(50) 両親との旅行 3　セグレ村

「クリスチアーヌが気を利かして、夕食に誘ってくれましたよ」「それはありがたい」幸
子の父が、外でセグレ村の記念にと卵型のツルツルした石を見つけて来る。「どのドレス
を着て行こうかしら、幸子」女性はどこも同じ、オシャレに余念がない。「ボンジューこ
ちらコラス夫妻です」フロニエ家には、既に先客。クリスチアーヌは、両親とのハーモニ
ーを考えて日本通のコラス夫妻を招待していた。「はじめまして、八尋です」日本流のお
辞儀。幸子の父は、元教育者で厳格。お辞儀でかえすクリスチアーヌに私がリクエスト。
「フランス流にやってみて」普通初対面では、頬にキスの挨拶はしないがここは、フラン
スの思い出を演出依頼。クリスチアーヌも察して「いいのかしら」「ヴァジ、ヴァジやれ
、やれ」雰囲気が大いに盛り上がって夕食。レストランと違ってフランスの家庭を知れて
両親も大満足。「随分りっぱな家だね」ツアー旅行と違う楽しみをしてもらって肩の荷が
少し降りる。

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