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WRITE IT LOUD!! ROLL OF ROCKS

                        1996年10月11日開始

                                  火だるまG

第7回:1997年1月11日

WALK ON THE WILD SIDE/LOU REED (1972 IN TRANSFORMER)


ホリーはマイアミのフロリダから、
アメリカ中をヒッチハイクしながらやってきた。
その途中で眉毛を抜いて、臑毛を剃り、
そして彼は彼女になった。

彼女がいうには、ぼうや、どうせならおもしろい道を行きなさい。
かわいこちゃん、おもしろい道を行くのよ。

島出身のキャンディは、個室に入りさえすれば、みんなの恋人。
でも、フェラティオしている時だって、彼女は絶対自分を見失わない。

彼女がいうには、ぼうや、どうせならおもしろい道を行きなさい。
かわいこちゃん、おもしろい道を行くのよ。

(ここでモータウン風の黒人女性コーラス)
どぅ、どぅ、どぅ、どぅ、どぅ、どぅ〜。

まじめなジョー君はいつも一生懸命。
だってだれでも喰っていかなくてはならないし、買いたいものもある。
ニューヨークはそんなところ。
でも、みんないっている。

ぼうや、どうせならおもしろい道を行きなさい。
かわいこちゃん、おもしろい道を行くのよ。

サトウキビ畑でがんばっていた男が、
食い物と食べるところを求めて街にやってきた。
でも、アポロシアターでさえ、しっ、しっ、しっ、と、
奴を追い出す。

ぼうや、どうせならおもしろい道を行きなさい。
かわいこちゃん、おもしろい道を行くのよ。

(ここでモータウン風の黒人女性コーラス)
どぅ、どぅ、どぅ、どぅ、どぅ、どぅ〜。

ジャッキーはスピード狂の少女。
女だてらに自分をジェームスディーンの生まれ変わりだと思っている。
したがって、そのうち自爆するのが彼女の運命。
その上、バリュウムが彼女のスピードに拍車をかけている。

ぼうや、どうせならおもしろい道を行きなさい。
かわいこちゃん、おもしろい道を行くのよ。

正月には横須賀の実家に顔を出し、母の説教を喰らう習わし。
俺に説教してくれるよき人はこの世でたったの3人。
母と音楽中毒と酩酊料理人。
母と親友2人の説教の質は大違い。
便宜上あっちとこっちという言葉を使うが、
俺たち3人は明確にこっちで棲息している。
だから親友2人の説教はこっちの論理の中での言葉。
傾聴に価する同士の言葉。
しかし母はあっちからこっち全体を説教する。
1に、才能の絶無、2に、40近い大の大人が常に明日をもしれぬ経済的状況であること!!
母の意見によると、あっちの世界の住民は若きころから天賦の才に恵まれ、明日をも知れぬ不安な生活の代償として、今日という日は濡れてに泡で暮らさなくてはならぬ。
これはこれで1つの識見。
母の言葉は、太古の昔からの歴史と伝統を持つものであるからして、
俺は、ただうなだれて聞くしかない。
あぁ、いつまで続く俺の歌の別れ。
それにしても暖かい言葉だ。
しかし、一方、俺は知っている。
我が母ながら、彼女がただの一度も、こっちの世界、すなわち音楽や文学や映画や絵画などの表現芸術によって、生かされている、あるいは、癒されている(嫌な言葉だ)という実感を持ち得たことのないことを。
母は骨の髄まで女なのだ。
私はリアリストが彼女の口癖。
俺は力無きロマニスト。
煙草の吸いすぎとこづかれた。
だいたい男3人してつるんで、気持ち悪いと母はのたまう。
それが大事だと父はいうのだが。
もちろん俺たちはそんな関係ではない。男同士の三角関係など、物騒で仕方がない。
林彪を見よ。劉少奇をみよ。トロッキーを見よ。
あれコミュニストばかりだ?

以前チェコのハベル大統領が、ルーリードと話をしているビデオを見た。
ビロード革命の支柱は、ベルベットなロックンローラーによって生かされたという。
煙草をすぱすぱ吸いながら、ルーリードが尋ねた。
ロックは社会を変えるかと?
煙草をすぱすぱ吸いながら、バベルが答える。
いいや。社会を変えるのは、ロックではなく、ロックを聴いた人間だと。
ハベル氏最近16才年下の女優さんと再婚。さすがである。

たいへん象徴的なことに、
このルーの代表曲の、主人公は性転換者であり。
ジャマイカからやってきた魅力的な娼婦は、BUT SHE NEVER LOST HER HEAD,EVEN WHEN SHE WAS GIVING HEAD、という、クールで論理的な女性の典型である。

いきなりですが……。
実存する社会的不正義(主に男に起因する問題)と実存する美に対する不感症(主に女に起因する問題)の向こうに、I SEE MY LIGHTS COME SHININGの滂沱の涙を流すまでに、僕たちロックを聴いたものは、この黄色い東洋の島国で、どのような変態を続けなくてはならないのであろう?
NO REPLY= I REALLY DIED.
ワイルドサイドを歩きたいのはやまやまなれど、浅学非才、機まだ熟さずの今日ならば、
とりあえずセンズリでもして考えよう!!
JAMAICA JERK OFF=GOODBYE YELLOW

僕のこの歌詞にスポットをあてる連載で、取り上げる曲の音楽面が最高に格好いいことは保証します。大音量で10回続けて聴いてみてください。きっと感じるものがあるでしょう。(この企画、文章、考え方などの著作権は一応存在するといっておきます)


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