東京・井の頭公園で、5月にまたまたサクラが満開!


デジタルカメラで(疑似)赤外カラー撮影に成功させました!
植物の色、その本質は赤だった。幻想の別世界をつくる新しいもう一つの写真術、”疑似赤外カラー写真術”の開幕です!絵描きは緑の葉っぱは赤く描くべきです。緑の葉っぱが緑に見えるのは人間の身勝手だからです。
だからこれは、幻想ではなく、これこそ植物の真実の美しい姿であるかのように力強く迫ってくるものがあります。私は、カラーサイエンスより、むしろ植物のもつ魔術的なパワーに驚かされます。それにしても、植物は緑の光よりもなぜ赤外線を強く反射させるのでしょうか。樹の根元を乾燥させないようにするためだけなのでしょうか。もっと何か秘密があるように思うのです。

撮影日:1997年5月11日(土)午後
撮影場所:東京・三鷹・井の頭公園

この写真は最近発売されたデジタルカメラ(フジDS300)に14年前につくった特製の疑似赤外フィルターを使用して撮影し、撮影後はマック・フォトショップでカラーバランス及びトーンを調整したものの、緑をピンクに変えるといった特殊な画像処理技術は一切おこなっていない。
これまで新緑を紅葉したように写すには赤外カラーフィルム(コダック)で撮影するしかなかったのだが、それが市販デジタルカメラで可能になった。新緑をサクラ満開の景色(空や池の水は青く)として撮影に成功したのはおそらく世界ではじめてだと思います。

銀塩で成功した色再現法をデジタルに応用したカラーコントロール(カラーキャリブレーション)システムの完成<RWプロスキャンー7>(ケンコー発売)のおまけとして与えてくれたご褒美です。しかし、その現象の発見は1983年(同年の日本映像学会で”クロロレッドフィルターの発見”として発表。映像学通巻28号記載。)です。
このフィルターは、実は、人の目で透視しても、緑の葉が真っ赤に見える。原理は、葉緑素の反射のピークは可視光部の緑と赤末、赤外部の二つがある。そこで、可視光部だけを抑えて見れば、緑の光よりも赤末、赤外線においてはるかに高い反射率をもつ葉緑素は赤くなって見える。当然のことながら、よく知られておらず、またこれまでは赤末光に感じなかったカラーフィルムでは冬景色に写せても緑を赤く写すことはできずにいた。14年前に実験済みである。それが、赤末に感じるデジタルカメラの出現で、現象の発見から14年目に念願がかなえられたということです。
通常の赤や赤外フィルターではこうはなりません。青も緑もごく僅かづつ透過させ赤末に感じる記録材料とのうまいマッチングがあってはじめてこのような美しい撮影が可能になります。(注:疑似赤外カラー撮影法及びフィルターとしてPAT申請済み)
ついでながら、14年前の当時、私は思ったものです。私は反戦主義者ですから誤解しないで欲しいのですが、もし私がもっと早く生まれて(そのフィルターを発見して)いれば、戦況は大きく変わった筈だと。何故なら、モノクロの赤外フィルムを詰めたカメラを積んで飛び立った飛行機が戻ってきて、現像したあと、敵陣がどこにあるかを解析して、おもむろに爆弾を積んだ飛行機が飛び立つという時代遅れはなかった。このフィルターがあれば上空から眺めれば一目瞭然。リアルタイムで爆撃が可能になったからです。いまでもそれは通用する場合があるでしょう。

写しているうちにわかってきたことは、植物もその生命の存在をこのような形で強く訴えているということです。長い間、待っていた。美しく写して呉れて有り難うと喜んでくれているようにも思えます。だから、この発明がエコロジーにつながる写真術として普及発展することを願っています。本格的な撮影はこれからです。地球と自然の美しさを訴える美しい作品をつくりたいものです。 また、このような美しい風景が、誰にでも簡単に写せるカラーフィルムやカメラを世にだして写真と映像表現の可能性を拡大し、人生の楽しみと喜び、自然の美しさと大事さ、自然への愛をあらためて再認識できる方法として、今危機的状況にあるエコロジーにも役立てることができれば素晴らしいと思うし、またできるように思うのです。だれでもが自然を見つめ直すのにもってこいの方法だと思うからです。地球と自然はそれを待っていたのではないかとすら思うのです。

以上は、馬鹿のあと知恵。発見してから14年目にやっとわかってきた何故フォールスでなければならないのかという”フォールス・インフラレッド・カラーフォトグラフィー”のコンセプトです。

発表年月日:1997年5月31日
場所:日本映像学会第23回大会(東北芸術工科大学・山形)にて”銀塩+デジタルのカラーコントロールシステムその2”(・・・既製ネガからスキャナで正しい色再現を可能にする方法の紹介、フォトCDの取り込みでの応用、銀塩+デジタルにおける色再現の総合的考察)の追加発表としてこれを”疑似赤外カラー画像撮影法”としてビデオプロジェクターで投影して報告。




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