ROCK BAR PRESS

 
<訪   問   者>(since 97.06.25)

  since 96.11.1

STILL ROCK LIFE

ROCK-THE-MANZAI MAR 2000

真暗闇
THE FOOL ON THE HILLが流れている
BGMが止まりスポットライト
舞台の左右からションとボール襟なしスーツで登場
マイクスタンドを挟んでションベン座り
大音量でジャ〜ン↑( A HARD DAY'S NIGHTのイントロの開放弦ギター=二人立ち上がる)
ジャーン↓(気をつけの姿勢)
ジャ〜ン→(礼)


ション:自戒せなあかん、思うねん。
ボール:そうか君もようやくその気持ちになってくれたか。
ション:うん。最近いよいよ生きにくい世の中なってきたな、思ってな。
ボール:そや、君みたいに、やかましいのが生きてても仕方ないで。社会の迷惑や。それで早速青木ヶ原に首吊りにと。
ション:なんやそれ?
ボール:樹海するんやろ。
ション:阿呆か、おのれは。なんで俺が白骨死体にならないかんねん。(激怒)。自戒いうたんや、自戒。
ボール:白骨化するまでに発見されたら、腐乱死体やで、フランケンシュタイン。
ション:死ぬのはお前や。(首を絞める)
ボール:苦しぃ〜、クリッシー・ハインド。
ション:(無視して)いやな。昨日渋谷いってん。
ボール:何しに?
ション:別にどうでもいいやん、そんなん。
ボール:いえんのか? いえん話やったら初めからすんな、阿呆。。(激怒)
ション:Gパン買いに行ってん。
ボール:いくらの?
ション:1000円。
ボール:1000円! この貧乏人、この貧乏人、なんぼ安いねん。どこのんや? どうせケミカルやろ。
ション:リーバイスやで、ほんまに値段ってわからんなぁ、どないなっとんやろ。
ボール:おまえの話のほうがさっぱりわからんわ。
ション:ちゃうねん。それで帰りの駅前のバス停でな。バス停の並んで一番先頭のとこに3〜4人は座れる長さのベンチがあるやん。
ボール:おう、あるある。
ション:そこに、二人の中年サラリーマン男が、間をあけて座っていてな、その後からずら〜っと長〜〜〜〜い行列ができておった。
ボール:ほ〜〜〜〜〜。
ション:別に長い相づちうたんでもええ。そしてその長い行列の先頭にいかにも私体力ないでって感じの小さい細いおじいさんがおったんや。寒い夕方、北風がびゅうびゅう吹いとった。
ボール:それ、その中年のおっさんたちが詰めれば、その爺さんも座れるな。
ション:そういうことや。それでな、俺、その行列の先頭側にぼーっと座っている、おっさんに、あんたが少し詰めたら、このおじいさんすわれるんとちゃいまっかと、いうたったんや。
ボール:偉い。常識のない奴にはきちんと口で教えてやらんとあかん。おっさん、どんなリアクションした?
ション:ヒィッっていって飛び上がってどっかにいってしもたんよ。
ボール:なんやそれ?
ション:そんな、こわかったんかな、俺の顔。
ボール:はっきりいって、こわいで、君の顔。でも、まぁ、ええやん、そんな阿呆。それで、爺さん座れてハッピー・エンドやろ。
ション:それで俺はその爺さんに、おじさん座れまっせ、いうたんやけど、爺さん、約50CMほど前方に移動しただけで座らんのや。
ボール:なんでや? 移動する力もないんか、その爺。もしかして思ったより体力ある爺ちゃうんか? 大きなお世話じゃい、わし、2日でも2年でも立っとれるわい、この糞ガキ、てな話か?
ション:ちゃうねん。そしばらくしてバスが来たんやけど。爺さんバスに乗るのに1分くらいかかった。ステップ1段上がるのに休憩20秒や。それで俺すっかりわからんようになったんや。人の心はわからん。物言えば唇寒しやなぁ、でも、それにしても、えらい身も心も冷えるなぁと、はっと我が身をみやれば、社会の窓が開いとった。
ボール:えらい格好悪いな。人の心配してる場合と違うんちゃうか。
ション:だからな、みんな自戒せにゃあかんのや。人のことはようわからんから、自分のことだけしっかりせなと。せめて自分のことだけはしっかりせぇ。(興奮してくる)
ボール:どないした、ひきつって。
ション:新潟県警に俺はいいたい、警察はなんか犯罪があると、思い当たることがあったら、警察に連絡せぇいつもいぅてる、あなたの情報をお待ちしています、いうとるけど、この間の少女監禁事件、犯人のデータも含めて思い当たることは警察の中にいくらでもあったやん。警察の中情報だらけや。自分で警察に連絡せなあかんかったんとちゃうか。犯人もしかして、あの人ちゃうかと。
ボール:警察が自分で警察に連絡してどうする。どちら様ですか、はいこちら警察の者ですが、いうんか。
ション:それにな、この間の護国寺の少女殺人。あの犯人の主婦の旦那、坊主でしかも悩み事相談のカウンセラーみたいなことしてたいうやん。
ボール:そうらしぃな。
ション:おまえな、他人のこと心配してやる暇あったら、自分の嫁さんの心配してやれや。私このままでは人殺ししそうやいうてたんやろ、彼女。
ボール:そうや。
ション:警察や坊主は、人の生き死にに携わる、社会の窓みたいなもんやで、社会の窓が開きはなしみたいやったら、俺ら、冷えて冷えて、生きにくくてしょうないやん。
ボール:そうやなぁ。なんか、恥ずかしいもん、見たくもないもん、見せられたらみんなヒィッっていって飛び上がって、この世からどっかにいってしまいたくなるもんな。樹海とか。
ション:もう、ええわ。

ENDING-THEME/『I'D LOVE TO CHANGE THE WORLD』/TEN YERAS AFTER
FROM ALBUM『A SPACE IN TIME』1971

I'D LOVE TO CHANGE THE WORLD.
BUT I DON'T KNOW WHAT TO DO.
SO IJUST LEAVE IT UP TO YOU.


(大阪弁指導TS、茨木市在住)

 

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