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WRITE IT LOUD!! ROLL OF ROCKS

                        1996年10月11日開始

                                  火だるまG

第12回:1997年3月25日

YOU CAN'T ALWAYS GET WHAT YOU WANT/ROOLING STONES(69 IN LET IT BLEED )
I STILL HAVEN'T FIND WHAT I'M LOOKING FOR/U2(87 IN JOSHUA TREE )
TOUCH ME/DOORS(69 IN SOFT PARADE )


今日あの娘に受け付けのところで会っちまった
あのバカ、手にワイングラスかなんか持ちやがってよぅ
業界の方々とのパーティーってやつさ
あの娘のまわりにはいかにもいやらしそうな御仁方がうじゃうじゃ

いつでも欲しいものが手に入るってわけじゃないけど
いつでも欲しいものが手に入るってわけじゃないけど
いつでも欲しいものが手に入るってわけじゃないけど
しつこく狙っていけばなんとかなるってことが、
いつかはあんたにもわかるかと思うよ 

それで俺たちもデモンストレーションってわけだ
実に真っ当な誹謗中傷を浴びに出かけていったのさ
歌ってやったぜ
「今日はありったけのフラストレーションを発散させていただきます。そうでもしないと、アンプのフューズを50個ほど飛ばしそうなもので」
いつでも欲しいものが手に入るってわけじゃないけど
いつでも欲しいものが手に入るってわけじゃないけど
いつでも欲しいものが手に入るってわけじゃないけど
しつこく狙っていけばなんとかなるってことが、
いつかはあんたにもわかるかと思うよ 



この世で一番高い山にも登った
世界中行けるところならどこにでも行った
君と出合うために
君と出合うために

走った
泳いだ
都会についても深く検討した
都会
君と出合うために
君と出合うために

でも僕はまだ、僕がいったいなにを求めているのかわからない
でも僕はまだ、僕がいったいなにを求めているのかわからない

とろけるような口づけもした
彼女の愛撫に癒されもした
それは炎のように燃えた
燃える性欲

でも僕はまだ、僕がいったいなにを求めているのかわからない
でも僕はまだ、僕がいったいなにを求めているのかわからない

いつか王が来て
なにもかもが一つになると信じている
一つに
だからまだこうして走っている

あなたは戒めを解き
鎖をはずし
十字架を背負って
僕の羞恥
羞恥
僕は本当に信じている

でも僕はまだ、僕がいったいなにを求めているのかわからない
でも僕はまだ、僕がいったいなにを求めているのかわからない



年をとることの最大の歓びは経験からものを学ぶということですが、それは、また年をとることの最大の悲しみでもあります。
経験から学ぶことの最大の歓びは、佳きものを知ること。最大の悲しみは佳きもののはかなさを知ること。
終わりがあるから美しい。
どうやらこれは、未完成な死体として生まれ、完成した死体としてこの世から消えていく運命を背負った人間の美意識にとって、逃れられない正着のようではありますが、僕のような悟りからほど遠い無頼者にとっては、からめ取られたくない論理でもあります。
それをいっちゃぁおしまいよぉ!!
しかし年をとった。
その論理の精密さが圧倒的に僕を覆います。

大きなお世話ふたつ。
あるいは若すぎる老人のたわごと。

ジャニーズ事務所でタレントしている少年たち、いまのところ、SMAPやトキオの後ろで踊って唄っている小学校高学年の君たち。君らはもう少ししたら、4人か5人に組み替えされて、テレビの司会やバラエティで若い女性たちの黄色い声を浴び、レコードを出し、コマーシャルに出て、ばら売りでテレビドラマや映画で役者をやるようになり、結婚し、子供ができれば奥さんとふたりで育児雑誌の誌面を飾り、明治座で山田五十鈴は死んでいるだろうから、山本富士子あたりの芝居で、若衆や、そうそう必ず忠臣蔵の主税をやり、プロ野球ニユースの司会を1年だけつとめて、忘れられていくのです。お金は残るでしょう。これは君たちのエリートコースで、みんながみんなというわけにはいきません。そういう君は男性性交を無理強いされた暴露本でも書いて、2丁目でママになるでしょう。
これだけ先が見えていても楽しいか?

今は序の口や序二段のあたりにいる若き有望な相撲取りたちよ。君たちが横綱になるころには、若貴兄弟も引退。親方です。若貴のパパと彼らで向こう30年間ぐらいは協会はいいとこどりされて、君たちはどこまでいっても刺身の褄よ。そして若貴の息子たちがやってくる。
これだけ先が見えていても楽しいか?

人間の欲望について語った2曲を並べてみて、いささか下品とはいえ、ストーンズの明確さに目を見張ります。U2は最近また新曲を出し、何百億とという金を稼ぐそうですが、彼らの顔の老け方には唖然とします。僕はロックかロックでないかということは現役の若いときより50を越えたときの表情でわかるような気さえします。なんでロック者は年をとらないのか? 謎です。

これだけたわごとを並べたら、僕の欲望についても語らないとアンフェアでしょう。僕の欲しいもの。それは物でも心でもなく、TOUCH。これは掌に関係する概念ではありませんので、日本語にはできない。いつかきっと探すけれどね。日本語でのこれにあたる言葉を。
I AM TOUCHED BY YOUR PRESENCE。
このような文章で用いられる概念でのTOUCHこそが僕の欲するものです。僕は完全な死体となるその瞬間まで、TOUCHを求めて、喰らい、話し、書き、愛し続けていれれば、それでじゅうぶん満足です。


来いよ。来てくれ。今だよ。 
僕に伝えてくれ。
僕が恐れてなんていないことがわからないのかい?
約束したじゃないか。
彼女はなんていっていたんだい?
約束したじゃないか。

この世から雨がなくなるまで
この空から星が消え去るまで
僕は君を愛する
僕と君のために


僕のこの歌詞にスポットをあてる連載で、取り上げる曲の音楽面が最高に格好いいことは保証します。大音量で10回続けて聴いてみてください。きっと感じるものがあるでしょう。(この企画、文章、考え方などの著作権は一応存在するといっておきます)


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