにでも入れておけば十分だと思う。

いろいろコメントを述べたのですが、最後にはこの一言を添えました。

コーチはすぐに出来るようになれとは言いません。これ全部とも言いません。 何か一つでも、とにかく課題をクリアしようとみんなが思って 練習にはげんでくれたらそれだけでうれしいです。

このあとに各選手に対してのコメントが続くのですが、それらは割愛させていただくとして、私はこの文書が、秋に向けての何らかのきっかけになればと思っておりました。
結局彼らは東京都4位となるのですが、彼らは、私のコメント以上に活躍してくれたのです。
その辺りの実質的真相に関しては、次回お話ししたいと思います。

少年サッカー指導コラム「昨年のさわやか杯東京都中央大会を振り返って その1」
 
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