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WRITE IT LOUD!! ROLL OF ROCKS

                        1996年10月11日開始

                                  火だるまG

第13回:1997年4月11日

WE DON'T GET FOOLED AGAIN/THE WHO(71 IN WHO'S NEXT)
BEHIND BLUE EYES/THE WHO(71 IN WHO'S NEXT)
HOWEVER MUCH I BOOZE/THE WHO(75 IN BY NUMBERS)
HOW MANY FRIENDS/THE WHO(75 IN BY NUMBERS)


それぞれの子供をあしもとにしたがえて
俺たちは路上で闘いあうことになるだろう
やつらの崇拝する倫理は消え去り
ずっと偉そうにしていた神さまが
間違った判定をくだしてくれることは確実
やつらきっとマシンガンに唄わせようとするだろうな


俺は新しい憲法に挨拶します
新しい革命ときたら、もうひれ伏しちゃうね
全ての変化に微笑みとにやにや笑いを
そしてまたぎターを抱えて昨日と同じように弾きまくる
そして膝をついて祈るんだ
明日こそは俺たちがバカにされませんように
お願いだからって

ものごとは変わる
常識だ
それでようやく俺たちの足枷ははずされたってわけだ
しかし実の所はなんにも変わっちゃいない
歴史にも進歩なし
次の戦争でも星条旗はたなびくだろう、保証するよ

俺は新しい憲法に挨拶します
新しい革命ときたら、もうひれ伏しちゃうね
全ての変化に微笑みとにやにや笑いを
そしてまたぎターを抱えて昨日と同じように弾きまくる
そして膝をついて祈るんだ
明日こそは俺たちがバカにされませんように
お願いだからって

もし人類の半分しか生き残れないというのなら
俺と俺の仲間は残りの半分のほうでけっこうだ
それで、あの世でにやにやしながら俺のことを書いてる新聞を取り寄せる
まんざら嘘でもないんだぜ
あんたはどうするかね?

この社会にはなんにもない
俺にはみんな同じに見える
お題目だけが順繰りに変わっているだけ
左翼がどうこう、右翼がどうこう
一晩で成長するのは髭ぐらいのもんさ

俺は新しい憲法に挨拶します
新しい革命ときたら、もうひれ伏しちゃうね
全ての変化に微笑みとにやにや笑いを
そしてまたぎターを抱えて昨日と同じように弾きまくる
そして膝をついて祈るんだ
明日こそは俺たちがバカにされませんように
お願いだからって

