サッカークリニック

ベースボールマガジン社編 740円(税込)215頁 毎月3日発売
サッカークリニック  ご無沙汰しておりました。おすすめ書籍第2弾です。今回、および次回は、私がおすすめする雑誌をご紹介いたします。まずは、ベースボールマガジン社から出ております、「サッカークリニック」です。こちらの雑誌、サブタイトルがありまして、「選手と指導者のための本格的サッカー技術専門誌」となっております。永山F.C.の内田監督、藤井コーチなどチーム内指導者が愛読しているだけでなく、幼体連スポーツクラブで定期購読して、各チームのコーチにも読まれています。私もいよいよこの5月から、定期購読を開始いたします。(とはいっても、毎月買っていました。ただちょっとそちらにおこずかいをためてなかっただけだったりして・・・トホホ。)
 さて、前述のサブタイトルにもありましたとおり、この雑誌では、さまざまなチームの戦術分析・練習レポート、選手個々の技術分析、指導に関するコラム、などが掲載されています。つまり、指導者にとっては指導の参考とすべき内容が、そして、選手にとっては、技術的課題や目標のために参考とすべき内容が掲載されているのが特徴です。
 ところで、この雑誌において私が常に関心を寄せているのが、指導者の考え方、選手とのスタンスの取り方、指導者の言葉掛けなどです。ある一つの指導でも、言い方一つで選手の受け止め方は変わってきます。またそれは、選手の年代、個性、性格などによっても変わってくると言えます。そうした部分に注意をしながら読んでいくと、全国各地の草の根的指導者でも、「あっ、これはうまいな」という言葉掛けをしているものなのです。また、ただ単に勝ち負けだけでなく、指導において何が大切かを意識している熱意ある指導者が全国各地にいることを知り、「日本サッカーの底辺もそれぞれで頑張っているんだな」とか、「サッカーに限らず、こうした指導・教育の場があることが、荒廃していると言われている教育現場での救いになっているのかな」などと思ったりしています。もちろん、またそれを励みにもしています。
 指導者的側面ばかり取り上げましたが、この雑誌における、技術・戦術的側面ももちろん見逃せません。選手の好プレーをコマ分けして解説しているページなどは、専門的言葉があってやや子どもには難しいのかも知れませんが、参考に見せながら、かみ砕いて説明することも出来るでしょう。(実際にはやったことが無いのでちょっと反省しております・・・ただ、著作権のことを考えると安易に子どもたちにコピーして配るのも問題です。これは私が印刷・デジタルコンテンツ制作の会社の営業として制作に携わっている経験から強調する部分です。どうかご理解を。)戦術などは、子どもたちには押しつけとなる部分もありますので、よく注意して参考にしなければならないでしょうが、基本となる考え方は、私も参考にしています。また、練習方法も、工夫次第で、子ども向けメニューに置き換えられます。
 このように、私たち指導者にとっては、いや、少年サッカーに関わる方であれば誰でも、何かしら参考になる雑誌であるといえるでしょう。最近、なかなか書店に無くて困っていますが、今月号はゴールデンウイークの帰省中に松本駅の書店で見つけました。
 悲しいかな、余裕で買える(無いところは取り寄せていなかった)という事実に、JリーグおよびJFLチームが存在しない、それどころかジュニア世代向けのクラブチームすらほとんど組織化されていない長野県の、そして松本の、少年サッカーに対する指導、設備や親たちの対応など周囲の環境を、わずかながらであれ、かいま見てしまったような気がしています。

書籍案内5/16 「サッカークリニック」

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