2011年に読んだ本


[No.6]
■ アリアドネの弾丸 ■ 08.2011 海堂尊  ★★★
 宝島社 2010年9月24日 第1版

 久しぶりにこのシリーズを読んだ。 相変わらず面白いが、白鳥の毒が弱くなってきたような気がしたのが残念、田口センセはもう少しダメ男のままのほうが良いなぁ。 ミステリー的には底が浅くて相当無理もあり、完成度は決して高くない作品ではある。


[No.5]
■ 初陣 隠蔽捜査3.5 ■ 02.2011 今野敏  ★★★★
 新潮社 2010年5月20日 発行

 隠密捜査シリーズは面白い小説であるが、これは伊丹が主人公となる短編で伊丹目線で竜崎を見るという設定になっている。 隠密捜査シリーズを逆目線で見るという発想が素晴らしく、これまでの隠密捜査シリーズの「裏話」的な要素を盛り込んだ作品とも言える。 それぞれの短編を「ニンマリ」しながら読むという、小説の醍醐味を楽しむことができた。


[No.4]
■ エチュード ■ 02.2011 今野敏  ★★★
 中央公論新社 2010年11月25日 初版

 面白かった、ちょっと現実離れしたようなお話ではあるがまあいいとしよう。 隠密捜査シリーズとは少し違った雰囲気を楽しむことができた。 でももう少し人物描写を深くして欲しかったなぁ。


[No.3]
■ 悪の教典 上/下 ■ 01.2011 貴士祐介  ★★★★
 文芸春秋 2010年12月1日 第六版

 分厚い本が上下巻、二冊も目の前にあると威圧されてしまうが、読み始めると止まらない。 「新世界より」の化けネズミが衝撃的だったので、この作品も期待していたがとても読み応えのある内容で満足した。 さすがに「このミス」1位の作品である! でも私は「新世界より」の方が断然気に入っているのだが。


[No.2]
■ カウントダウン ■ 01.2011 佐々木譲  ★
 毎日新聞社 2010年9月25日 発行

 警察ものではないこの作品、大きな期待と少しの不安を感じながら読み始めたが・・・ これはひどい、コメントできるレベルではない。 いったいどうしたのだ、まるで別の人の小説のようだ。 佐々木譲でなければ本にならないと思う、何が起こったのだ! 頑張れ! 立つんだ、ジョー!


[No.1]
■ エウスカディ 上/下 ■ 01.2011 馳星周  ★★★
 角川書店 H22年9月30日 初版

 すっかり作風が変わってしまった馳星周だが・・・ でも手にとってしまう。 2冊構成の大作で舞台も興味ある場所なのだが、前半の展開が遅すぎて飽きる。 謎解きの手法も素人臭くて途中で仕掛けがバレバレなのが興ざめで残念。 それなりに面白くて力のある作品だとは思うが、デビューの頃の勢いを期待するのは私だけではあるまい。







Copyright (C) "ぷぷりん" 2011