フォーマットフィルムなら、リバーサル並みの結果がだせる
   ところで、照明光記録法は撮影現場でのいちいちの照明光記録が必要なのが欠点といえば欠点である。もっとも厳密な結果を得るにはいずれにしてもこれは不可欠である。しかし、現在のリバーサルフィルム同様の結果が得られればよいというのであれば、別の方法がある。<フォーマット法>である。  これは、基準光(昼光用には昼光、タングステン用にはタングステン光)をあらかじめ、例えばフィルムのリーダー部にインプットしておき、そこでグレイバランスをとる方法である。おそらく、これが、通常カメラによる決め手の解決法になると私は考えている。(注6)  この方法は<正しい結果>を可能にするためのフローッピーデイスのフォーマットと同じ考え方なので、これを<フォーマット法>と呼んだ。これなら、カメラをつくり直す必要はない。撮影時にいちいち照明光を記録する必要もない。リバーサル並みの撮影をすればリバーサル並みというより、グレイバランスはリバーサルより優れ、もちろん、撮影時の露出補正やフィルター効果も夕焼けなどもプリントに正しくだせる。この方法では潜像退行が問題になるとはいえ、現像直前にインプットすればその問題は生じないことを追記しておく。  ネガからのスライドづくりでも同じことがいえるから、この方法をラッシュに応用すれば、質の高い、スライド製作が可能になる。また映画づくりにも、また電子カメラにおいても応用できる。したがって、この問題解決には、フォーマットフィルムやデイスクをつくればよいということである。
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