ミニラボでも、もう一つのメニューができる
     あとは、これに対応するプリントシステムを整備すればよい。感材メーカーの基幹ラボには、いわゆる、学校写真用のデータを固定して使える機械がある。自動調整の機械は、さきの理由から服装の違いで色や濃度が変わるので困るからで、それを使えばグレイバランスプリントは今すぐにでも実施できる。  街のミニラボの機械はさきのAE機構が簡単には解除できないが、Gネガでグレイバランスをとったそのデータを固定して被写体画像をプリントできるチャンネルを専用につくればよい。いってみれば、マニュアル操作を追加すればよいだけの話であるから、実現は案外簡単な筈であり、そうすれば自動的に、コンタクトと同じ調子の機械プリントが容易安価、迅速に可能となり、操作する人の問題も生じない。  プリントの良否は、グレイの調子で判定ができる。そしてこの方法なら、プリントの仕上がりに対する許容範囲を決めることも可能である。実例をあげれば、さきの<グレイサンプル>には、反射濃度でプラスマイナス0・1の範囲ならOKという暗黙の了解が得られるよう、比色窓に色票が配列されている。また、色調については、CCフィルターガイドで許容範囲を決めることもできるなど、このグレイバランスなら、ユーザーの要求のほとんどは満足させることができる筈である。そして何よりも、カメラと人を裏切らないメニューがつくれる。現状は明らかに時代に遅れをとっている。
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