新しいボスにあったら
前のボスと同一人物だった



悪党でいること
悲しいやつでいること
それがどういうことだか
だぁれもわかっていない

憎まれること
さだめを生きること
それがどういうことだか
だぁれもわかっていない

俺はずうっと独りぼっち
俺の愛は復讐
きれいごとじゃぁない

俺みたいな気分で生きること
だぁれもわかっていない
あんたにもそういいたい

俺みたいに怒り狂うやつがいない
俺の痛みや呪いには行き場がない

俺の道徳意識に比べたら
まだ俺の夢のほうが空虚ではない

俺はずうっと独りぼっち
俺の愛は復讐
きれいごとじゃぁない

俺が拳を固めたら
俺が冷静さを失い、それを使用する前に
なんとかそれを開いてくれ

俺が邪悪を飲み込んでしまったら
俺の喉をかききってそれを掻い出してくれ
俺が震えていたら
俺に毛布を貸してくれ
あんたのコートを着せて、俺を温めてくれ

悪党でいること
悲しいやつでいること
それがどういうことだか
だぁれもわかっていない
悲しい眼の奥に潜んでいるものを





その昔、私の愛した立川談志が、落語には全てがある、だからそれを聞け、といっていた。しかし、こうしてロックの歌詞を日本語にしていくと、ロックにこそ全てがある、だからそれを聴けと、私はいいたくなる。ただ談志がプレーヤーなのに、私は一介のリスナー、せいぜいロックバーのおやじ止まり。語る言葉に迫力がない。
その昔、ボブディランがフォークギターを抱えた神だったころに、極東の日本人がたくさんそれを猿真似した。吉田拓郎。泉谷しげる。音楽としての猿真似は最低だったけど、スプリットとしての猿真似はまぁまぁいけてた。
しかし彼の地にエレキを抱えた神々が現れたとき、極東の黄色い猿は音は完コピできても、スプリットはノータッチで終わった。
ピート・タウンゼントの酷薄で鋭利な言葉を日本語になおしてみて、あらためてそう思う。
多かれ少なかれ、ロッカーというのは、そのような極北の地に立っている人間だと私は思うのだが・・・・・・。
今現在の話にしても、彼の地でラップ、ヒップホップという形式でゲットー育ちの黒人たちが紡いでいる言葉と、スタイルだけを猿真似している日本の清潔な少年少女の口から出ている言葉の間に横たわる断絶たるや、もはや空前絶後、縁もゆかりもない別物としかいいようないものになっている。同じ資本主義末期の現代に生きる若者だというのに・・・・・・。
私は、ラップは嫌いだ。ファッションスタイルもダンスミュージックとしても純粋音楽としても実に画一的で凡庸だと思う。しかし彼らの吐く言葉にはいつも異様な力を感じる。この間ようやくラップの言葉をストアしているページを見つけたので、そこから昨年ラスベガスで殺された2PACの「YOUNG NIGGAZ(若い黒人)」という曲のさわりを訳してみる。(ラップの言葉をストアしているページはここ)


僕はこの曲を、ロバート、ヤミン、サンドフォードと、余りに早くギャングになりすぎた全ての若き黒人に捧げたいと思います。

若き黒人として、僕はなんでもやる。なんでも与える。
僕はもう一度無垢になりたいんだ。
10歳のとき、僕はワルじゃなかった。
でも僕は家族と一緒にパクられた。
それまで黒人は頑張ってきていた。
でもそんなことは彼らにはどうでもいいことだったんだ。
僕たちはバカにされるために頑張っていたんだな。
だから僕は金持ちになろうと思い定めた。
僕が彼らに嫉妬したからって僕の罪でしょうか?
僕が弱気になったからって、僕を慰めないでください。
ただ、僕のCDを買って。
いつかは僕も死ぬ。
でも僕は行けるとこまでやり抜く。
今現在はてっぺんに立っている。
高速道を風を切って走っている。
シェードをおろして20人の女にフェラさせている。
若いチンポコを握りしめると気持ちいい。
そうなれば昔のヤク漬けのころを思い出さざるを得ない。
あれはひどかった。でもただただ夢が見たかっただけだったんだ。
自分でやっていたほうが、友達に売りつけるよりましだって
あなたにいってもわからないでしょうね?

あなたのいう立派さというのは僕にもわかります。
若い黒人として。
偉大な人はいつもてっぺんからつま先までピカピカで
若い黒人の僕としては、いつでも、アル・カポネのような人を
夢に描いていました。
彼ってかっこういいでしょ?
まさに紳士って感じ。




ここまで話を展開して、自己矛盾だが、本当は私には若い人たちのことを考えたりするヒマも気持ちもない。私は若き黒人ではないが、彼ら同様、私のことで精一杯なのだ。私はロックバーのおやじだ。ロックが好きだ。ロックはいいと思う。ロックをもっとたくさんの人に聴いてもらいたいと思う。しかしそれがうまくいかない。
それが私の悩み。
地球から、世界から、日本から、ロックとロックがあらわすものが、日々消滅していっている気がしてしょうがない。
そして私はただただ馬齢を重ねるのみなのだ。
それも私の悩み。




僕は僕の出ているテレビを見ている
僕はまがいもの。ペラペラの王様
友達には、僕が生まれついての大嘘吐きだということは
バレバレ
いつも彼らをがっかりさせてばっかり
僕には物事を大げさに表現する癖がある
しかし真実はいつも僕をイライラさせるのだよ
そこいらをうろついている夜行性のガキどもよ
僕に大量のブランディーを持ってきたまえ
眠れさえすればこっちのもの
でもいくら大量の酒を飲んでも
出口なんかない
出口なんかない
ガキよ、君がなんといおうとも
出口なんかないんだよ

自分の責任を痛感して
眠れない夜が幾たびもあった
問題は彼にあるのか? それとも僕にあるのか?
僕にもエゴがあるから、そこのところがはっきりしない
ときどきそれが顔を出して
彼にめちゃめちゃきめたおべんちゃらをいったりする
これは僕の逃れられない運命なのだろうか?
しかしどんなにもがいても
出口なんかない
出口なんかない
ガキよ、君がなんといおうとも
出口なんかないんだよ

だれかどうしたらこの状況から教えてくれませんか?

