2002年に読んだ本


[No.13]
■ マンゴー・レイン ■ 11.2002 馳星周 ☆2☆
 角川書店 10/2002

 この作者の作品は欠かさず読んでいるが、今回はかなりレベルが下がった感じで読んでいて疲れた。 この作者の書くこのパターンの限界かもしれない。



[No.12]
■ 砂の狩人■ 11.2002 大沢在昌 ☆4☆
 角川書店 10/2002

 久しぶりの大沢ワールドを堪能した。 得意の新宿を舞台にした作品は、新宿鮫と同様の高い緊張感が最後まで持続して読み手をそも独特の世界に引きずり込んでゆく。 無駄のない構成は作品の完成度を高めており、文句なく高得点をあげたい。



[No.11]
■ 裸の女王様 ■ 11.2002 穂苅英嗣 ☆2☆
 角川書店 10/2002

 田中真紀子の元秘書の日記で全て実名なのが面白い。 残念なことにこの元秘書は文章力が幼稚であり読んでいて疲れた。 文芸春秋の特集でも彼女は「性格異常者」呼ばわりされていたが・・・・



[No.10]
■ 東京アウトサイダーズ ■ 06.2002 ロバート・ホワイティング 松井みどり=訳 ☆4☆
 角川書店 04/2002 「Tokyo Outsiders」 Robert Whiting

 前作と同様にとてもおもしろく読んだ。 まるで違う世界の話に思えるが、日本の裏側世界だと思うと非常に興味深い。 ただ、前作ほどの衝撃はなかった。



[No.9]
■ もっとも危険な場所 ■ 06.2002 スティーブン・ハンター 公手成幸=訳 ☆4☆
 扶桑社 05/2002 「Pale Horse Coming」 Stephen Hunter

 お父さんの物語。 文句なくおもしろい内容に満足。



[No.8]
■ リカ ■ 03.2002 五十嵐貴久 ☆3☆
 幻冬社 02/2002

 第2回ホラーサスペンス大賞受賞作。 テンポが良く一日で読んだ。
リカはとても怖くてドキドキしたが、彼女がどうしてこうなったかが全く分らない。 彼女の心理描写を書けばもっともっと怖かったのに。 続編がありそうな終わりは意味深だ。



[No.7]
■ スティームタイガーの死走 ■ 03.2002 霞流一 ☆2☆
 ケイブンシャノベルス 01/2002

 うーん、軽すぎる。



[No.6]
■ クルドの暗殺者 ■ 03.2002 スティーブン・ハンター 染田屋茂=訳 ☆3☆
 新潮文庫 01/2002 「The Second Saladin」 Stephen Hunter

 作者の初期の作品、まだまだプロットが甘いがその後の完成度の高い作品の片鱗は感じることが出来る。
導入部分から緊張感を持って進む展開は良いのだが、途中から話が荒くなり最後はちょっと無理がある展開で消化不良が残る。 この作者の作品を最近のものから読んでいる私のアプローチミスかもしれない。



[No.5]
■ 神は銃弾 ■ 02.2002 ボストン・テラン 田口俊樹=訳 ☆3☆
 文春文庫 09/2001 「God is a Bullet」 Boston Teran

 うーん、麻薬と狂気の世界はどうも理解できない。 原文で読むとすごいスラング英語の嵐だろうなあと思いながら読んだ。
サイラスの行動の裏に迫る心理描写が最後に出てくると期待したが、あっさりと終わってしまい失望した。



[No.4]
■ 真夜中のデッド・リミット ■ 02.2002 スティーヴン・ハンター 染田屋茂=訳 ☆5☆
 新潮文庫 12/2001 「The Day Before Midnight」 Stephen Hunter

 1989年の「このミス」で2位だった作品。 読みたくても手に入らなかったが遂に復刊。
予想通りの面白さで一気に読んでしまった。 文句なしで最高得点だ。
1989年の第1位は「羊たちの沈黙」だったのだが、どうして私がこの作品を見過ごしたか今もって不思議だ。


[No.3]
■ ミステリ・オペラ ■ 01.2002 山田正紀 ☆4☆
 早川書房 04/2001

 魔笛、50年前の満州、宿命城という幻想的な城、そして現代。 壮大なスケールで描かれた物語は本格推理的な要素もパラレルワールドも全部あり。 まったく予想できない展開にワクワクしながら読み進んだ。 最後の種明かしは「普通」だったのが残念でもあり、しかし一方で安心したことも確かである。


[No.2]
■ 超・殺人事件 ■ 01.2002 東野圭吾 ☆2☆
 新潮社 06/2001

 業界関係者を対象にした短編集である。 はっきり言っておもしろくない。 この種の業界ネタは関係者以外には日頃無関係な分野であるだけに自己満足の作品に写るのではないだろうか? この作者の作品は、一定の傾向がなくおもしろかったり今回のようにつまらなかったりするのが不思議ではある。


[No.1]
■ ダーク・ムーン ■ 01.2002 馳星周 ☆4☆
 集英社 11/2001

 舞台をカナダのバンクーバーに移した大作であるが、途中で失速することなく一気に読ませる。 大沢在昌は舞台を新宿以外に移して「新宿鮫」を書いて作品をつまらなくしてしまったが、この作者は舞台を東京以外に移して更に完成度の高い小説を書き上げている。 同じ刑事を描いても大沢在昌とは対照的な登場人物なのがおもしろい。 よく練られたプロットに関心、とてもおもしろい小説だった。






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