[No.12]
■ 同期 ■ 12.2009 今野敏 ★★★
講談社 2009.07.16 第1刷
刑事ものですっかり売れっ子になった感がある今野敏の最新作。 期待どおりでおもしろいが、同期だから・・・という点が弱い、つまり題名が浮いてしまうのだ。 他の登場人物の描写が相変わらずうまいだけにこの肝心なところがぼけたのが余計に目立つ、残念。
[No.11]
■ 告白 ■ 11.2009 湊かなえ ★★★
双葉社 2009.04.27 第27刷
本屋大賞受賞作品で大人気となり図書館予約では1年も待つと聞いたので読んでみた。 新鮮な感じがして興味深く読み進むことが出来たのだが、後半は少し飽きたな。 手法が新鮮なだけで深みがなく薄い感じだ、残念。
[No.10]
■ 罪深き海辺 ■ 10.2009 大沢在昌 ★★★
毎日新聞社 2009.07
相変わらずの大沢ワールドで一気に読ませるのは楽しいが、この作品に限り最後が・・・ 私は好きではないな。
[No.9]
■ 運命の人 一/二/三/四 ■ 09-10.2009 山崎豊子 ★★★
文芸春秋 2009.
山崎豊子渾身の力作。 前半と後半を無理やり結び付けたような印象で少し違和感が残った。 沈まぬ太陽の印象が強く期待が大きすぎたのかもしれない、はっきり言って四巻読むのにとても疲れてしまった。
[No.8]
■ 傍聞き ■ 07.2009 長岡弘樹 ★★★★
双葉社 2008.10.12 第一版
いやいや、すごく面白い作品だった。 横山秀夫の「半落ち」を思い出したが、こちらのほうが面白いかもしれない。 良く出来た短編作品は読後感が爽やかで良い。
[No.7]
■ 疑心 隠蔽捜査3 ■ 06.2009 今野敏 ★★★
新潮社 2009.03.20 発行
シリーズの第三作ということで期待は大きくなっていたが、残念ながらがっかりした。 竜崎は一目惚れなんてしてはいけないのである、絶対にダメ。 彼の際立つ個性がこの流れで消えてしまい、普通の人に近づいてしまうのがとても寂しかった。 それを除けば相変わらず面白い内容だった。
[No.6]
■ 黒の狩人 上/下 ■ 05.2009 大沢在昌 ★★★
幻冬舎 2008.09.25 第1刷
大沢作品は期待を裏切らない、この作品もとても面白く途中でストップすることが出来なくなり休まずに最後まで読んだ。 ただ、重要な役割を担う由紀の描き方が他の面子に比べて弱い気がした。 このタイプの女性の心理描写は得意ではないのかもしれないね、大沢さん。
[No.5]
■ 決壊 上/下 ■ 05.2009 平野啓一郎 ★★
新潮社 2008.06.25
長すぎる、説明がくどい、内容も決して明るくない。 描写もあまり美しいとはいえない。 このタイプの小説は読むだけで疲れる。
[No.4]
■ ジョーカー・ゲーム ■ 05.2009 柳広司 ★★★★
角川書店 H20.08.31 初版
舞台設定が特殊ではあるが、それぞれの短編はどれも素晴らしい完成度に仕上がっていた。 きちんとした筋を通して書かれる物語を読むのは楽しい、ジョン・ル・カレの小説を読んでいるような気分になった。
[No.3]
■ 新世界より 上/下 ■ 03.2009 貴志祐介 ★★★★
講談社 2008.01.23 第一刷
おもしろかった、上下巻合わせて千ページ以上になるボリュームだが一気に読んでしまった。 「黒い家」はあまり好きな作品ではなかったので読む前は期待していなかった。 しかし読み始めるとまるで別の作者のような感覚だ、この圧倒的な描写力はなんなのだ。
しばらく、化けネズミが夢に出てきそうだ。
[No.2]
■ カラスの親指 ■ 02.2009 道尾秀介 ★★★
講談社
相変わらずの道尾さんで、最後のどんでん返しを楽しみにして読むことができた。 でもこの作品はちょっと最後のインパクトが弱かったかなという印象だ。
[No.1]
■ 山魔の如き嗤うもの ■ 01.2009 三津田信三 ★★★
原書房 2008年
「刀城言耶」シリーズの最新刊、以前のものより読みやすくなってきているような気がした。 しかしその分内容が薄まってきているような気もする。 今後が楽しみなような心配なような複雑な気分だ。
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