＜訪 問 者＞(since 97.06.25)
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97.06.25)
STILL ROCK LIFE
ROCK-THE-MANZAI MAR 2000
真暗闇
THE FOOL ON THE HILLが流れている
ＢＧＭが止まりスポットライト
舞台の左右からションとボール襟なしスーツで登場
マイクスタンドを挟んでションベン座り
大音量でジャ〜ン↑（ A HARD DAY'S
NIGHTのイントロの開放弦ギター＝二人立ち上がる）
ジャーン↓（気をつけの姿勢）
ジャ〜ン→（礼）
ション：パンパカパ〜ン、パンパンパンパカパ〜ン。今週のハイライト！
ボール：ノック元知事公判で証言。
ション：触りたくて触ったんとちゃいます。いきり立って顔真っ赤にして触れ触れとつっつく奴がおったんで、つい乗せられて・・・。
ボール：（裁判官の口調で）それは誰ですか？ 猥褻教唆の罪に該当します
ション：私の息子です。
ボール：ジャン、ジャン！
ション：息子の反乱とはいかにも現代的やな。
ボール：ほんまや。
ション：しかし、選挙始まっても選挙カー見るたびに気になってかなわんわ。
ボール：何がや？
ション：中でまた誰か触ってんのとちゃうかと・・・。
ボール：そんな阿呆な。
ション：今の首相ならやりかねんで。日本は天皇を中心にした神の国ってぬかしおった、天皇なんて職業、生殖業やで、究極の風俗産業やん。日本は風俗産業国家ちゅう認識や、その割に、若旦那はちょっとへたやけどな。
ボール：お前、天誅されるで、そんなこと言っていると。
ション：それに、森、ノックよりもっと下品な顔してるで、ほんまに選挙なんて行く気がせんなぁ。俺、男友達でも、女友達でも、顔の上品下品で付き合うか決めてんのに、顔見るだけで、ギブアップっちゅう奴らばかりや。鳩山の兄さんも瞼の上に変なもん出てきた。
ボール：ほんまやなぁ。
ション：それに政治家はみんな頭が悪い。
ボール：お前、ほんまにえらいこと言うなぁ。
ション：どいつもこいつも口開けばIT、IT社会の到来って、ITの意味わかってるんかいな？
ボール：INFORMATION TECHNOLOGY、情報技術やろ？
ション：だから、IT至上主義社会になったら、この世の中はどうなるっちゅうねん。そこをつかんで対策を打つのが政治家やろ。
ボール：どうなるんや？
ション：別に俺政治家ちゃうから、わざわざこんなこと言うたる必要ないんやけどな。ITの本質は情報化と合理化や。
ボール：知識が増えた上に便利になるってことやん。えぇ話や。
ション：阿呆か、おのれは。人間が寿命や、1日24時間という普遍的な条件の中で処理できる情報量なんか初めから限界が決まっているんや。消化不良の情報の海の中で溺死する人間の屍が累々と積み重なるばかりやで。気持ち悪いでぇ。
ボール：何がや？
ション：何もかもようわからんまま生きていくという気分がや。学校の授業についていけんような小学生みたいなもんや。みんな暴れるで、学級崩壊なんか甘い甘い、社
会崩壊や。
ボール：難しい話するな、お前、今日は。
ション：例えば、インターネットの検索エンジンgooでビートルズというキーワードで検索をかけてみぃや。20911件のファイルにヒットするんやで。20911件の有象無象のビートルズに関する情報がITの本丸の中にあるということや、しかも日本だけで。
ボール：それはすごい量やな。
ション：20911件の情報全部に目を通すなんて絶対無理やろ。豊かな情報の前に立ちつくす、おのれの空しさだけが残るって訳や。残像として残るのは豊かさちゃうで空しさやで。それに、たとえそん中に黄金の情報が潜んでいるとしても、そこに行き着くのはコロンブスがアメリカ大陸を見つけるくらいしんどいで。
ボール：でも合理化はええやん。わざわざ店にでかけんでも買い物もできるし。
ション：そりゃ、体の弱った爺さん婆さんやらなら便利やろけど、爺さん、婆さんがキーボード使えるか？ マウス使えるか？
ボール：今の爺さん婆さんやらなら無理やろけど、これからの爺婆ならいくんとちゃうか？ ITの端末も必ずしもパソコンだけではなくなるだろうし、携帯電話とかですむようになるんやろ？
ション：しかし、同時に身体の動くやつも動かさんようになる。成人病蔓延必至やで。俺たちのおかんは毎日買い物行くことで体を鍛えていたんや。e-コマースで健康器具買ったりすれば帳尻は合うんかもしれんがな。なんか阿呆みたいに思わんか？
ボール：説得力あるな。さすが若年性成人病患者。成人病のベテラン。
ション：ほっとけ。それよりもっとやばいのは、それでなくてもこの世から会話が減りつつあるのに、人が皆、もっとしゃべらんようになることや。例えば、資材の購買サイトなんかで機械の部品なんかが一発で売り買いできるようになれば、「どないです最近？」「ぼちぼちでんな」なんていう、日本の古典的営業トークも絶滅や。
ボール：世の中が静かになってええやん。お前みたいにうるさいのが苦手な人も世間には多数おるで。
ション：でも気持ち悪くないか？ 背広着たサラリーマンがみんなしてコンピュータのモニターに日柄向かってほとんど一言も口きかない世界なんちゅうのは？
ボール：一億総白痴化ならぬ、一億総おたく化やな。
ション：ITに適応するやつはますますサイキックになるやろし、適応できん奴は憂さ晴らそうとバイオレンスに走るやろ。気味悪い犯罪が蔓延するのは必至や。そんなこ
と思うてるのは俺くらいかもしれんが、そんな可能性にこれっぽっちも気がつかずに、IT、IT、オウム返ししている政治家の奴らの阿呆さ見るたびに泣けてくる。
ボール：でももうすぐ電子投票ちゅうのも実現するらしいで。投票率も上がるから阿呆な政治家も落とせるんちゃう？
ション：そしたら、バーチャルアイドルならぬバーチャル政治家が登場してまうやろな。これは凄いで、死なんし、絶対引退せん。まさに不滅。真の意味での神国の誕生
や。今上のキャラに飽きたら、次なんてコントロールキー+Ｃでいくらでもできるしな。
ボール：だから天誅にあうって、もうええわ。
ENDING-THEME/『I'D LOVE TO
CHANGE THE WORLD』/TEN YERAS AFTER
FROM ALBUM『A SPACE IN TIME』1971
I'D LOVE TO CHANGE THE WORLD.
BUT I DON'T KNOW WHAT TO DO.
SO IJUST LEAVE IT UP TO YOU.
（大阪弁指導ＴＳ、茨木市在住）