まるで独房のドアが閉じるがごとくに
そしてまた夜がやってくる
突然セックスしている自分を発見
あたりには酒瓶がうじゃうじゃ
僕の頭は朦朧
電話は無視、いくことばかりを考える
いくんだ、いけ、いけ
しかし、ガキよ、君がなんといおうとも
出口なんかないんだよ

壁はズタズタ
精神異常者の仕業としか思えない
朝になると、うやうやしく、そんな自分を着脱する
だれも文句をいわない
僕は現実を直視しない
僕はセックスのことばかり考えている船乗りとかわらない
信じられないというのなら
僕のこれまで作ってきた曲をよぉく聴いてごらん
しかしそれでも救いがないのよ
こんなの出口じゃない
ガキよ、君がなんといおうとも
出口なんかないんだよ

だれかこの思いを封印する鍵を僕にください



あぁいい気持ちだ
利発そうな少年が
僕がいかにして彼の人生を変えたかについてしゃべっている
おまけに彼はブランディを買ってきてくれた
しかしまさか本当は俺をコケにしているんじゃあるまいな?

彼は僕の服装をほめる
彼はおしゃれな男が好きだそうだ
しかしそんなこといわれたのは初めてだ
いいやつすぎる
魂胆はなんなのだ?

僕には本当の友達が何人いるのだろうか?
最後の最後まで信用できる友達
僕には本当の友達が何人いるのだろうか?
僕には本当の友達が何人いるのだろうか?
ありのままの僕を、愛し、欲し、受容してくれる友達

思い出がよみがえる
その美しい横顔に、思わず泣きそうになる
みんなが僕の演奏を聴いてくれる
でも今の僕はまるでバカみたいだ
泣いたりふさぎ込んだりする
彼女は僕の友達をみんな知っていた
しかしもう少し生活向きの女性でないと
僕は今ドツボにはまっているという自覚症状がある
真夜中の価値観については、僕はどのように考えるべきか?

僕には本当の友達が何人いるのだろうか?
最後の最後まで信用できる友達
僕には本当の友達が何人いるのだろうか?
僕には本当の友達が何人いるのだろうか?
ありのままの僕を、愛し、欲し、受容してくれる友達

これはどこにでもある夢のような話
もう世も明けるというのに君はまだ起きていて
だれかが君に懺悔しているのを聴いている
しかし現実はそんなに立派なもんじゃない
君が少しだけ注意深ければ
だれも君に本当のことなんかいわないということは
自明の理のはず

僕には本当の友達が何人いるのだろうか?
最後の最後まで信用できる友達
僕には本当の友達が何人いるのだろうか?
僕には本当の友達が何人いるのだろうか?
ありのままの僕を、愛し、欲し、受容してくれる友達

僕が初めてレコードを出す契約を結んだとき
それはもう握手どころの騒ぎじゃなかった
それは今でもそうなのだが
僕たちは裏で互いの悪口を言い合っているいう
明白な事実も認識している
僕がウイリーを連れてきたとき
だれも彼の軟らかな物腰の奥に潜むガッツを理解しなかった
実にストレートに
彼らは僕たちをバカにしてくれた
彼らは僕たちをコケにしてくれた

僕には本当の友達が何人いるのだろうか?
最後の最後まで信用できる友達
僕には本当の友達が何人いるのだろうか?
僕には本当の友達が何人いるのだろうか?
ありのままの僕を、愛し、欲し、受容してくれる友達




僕のこの歌詞にスポットをあてる連載で、取り上げる曲の音楽面が最高に格好いいことは保証します。大音量で10回続けて聴いてみてください。きっと感じるものがあるでしょう。(この企画、文章、考え方などの著作権は一応存在するといっておきます)


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