地球にやさしい、コンタクトシステムの普及を
   現状では、同時プリントが当然のコースとされているが、果たして、撮影した駒を全部サービスサイズにする必要があるであろうか。撮影の失敗や不要な駒は数え切れず、そして大半は捨て去られる運命にある。膨大な量であるから、環境と公害に直結した大問題である。  モノクロの場合のように、撮影したあとはまずネガから正しいコンタクトをつくって、必要な駒だけを希望サイズにプリントすべきではないか。コンタクトは色見本にもなるから、焼き増しに、また整理と保存にも便利である。コンタクトがない現状は、ネガを捜し出すことも大変である。  材料面積を比較すれば、35ミリ24枚どりのコンタクトなら8x10インチサイズの印画紙一枚でも充分すぎる。8x10サイズはE版で5枚分であるから、同時プリントでは、コンタクトの約五倍ものカラーペーパーが消費されていることになる。  もっとも、現状では、コンタクトを注文したくとも、先の理由から正常な結果が得られない上に、それにしては値段も高く仕上がりも遅いという背景があるが、グレイバランスなら問題なく、迅速、安価なコンタクトシステムが可能になる。なお、<おまかせカメラ>の場合はネガ濃度がバラバラだから、駒ごとに色と濃度を調節してネガを原寸大に焼き付ける方法によって、<コンタクトもどき>をつくればよい。このフィルムにも基準光をインプットしておけば、これを参考に色補正の改善に役立つ筈である。  このように、正しいコンタクトを、早く、安く仕上げるシステムを整備すれば同時プリントの氾濫に歯止めをかけ、パルプも節約でき公害源を減らすことが可能になる。これを待望しているユーザーの数はきわめて多い筈である。そして、今後のデジタル時代は、モニターで鑑賞する機会が増えるから、ネガの整理と管理のためにも、これは時代の要求でもあるといえるのではないか。
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